日中首脳会談

2024/10/10  外務省  

中華人民共和国

日中首脳会談

令和6年10月10日

(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)

現地時間10月10日17時30分(日本時間同日19時30分)から、ASEAN関連首脳会議に出席するためラオスを訪問中の石破内閣総理大臣は、李強中国国務院総理と首脳会談(約35分、同時通訳)を行ったところ、概要以下のとおり。

1総論

両首脳は、日中両国は、引き続き、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築するという大きな方向性を共有していることを確認するとともに、具体的成果を出すべく、双方が事務当局に指示を出すことで一致し、引き続き首脳レベルを含むあらゆるレベルで重層的に意思疎通を重ねていくことを確認した。
その中で、石破総理は、両国間には協力の潜在性と課題・懸案があるが、両政府の努力を通じて両国民が関係発展の果実を得られるよう共に取り組んでいきたい旨強調した。

2二国間協力

両首脳は、ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する両政府の発表を共に評価し、石破総理から、日本産水産物の輸入回復を早期に実現するよう求めた。
また、石破総理から、日本産牛肉の輸出再開、精米の輸出拡大に係る協議の再開を改めて求めるとともに、環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケア分野等でも協力を進めたい旨提起し、両首脳は、日中ハイレベル経済対話等も活用して具体的な協力の進展を図っていくことで一致した。

3二国間の諸課題・懸案

石破総理から、ブイを含む東シナ海情勢、8月の中国軍機による領空侵犯事案や9月の空母による我が国領海に近接した海域の航行といった中国軍の活動の活発化につき、深刻な懸念を改めて伝え、領空侵犯について十分な説明を行うよう求めた。
また、石破総理から、蘇州や深?で日本人学校の児童等が死傷した事件により、中国の在留邦人の不安は急速に高まっている旨指摘しつつ、一刻も早い事実解明と説明、日本人の安心・安全の確保を強く求めた。この関連で、石破総理から、悪質で反日的なSNSの投稿等の取締りを含め、中国側の迅速な対応の重要性を提起した。さらに、石破総理から、中国における邦人拘束事案について我が方の立場に基づき改めて申し入れ、拘束されている邦人の早期釈放を求めた。
石破総理から、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を表明するとともに、台湾については、最近の軍事情勢を含む動向を注視している旨伝えつつ、台湾海峡の平和と安定が我が国を含む国際社会にとって極めて重要である旨改めて強調した。

4国際情勢

両首脳は、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮情勢等の地域情勢についても意見交換を行った。