ハンガリー国営エネルギー会社の系統用蓄電池実証向けにNAS電池を受注

2024/08/30  日本碍子 株式会社 

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ハンガリー国営エネルギー会社の系統用蓄電池実証向けにNAS電池を受注

2024年08月30日

日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、ハンガリーのエンジニアリング企業であるDuna Center Therm Uzemi Szolgaltato Kft.を通じて、ハンガリー国営のエネルギー会社MVMグループの子会社MVM Balance Zrt.から電力貯蔵用NAS電池を受注しました。

NAS電池のイメージ

NAS電池はMVM Balanceの発電所内に設置され、電力系統安定化用途の系統用蓄電池の実証に使用されます。電力の余剰時には蓄電し不足時には放電することで電力需給を安定させる系統用蓄電池の社会実装に向けた検証のほか、電力の需給ギャップをなくすための電源(調整力)を取引する需給調整市場への調整力供出も検討します。大容量で長時間放電できることが特長のNAS電池は、豊富な実績があり蓄電技術として信頼性が高いこと、多重的な安全設計や設備の監視体制が厳しい安全管理が求められる発電所内の設置基準を満たしていることが高く評価され、採用が決定しました。ハンガリーでのNAS電池の受注は、国立のエネルギー研究所での実証向け※1、需要家での再生可能エネルギー(再エネ)利用向け※2に続いて、本件が3件目となります。

2050年のカーボンニュートラル達成を法制化しているハンガリーは、2030年までに発電量の90%を低炭素電源に転換する目標を掲げており、再エネの導入が急速に進められています。一方で、再エネは季節や天候により発電量が左右されることから、利用率向上と電力の需給調整のため、長時間のピークシフトが必要となります。長時間のピークシフトには揚水発電※3が適していますが、平坦な地形が多いハンガリーでは、高低差が必要な揚水発電の建設が困難なため、代替としてNAS電池のような大容量蓄電池の需要が高まっています。MVMグループでは、再エネの需給調整の方策として蓄電池の導入を本格的に進めていく方針で、今回の実証で今後導入する系統用蓄電池の性能基準が検討される予定です。

NAS電池は、再エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源などさまざまな用途で利用されており、現在までに全世界で250カ所以上、20年以上の安定的な運用実績があります。当社は今後も系統用蓄電池をはじめとする大容量蓄電池のニーズに応え、世界の再エネの普及促進と電力需給の安定化を図り、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

受注したNAS電池の概要

設置場所 MVM Balance 発電所(ベスプレーム県リテール市)
出力 直流750キロワット(最大出力)
容量 直流4,350キロワット時(納入時)
設置台数 コンテナ型NAS電池3台
用途 電力需給調整、需給調整市場などへの電力供出に向けた実証
運転開始 2025年5月(予定)

NAS電池について

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給することが可能です。全世界で250カ所以上、総出力72万キロワット(720メガワット)・ 総容量約500万キロワット時(約5,000メガワット時)の設置実績を持ち、電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再生可能エネルギーの安定化やスマートグリッドの構築など、さまざまな用途で利用されており、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しています。
NAS電池は、世界的な第三者安全科学機関のUL Solutionsによる評価プログラムを通じ、定置用蓄電池の安全規格UL1973のUL認証(単電池・モジュール)を取得しています。また、バッテリーと蓄電池システム内の火災リスクを検証する試験規格のUL9540A規格に基づく試験レポート(単電池・モジュール・設置レベル)を取得し、UL9540A規格に基づく要件への準拠を確認しています

  • ※コンテナ型NAS電池(及び搭載される単電池・モジュール)を対象としています。

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