【記者会見】氷見野副総裁(山梨、8月28日分)

2024/08/29  日本銀行 

2024年8月29日
日本銀行

氷見野副総裁記者会見
――2024年8月28日(水)午後2時から約35分
於 甲府市

(問)

代表質問、二問させて頂きます。一つ目が、山梨県内経済の現状と今後の見通し、そして最近の市場動向が県内経済に与えた影響をお伺い致します。二つ目は、先ほどの懇談会の方で、出席者の方からどのような意見が出て、どのようなやり取りが主にあったかをお伺いできればと思います。

(答)

一つ目の、県経済の現状・見通し、市場動向の影響ですけれども、山梨県の経済につきましては、1 人当たり県民所得の高い豊かな県と承知しております。足元の景気については、海外の需要動向の影響もあって、一部に弱めの動きもみられるわけですけれども、全体として緩やかに持ち直しているというふうに認識しております。今後ですけれども、山梨県の産業はやっぱりいろいろな強みに恵まれているというふうに思っておりまして、製造業は高い技術力に裏付けられた強さがありますし、伝統産業にも特色があるというふうに考えております。また、観光業も魅力のあるコンテンツに恵まれていますし、農業も、ぶどう、もも、すももは日本一ですし、日本ワインにも注目が集まっているということだと思います。また、首都圏との距離の近さもアドバンテージなわけですが、リニア中央新幹線の効果にも期待されるところですし、中部横断自動車道の開通によるアクセス改善も大きいかと思います。人手不足、人口減は課題なわけですけれども、様々な取り組みも進めておられると承知しておりまして、県経済の発展に期待しているところであります。市場動向の影響につきましては、懇談会でも少しお話をさせて頂いたんですけれども、今のところ何かすごく大きな影響が出ているというお話はなかったと思いますが、一つ、お聞きした中では、中小企業の経営については、もちろん業種とか個別の会社によって、円高の影響というのはプラスもあればマイナスもあるわけですけれども、概ねプラスの面が大きいのではないか、というお話をお聞きしたところです。

二つ目のご質問であります、今日どんな議論があったかというところですけれども、経済の現状とか課題とか、あるいはそれにどう取り組んでおられるかといった話を様々お聞きすることができて、非常に貴重な機会を頂いたというふうに感じております。いろんなお話があったわけですけれども、割とよりよく言及がありましたのは人手不足の話でして、人手不足にどう対応するかということですけれども、県外資本との競争みたいなものもあって、賃金はそれなりに払わざるを得ないけれども、それをどう転嫁できるかみたいなところに悩んでおられるという、なかなか容易ではないという話もありましたし、逆にDXといいますか、デジタル化、省力化投資で、何とか道を見出していこうということで、いろいろ工夫をされているというお話もありました。また、そもそも人口減の対策を講じるとか、人材育成とか、そういったところに取り組んでいるというお話もお聞きしたところであります。その他、例えば、新しい産業の振興策をどういうふうにされているかとか、創業支援のお話ですとか、市街地活性化のための対応とか、様々なお話をお聞きすることができて大変勉強になりました。


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