国連開発計画（UNDP）とともにマリ共和国の女性染色家支援を推進
2024年10月3日
旭化成株式会社
キュプラ繊維「ベンベルグ」※1販売の欧州現地法人である旭化成繊維イタリアは、アフリカ・マリ共和国（以下、マリ）において伝統的な染色産業の持続可能な取り組みを促進することを目的に、染色産業に従事している女性が直面する健康・環境面の課題解決をはかるプロジェクトの支援を、国連開発計画（以下、UNDP）※2とともに推進しています。
2023年よりブルネロ社※3が西中央アフリカの伝統衣装であるバジン向けに、旭化成株式会社が製造するキュプラ繊維「ベンベルグ」を使用した「BemBAZIN」という商品の販売を開始したことをきっかけに、旭化成繊維イタリアとブルネロ社が連携し、UNDPの協力のもと、本プロジェクトへ支援を始めました。
化学染料使用による課題
マリの伝統的な染色産業は、貴重な文化・経済遺産ですが、人々の健康や環境に有害な化学染料の使用が、女性染色家と染色産業の持続可能性にとって大きな課題となっています。化学染料の使用による皮膚や呼吸器への影響や、使用済みの染液の不適切な廃棄等により環境への影響も出ています。
バジン染色現場の様子
課題解決に向けた取り組み
同年5月に、ワークショップが開催され、従来の化学染料に代わる持続可能な代替品の特定、女性染色家の労働条件の改善、伝統的な染色産業における環境保全と持続可能性の促進などが課題として明らかになりました。
同年10月には、上園英樹駐マリ日本国大使臨席のもと式典が行われ、女性染色家の労働条件の改善をはかるため、旭化成繊維イタリアとブルネロ社より、染色業界の代表者へマスク、手袋、ブーツ等の個人用防護具を贈呈し、延べ200人の女性を支援しました。
個人防護具の贈呈
また、同年末には、新たな給水所の設置、染色従事者への健康診断およびデジタル・マーケティング研修が実施されました。
新たな給水所の設置
Photo Credit : UNDP Mali
Photo Credit : UNDP Mali
今後も、旭化成グループは、ブルネロ社、UNDPと共に、マリの女性染色家の生活の質を向上させ、伝統的な染色産業の持続可能な取り組みを促進することに貢献してまいります。
本プロジェクトに協力いただいている
UNDP西中央アフリカ地域事務所プログラム専門官 松浦知紀氏より
このプロジェクトにより、多くのマリ人染色家たちがより良い仕事環境、自身の健康に対する気付きを得られました。これをきっかけに、彼らは将来に向けてより多くの選択肢を手にします。それこそが開発の本質ではないでしょうか。今後も、マリの女性や若者の支援を続けていきたいと思います
旭化成グループ様のような社会的価値観の根付いた企業と協働することは、個人的に非常に大きな学びとなりました。このプロジェクトを皮切りに、日本企業のSDGへの貢献、特に現地住民に直接裨益する形の取り組みがさらに広がることを願っています。
最後に、このような取り組みを支援してくださった、旭化成グループ、特に旭化成繊維イタリアのCEO 濱田様、古澤様、森瀬様に心よりお礼申し上げます。
- ※1ベンベルグ当社グループが世界で唯一生産する、再生セルロース繊維キュプラのブランド名です。シルクのような美しい光沢と滑らかな肌触りに加え、吸放湿性や接触冷感といった機能性を持ち、裏地、民族衣装、アウター、インナー等、さまざまな地域・用途で使用されています。
キュプラ繊維「ベンベルグ」「bemberg」サイト - ※2国連開発計画（UNDP）United Nations Development Programme
国際連合の開発に関する専門機関であり、持続可能な開発と貧困削減を推進するために活動しています。世界中の国々と協力し、経済的な発展、社会的な包摂、環境保護のためのプログラムやプロジェクトを実施しています。 - ※3ブルネロ社1927年創業。「ベンベルグ」をはじめとした化学繊維を使用した高品質裏地の生産・販売をグローバルに行っています。伝統と革新、そして近年ではサステナビリティに対する取り組みを強化し、イタリアの裏地産業の中でリーダーシップを発揮しています。「BemBAZIN」は、ブルネロ社が生産するバジン生地のブランド名です。
以上
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