2025年3月期第1四半期決算発表記者会見 発言要旨

2024/08/20  株式会社 マツオカコーポレーション 

2025年3月期第1四半期決算発表記者会見 発言要旨

日時:2024年8月8日(木)16:00~16:33
発表者:代表取締役 松岡典之、取締役 渡邉篤史、取締役 田村保治、取締役 金子浩幸

【主な質疑応答】

Q1:第1四半期業績の総括、好調・堅調な部分あるいは苦戦した部分について教えてほしい。

A1:市況においては、インバウンド需要の継続的な拡大等を背景に、景気は緩やかな回復基調にあり、アパレル製品に関しても需要回復傾向が続きました。

受注面では、流通在庫の解消も想定どおり進んでおり、堅調な受注を維持しました。

また、生地加工の分野においても強みである技術力が欧米顧客を中心に評価され、加えて高付加価値の製品の受注につながりました。

生産面では、かねてより注力してきた生産コストや納期など顧客ニーズに柔軟に対応した生産体制を強化したことが受注につながり、中期経営計画第1期で投資した新工場のうち特にベトナム工場を中心に稼働率が向上するとともに生産性アップを図ることができました。

一方で、中国の縫製事業においては、中国の景気停滞と内需不振が受注および生産に影響し、苦戦しました。

Q2:円安の影響について教えてほしい。

A2:当社グループ事業の売上収入は約7割が米ドル建であり、仕入代金や経費を支払った後に残る現預金残高も約5割が米ドルです。

この構造から、ここ2年間は、当社本業の業績の伸長に加えて、円安ドル高による為替差益が増益を後押ししておりました。本日プレス発表したとおり、円安が進行した当第1四半期も約15億円の為替差益を計上しています。

一方で、商流での決済取引や営業債権債務から発生する為替差損益のみを算入し、当社グループ本業の状況を表す独自指標として、前期末から開示している為替差損益調整後営業利益は、9億21百万円の黒字と算定しており、前期比で5.1%増加しています。

Q3:原燃料価格などコストアップの影響について教えてほしい。

A3:原燃料価格は引き続き高い水準にあり、世界的な需給バランスやロシアによるウクライナ侵攻など地政学的リスクに注意を払う必要があります。

生産拠点においては、物流コストや光熱費等の上昇が生産コストの増加要因のひとつであり、コスト削減のための対策を実施しながら、お客様へも価格転嫁の協力をお願いしている状況が続いております。

Q4:2024~25 年秋冬物の受注、生産状況と2025年春夏物の受注状況と市況の見通しについて教えてほしい。

A4:在庫調整が順調に進んでおり、2024~25年秋冬ものの受注に関しては概ね堅調に推移し、2025年春夏ものについても引き続き好調を維持できるものと見込んでおります。

生産状況も受注水準に呼応して、新工場を中心に生産キャパシティ拡大を進めています。生産拠点の稼働率や生産性のアップに寄与するとともに、新工場を中心とした生産地シフトの推進により、さらなる利益率の向上を目指してまいります。

Q5:今期(2025年3月期)の設備投資計画、今後の新たな設備投資計画について教えてほしい。

A5:中期経営計画に基づいた大規模な新規工場建設は第1期の2年間で完了しており、今期は生産機械設備や、既存設備の買換え投資を実施し、生産性向上や生産能力の拡大を進めていく計画です。

消費動向が徐々に回復するなかで、将来に向けた様々な投資案件をいただいております。今後の設備投資については、次の中期経営計画を立案していく中で、顧客の要請に応じて、検討してまいります。

Q6:今後の見通しと第2四半期以降の重点施策、注力ポイントについて教えてほしい。

A6:流通在庫の解消が本格的に進むとともに、営業活動も奏功し受注が好調に伸長しています。それを受けて生産拠点においても稼働率、生産性が向上することで、増収での着地を見込んでおります。

伸長が見込まれる受注をしっかりと受け止め、生産拠点の整備やさらなる効率化を図りながら、顧客ニーズに幅広く対応できる生産拠点展開を武器に、一層の受注拡大と利益獲得をめざしてまいります。

