輻射ノイズ(近傍磁界)50%低減したスイッチングトランスを開発

2024/09/12  株式会社 タムラ製作所 

2024年9月12日
株式会社タムラ製作所

輻射ノイズ(近傍磁界)50%低減したスイッチングトランスを開発

株式会社タムラ製作所(本社:東京都練馬区、代表取締役社長:浅田 昌弘、以下、「当社」)は、EV急速充電器や燃料電池などに向け、小型高密度化を実現し、輻射ノイズ(近傍磁界)を50%削減したスイッチングトランス(Heat dissipation ferrite switching transformer。以下、「HDF SWトランス」)を開発しました。

パワーコンディショナー、家庭用EV充電器V2H(Vehicle to Home)、EV急速充電器、燃料電池などに使用される大容量のスイッチングトランスには、小型、高効率、高周波化の要求が高まっています。特性の高性能化に伴い発生する近傍磁界による周辺部品へのノイズ影響を考慮した対策を講じる必要も生じています。さらに近年採用される事の多いDABコンバータ(Dual Active Bridge Converter)回路やLLCコンバータ回路には、回路上必要なリーケージインダクタンスを抽出するための共振コイルなどを使用しており、コスト増の要因にもなっています。

これらの課題を解決するために開発したHDF SWトランスは、独自のコア形状の採用により近傍磁界を50%低減しました。放熱性に優れた構造で、小型高密度化を実現しています。また1次/2次巻線間の磁気結合面積を小さくする分割巻き構造を採用しており、回路上最適な10%~20%程度のリーケージインダクタンスを容易に確保できます。これにより回路上の共振コイルが不要となり、コストの削減、取り付け床面積の縮小による機器の小型化につながります。

回路上の共振コイルの削減可能

HDF SWトランス外観 構造断面図 双方向DAB回路例

当社は、第 13 次中期経営計画「Energize the Future 100」に基づき、パワーエレクトロニクス関連市場に注力しています。優れた特徴をもつHDF SWトランスで、カーボンニュートラル社会の実現に向けて引き続き貢献してまいります。

【タムラ製作所について】

タムラ製作所は、2024年5月に創業100周年を迎えました。創業当時のラジオおよび電子部品の製作・販売から始まり、現在はトランス・リアクタなどの電子部品、接合材や絶縁材などの電子化学材料、自動はんだ付装置、放送局用音声調整卓などを製造・販売しています。

株式会社タムラ製作所 東証プライム市場上場(証券コード:6768)
URL:https://www.tamura-ss.co.jp/

以上

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