「快適空間エレベーター」が「2024年度グッドデザイン賞」を受賞(三菱電機ビルソリューションズ株式会社)

2024/10/16　三菱電機　

2024年10月16日

「快適空間エレベーター」が「2024年度グッドデザイン賞」を受賞

三菱電機ビルソリューションズ株式会社（取締役社長織田巌、本社：東京都千代田区）は、日本国内向けに発売している「快適空間エレベーター（英語名称：Elevator for Health and Well-being）」が、公益財団法人日本デザイン振興会（会長：内藤廣、所在地：東京都港区）が主催する「2024年度グッドデザイン賞」の「公共用機器・設備」カテゴリーにおける「グッドデザイン賞」を受賞しましたのでお知らせいたします。

快適空間エレベーター

「2024年度グッドデザイン賞」審査委員の評価コメント

「建築業界において「ウェルビーイング」への関心が高まる中、エレベーターの快適性、特に「閉塞感」や「同乗時の気まずさ」といった利用時のストレス要因に着目し、利用者の満足度を向上させる快適空間エレベーターを開発することは、重要で意義のある取り組みである。また、自然環境を感じさせる光や音、素材を用いて疑似的な自然空間を創出することにより、快適な利用環境の提供やストレス解消効果を実証しており、その成果を公開している。審査委員も実際にエレベーター空間を体験してその効果を実感している」。（「2024年度グッドデザイン賞」審査委員の評価コメントより引用）

「快適空間エレベーター」のデザインコンセプト

「快適空間エレベーター」は、人と社会にとってより良い建築を実現するために、利用者のウェルビーイングを促進するエレベーターです。自然環境を感じさせる光や音、素材によりエレベーター利用時の課題とされる「空間の閉塞感」「同乗時の気まずさ」といったストレスを軽減。閉ざされた空間でも自然の中にいるような爽やかな空間を、3つの特長により実現しています。

「快適空間エレベーター」を構成する3つの要素

1．照明：青空照明「misola(R)（みそら）」

青空照明「misola(R)」シーンの移り変わり
一般的な居室に比べて、エレベーターのかご内は天井が低く閉塞感を感じることがあります。「misola(R)」はレイリー散乱※1を用い開放的で奥行き感のある青空を再現したパネルと、自然な太陽光が差し込むような日なたと影を表現したフレームによって閉塞感を緩和し、開放的で快適な空間を実現しています。また、時間による空の移り変わり（昼、朝夕、日の出／入り、夜）や季節による日の出／入りの時間変化を再現します。体内時計に働きかけるサーカディアンリズム（概日リズム）の制御を備えることで、実際に屋外の実空間と繋がっているかのように錯覚し、やすらぎのある、かご内空間を実現しています。

※1：大気圏に太陽光が入射する際に大気を構成している分子によって発生する現象。波長の短い青い光が波長の長い赤い光よりも強く散乱されるので昼間の空が青く見える。

2．デザイン：陽ざしコーニスデザイン
コーニス照明と青空照明「misola(R)」を組み合わせることで、より開放感を感じることができるデザインとしました。また、以下のとおり、コーニス照明と壁面意匠を組み合せることで開放的な屋外の自然を感じ、リラックスした心理状態に導きます。

（1）コーニス照明照明を天井の内側に設置し、正面壁との隙間から陽ざしが差し込んでいるかのように想起させます。光が差し込む方向を青空照明「misola(R)」の日なたと影を表現したフレームと揃えることで実空間との繋がりを錯覚し、より開放的な空間を感じられるよう演出します。		陽ざしコーニスデザインのイメージ
（2）壁面意匠正面の壁には「AXIEZ-LINKs(R)（アクシーズリンクス」標準面材ラインアップの木目柄と比べ、より大柄な木目模様とし、自然を想起させるとともに、側面はマットな白色にすることでコーニス照明が差し込む影の視認性を高め光の方向を表現しています。		陽ざしコーニスデザインのイメージ

3．音響：立体音響システム「DIATONE(R)Ambience」

利用者の両耳に伝搬する反射音や残響時間を制御することで、サウンドが実空間より広く感じることができます。かご内のどの場所に乗車しても均一にサウンドが聞こえることで、閉塞感の緩和効果を高めます。

（1）コンテンツ
ホテル・オフィス、自然音・音楽、昼・夜を組み合わせた8種類のコンテンツ音源により、適用する物件に応じた選択が可能です。

（2）音響制御技術
スピーカーから再生される音はかご内で伝播や残響します。音源と人の関係を表した伝達関数を基に、音響信号処理技術によって音波を適切に制御することで、閉塞感のない心地よい音場を実現します。

（3）スピーカー
建物によってはエレベーターのスペースに制限があります。より小型で天井横の狭いスペースでも音響制御技術を動作させることができる専用の「DIATONE(R)スピーカー」を搭載しています。

「快適空間エレベーター」の効果についてのご紹介動画
https://www.meltec.co.jp/products/ev_es/renewal/ev_renewal/movie_kaiteki.html

「快適空間エレベーター」の効果実証について

「快適空間エレベーター」の照明・面材・サウンドによる快適性やエレベーター内での気まずさ解消効果を検証するため、お茶の水女子大学長澤夏子教授監修のもと感性実験を2020年7月に実施しました。この実験のアンケート結果から、一般的なエレベーターでは見知らぬ同乗者との気まずさからストレスを感じる方でも、「快適空間エレベーター」では同乗者がいても快適に利用していることを実証しました。
また、生体計測の結果でもリラックスした状態で利用されており、エレベーターに乗っている時間を短く感じる効果があることも確認しました。

「三菱電機技報」Vol.97・No11・2023：2-04～2-05より引用
https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2023/2311102.pdf

「グッドデザイン賞」について

1957年に通商産業省（現経済産業省）によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」が母体となり、現在は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、私たちの暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする製品「よいデザイン」を総合的に評価・推奨する制度です。
「グッドデザイン賞」ウェブサイト https://www.g-mark.org/

商標関連

「misola」は三菱電機照明株式会社の登録商標です。
「AXIEZ-LINKs」は三菱電機株式会社の登録商標です。
「DIATONE」は三菱電機株式会社の登録商標です。

以上