また、時代やトレンド、消費動向等に合わせて常に変わり続ける顧客ニーズに対し、縫製で柔軟に対応できる優位性を活かすとともに、企画・物流・貿易といった商社機能と生産拠点との精緻で綿密な連携によって海外オペレーションをしっかりとサポートできるという強みをさらに磨いていく所存です。

Q7:バングラデシュでの学生デモの影響について教えてほしい。

A7:バングラデシュの当社3工場「MK APPARELS LTD.」「 TM Textiles & Garments Ltd.」「 ISHWARDI MATSUOKA BANGLADESH.LTD.」においては、バングラデシュ政府からの要請および現地の状況を鑑み、7月・8月合わせて4~5日程度の操業停止を余儀なくされました。現在では、規制の範囲内で順次、稼働を再開しはじめており、再開後は社員や現地オペレーターの安全確保を第一としたうえで、本社と連携しながら滞っていた間の生産調整や納期確認などを行っております。

一方で、いまだ工場団地内のインターネット回線が切断と回復を繰り返すなど不安定な環境下であることにくわえ、通関作業や輸送の遅れが今後の納期に影響する可能性も懸念しております。(※)

引き続き適切に情報を収集し、現地社員と連携を保ちつつ、状況を注視するとともに、他の生産拠点や本社含め、全社でカバーしながら稼働を支えてまいります。

※2024年8月20日現在、インターネット接続は安定しております。

Q8:バングラデシュでの混乱に関して、足もとの工場稼働率や今後、懸念される点を教えてほしい。

A8:当社工場については、数日間稼働を停止しましたが、現地オペレーターも通常どおり出勤でき、8月6日あるいは7日に工場を再開しております。そのため、本日現在、ほぼ100%の稼働率で事業を再開しております。

税関・通関や物流が一部正常化していないことから、今後、生産に必要な生地や副資材の到着が遅延することも想定されます。それに伴い生産や納期の遅れも懸念されるため、引き続き状況を注視していく必要があると考えております。

Q9:バングラデシュでは政情不安の長期化が見込まれるなか、今後、生産拠点としての同国に対するスタンスを教えてほしい。

A9:現時点では、他拠点への生産移管は計画しておりません。

当社グループにとってバングラデシュは重要な生産拠点の一つという位置づけに変わりはなく、今後もベトナムとならぶ生産能力向上のためのエンジンとして引き続き注力してまいります。

Q10:中国では低調な市況が続く可能性があるが、御社における中国での生産方針について、教えてほしい。

A10:生産地ごとの特色や優位性によって、状況や顧客ニーズに対して柔軟に対応することが重要であり、生産量の増減を中国の生産キャパシティが担うことで、中国という生産背景が活かせると考えております。

Q11:新工場での生産が伸長してきたとのことだが、工場ごとの具体的な状況や今後の計画について、教えてほしい。

A11:ベトナムには「AN NAM MATSUOKA GARMENT CO.,LTD」「 THANH CHUONG MATSUOKA GARMENT CO.,LTD」という2つの新工場があり、それぞれ現時点では 50~60%の稼働率となっております。2026 年3月期では稼働率 100%を目指して、受注拡大に注力しながらライン増設を進めてまいります。

Q12:業界では天候等の要因から苦戦する企業もあるなか、本日の上方修正の発表のとおり、御社では今後の業績は好調に推移するという見込みなのか、教えてほしい。

A12:概ねそのように想定している。かねてより注力してきた ASEAN 諸国等への生産地シフト、特にベトナムやバングラデシュを中心とした生産能力拡大についても顧客に認識していただき、2024~25年秋冬物から2025年春夏物の受注は好調に推移するものと見込んでおります。

Q13:新社屋の建設工期を延長するとのことだが、完成はどれくらいの遅れになるのか、教えてほしい。

A13:新社屋建設について現時点でお応えできることは、本日開示した「本社新社屋建設工期延長に関するお知らせ」の内容どおりであります。今後、お伝えすべき事項がありましたら、適時ご報告させていただきます。

以上

注)本内容は決算発表記者会見を開催した2024 年8月8日時点の記載であります。また、実際の発言、質疑応答の内容をベースに、当社にて編集(内容によって説明加筆)したものとなります。ご了解ください。

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