インドネシア・南スマトラ州におけるBECCSの適用性評価に係る共同スタディ契約の締結について

2024/08/26  丸紅 

インドネシア・南スマトラ州におけるBECCSの適用性評価に係る共同スタディ契約の締結について

2024/08/26
丸紅株式会社
石油資源開発株式会社

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)と石油資源開発株式会社(以下、「JAPEX」)は、インドネシア国営エネルギー会社であるPT Pertamina(Persero)(以下、「プルタミナ」)と同傘下のPT Pertamina Hulu Energi(以下、「PHE」)と共に、インドネシア共和国南スマトラ州のパルプ工場および近隣の油田エリアにおけるBECCS※1の適用性評価(以下、「本スタディ」)実施に向けた共同スタディ契約を締結しました。

AZECのMOUセレモニー内で開催された共同スタディ契約披露の様子

本スタディは、丸紅のインドネシアにおける子会社PT. Tanjungenim Lestari Pulp and Paper社(以下、「TEL社」)のパルプ工場において、バイオマス燃料を使用した自家発電用ボイラーから排出されるCO2を回収し、TEL社工場近隣でプルタミナグループが操業するリマウ油田鉱区北部の向斜部帯水層※2へ圧入・貯留するBECCSの適用性評価を実施するものです。本スタディを通じ、2030年までの貯留開始を目指します。

BECCSは、カーボンニュートラル実現に向けて重要な役割を果たすネガティブエミッション技術(CO2正味排出量をマイナスにする技術)の一つであり、完全な脱炭素化が困難な産業の残余CO?を相殺するために特に有効な選択肢として期待されています。現在、BECCSの技術は実証段階から初期商用化へと進展しており、本スタディより商業スケール案件が実現した場合、先駆的なBECCS案件となります。

丸紅は、2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」ではグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付けています。CCS事業は気候変動問題に対しポジティブインパクトを創出するための一つの事業機会であり、本スタディを通じた新たな事業の創出により、インドネシアの持続可能な経済発展に貢献していきます。

JAPEXは、今後も本スタディを含め、国内外におけるカーボンニュートラル、またはカーボンネガティブ分野の事業化を目指した取り組みを進め、時代に合わせた「総合エネルギー企業」としての成長と、企業価値のさらなる向上を引き続き目指していきます。

※1: バイオマス発電とCO2の回収・貯留を行うCCSを組み合わせた技術。発電時のCO2の排出量とバイオマスのCO2吸収量が等しくなり、CO?の排出量が実質ゼロになるバイオマス発電にCO2の削減をするCCSを組み合わせることで、CO2の吸収・削減量が排出量を上回ることができる。Bioenergy with Carbon Capture and Storageの略。
※2: 地下水で満たされた砂層。

<各社概要>

会社名 :丸紅株式会社
所在地 :東京都千代田区
設立年 :1949年
代表者 :柿木 真澄
事業内容

:国内外のネットワークを通じて、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開。

ウェブサイト https://www.marubeni.com/jp/
会社名 :石油資源開発株式会社
所在地 :東京都千代田区
設立年 :1970年
代表者 :山下 通郎
事業内容

:石油、天然ガス、その他のエネルギー資源の探鉱、開発、生産、販売と、これらに関連する掘削などの請負事業、太陽光・風力・地熱・バイオマスその他の再生可能エネルギー資源の開発、電気の供給等

ウェブサイト https://www.japex.co.jp/
会社名 :PT Pertamina (Persero)
所在地 :インドネシア共和国、ジャカルタ
設立年 :1957年
代表者 :Nicke Widyawati (President Director)
事業内容

:石油・天然ガスの探鉱、開発、生産(上流部門)、石油精製、石油化学製品の製造(精製部門)、石油・ガス製品の販売・流通(下流部門)、再生可能エネルギー事業の開発、電力事業、海運・物流サービスの提供

ウェブサイト https://www.pertamina.com/
会社名 :PT Pertamina Hulu Energi
所在地 :インドネシア共和国、ジャカルタ
設立年 :1989年
代表者 :Chalid Said Salim
事業内容

:石油・天然ガスの探鉱、開発、生産(上流部門)、国内外での油田・ガス田の運営管理、新規鉱区の獲得と開発、パートナーシップを通じた技術革新、環境に配慮した持続可能な資源開発

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