「NEDO懸賞金活用型プログラム」第4弾「NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”」懸賞広告の予告
―量子コンピュータ未経験の企業などからも「課題そのもの」を募る新たな試みに挑戦します―
2024年10月30日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
NEDOは、2025年3月より「NEDO懸賞金活用型プログラム」(NEDO Challenge)の第4弾となる「NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”」(以下、本事業)の懸賞広告を開始する予定です。量子コンピュータ分野で公的機関が懸賞金事業を行うのは、初めてです。
本事業は、懸賞広告に先立って量子コンピュータ(以下、QC)の専門家に限らず、日々、社会課題に向き合う企業などからも「課題そのものを募集する」ことで幅広い可能性を追求し、英知を集めて社会課題に取り組む素地を築くNEDO初の取り組みです。さまざまな分野の専門家による対話のもとで、QCが、その真価を発揮できる社会的・経済的意義の大きい課題を発掘し、設定します。また、課題に取り組む技術者の裾野を広げるため、異分野の専門家や数学・情報科学分野の天才に教育プログラムを用意する初の懸賞金事業となります。その上で、第一線のQC技術者と教育を受けた未来のQC技術者が、最先端のQCを駆使してこの課題の解決を目指す、まったく新しい挑戦となります。
審査委員長には量子ソフトウエアの権威である大阪大学大学院基礎工学研究科の藤井啓祐教授を迎え、事業を強力に推進していきます。なお、本事業の企画運営はPwCコンサルティング合同会社に委託して実施します。
図 「NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”」のロゴマーク
1.NEDO Challengeの概要
NEDOは、技術課題や社会課題の解決に資する多様なシーズ・解決策をコンテスト形式による懸賞金型の研究開発方式※1を通じて募り、将来の社会課題解決や新産業創出につながるシーズをいち早く発掘することで、共同研究などの機会創出、シーズの実用化、事業化の促進を狙う本プログラム※2“NEDO Challenge”を立ち上げました。
現在実施中の第1弾「NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth※3」、第2弾「NEDO Challenge, Li-ion Battery 2025 発火を防ぎ、都市鉱山を目指せ!※4」、第3弾「NEDO Challenge, Motion Decoding Using Biosignals※5」に続き、第4弾として本事業の懸賞広告を予定しています。
「NEDO懸賞金活用型プログラム/NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”」の予告については以下のページをご参照ください。
NEDO懸賞金活用型プログラム/NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!”予告
2.本事業について
(1)概要
QCは日進月歩の進化を遂げており、各国政府による量子政策の策定をはじめ、国内外の多くの企業がさまざまな取り組みを進めています。特に、内閣府の「量子未来社会ビジョン」の2030年目標に向け、QCの実用化と産業化に向けた方針や具体的な実行計画を本格的に推進することが求められています。
QCによる革新を実現するためには、社会課題の解決や新たな産業の創出に向け、さまざまなQCのアプリケーションの開発がますます重要となっています。本事業では、既にQCに取り組む研究者・技術者だけでなく、他分野からの参入者や、QC技術の将来を担う次世代の参加者を積極的に募集します。これにより、社会ニーズとQCが交わる新たな場を創出し、QCのエコシステムを形成していくことを目指します。
このような目的を達成するため、実際の懸賞広告(2025年3月ごろを予定)に先立ち、二つの募集を本日より開始します。
〔1〕【社会課題の募集】本事業の課題として最終化するための、社会課題そのものを募集します。
〔2〕【参入者募集】既にQCに習熟している研究者・技術者だけでなく、潜在的なポテンシャルを持っている人材にも本事業に応募いただくために、無償の教育プログラム(QCの基本的な取り扱い・ソフトウエア技術の習得など)への参加者を募ります。
(2)今回の募集内容
【社会課題の募集】
課題先進国である日本には解決を待たれている課題が多く存在しますが、解決の手段としてQCを選択するにはいくつものハードルがあります。そもそも課題がQCに適しているのか、適していたとしてどのようなスキルがあればよいのか、実行環境はどのように用意すれば良いのかなど、一歩を踏み出すことが非常に難しいのが現実です。
本事業では、それらのハードルを下げ、QCによって解決が期待される課題のアイデアを出していただくことを重視します。課題をQCに適したものに仕上げ、スキルセットを持った人材とマッチングの機会を作るなどし、課題案を提出しやすい環境を構築します。
募集期間:本日より2024年12月13日正午まで(次項の懸賞広告の課題の対象)。
募集する課題の領域について:「Society5.0」、「QoL」、「Cool Japan」の3領域とします。各領域にどのような課題が含まれるかは(4)に記載の専用サイトを参照し、疑義は事務局にお問い合わせください。
募集方法:詳細は(4)に記載の専用サイトをご確認ください。
【参入者募集】
QCを使ってさまざまな課題に挑戦する人材が、まだまだ不足しています。数学やプログラミングに興味があり、QC時代の到来を自ら切り開いていきたいと考える次世代の人材や、QC以外のドメイン知識を持ちながら、既存のツールでは解けない課題をお持ちの専門家など、QCの分野に積極的に参入したいと考えている方に、手厚い教育プログラムとサポート環境を用意します。
募集期間:本日より2024年12月13日正午まで。
教育内容および応募要件など:詳細は(4)に記載の専用サイトをご確認ください。なお、基礎的な数学・プログラミングのスキルは応募の前提になります。
(3)3月ごろ募集開始予定の懸賞広告概要
【研究開発環境】
研究開発には計算機やそれを制御するソフトウエアを含めた研究開発環境が必要です。本事業の対象となるQCは利用のハードルが高いため、最新の利用環境をNEDOで用意し、課題解決への優れたアイデアに対しては環境を無償で提供することとしました。さまざまな種類のQCを使用できる予定です。
【懸賞金額】
優勝賞金2千万円以上(各課題領域につき)
(総額 約2億円。また懸賞金とは別に、審査委員特別賞などを授与することがあります)
【今後の予定】
- 懸賞広告:2025年3月ごろ
- 研究開発環境提供のためのスクリーニング:2025年5月ごろ
- 研究開発環境の提供開始:2025年6月ごろ
- 受賞者決定、表彰式:2026年8月ごろ
- 懸賞金交付:2026年10月ごろ
(4)専用サイトと問い合わせ先
事業全体の詳細やスケジュール、応募方法、応募様式などは以下のWebサイトをご確認ください。
NEDO Challenge, Quantum Computing “Solve Social Issues!” 専用サイト
また、社会課題・参入者への応募に関する問い合わせ先は以下となります。
運営事務局 E-mail:qc-challenge@nedo-challenge.jp
(5)オンライン説明会
直近のイベントにあたる【社会課題の募集】と【参入者募集】につきまして、参加希望者と直接対話する機会を企画します。
- 日時:11月中旬ごろ(1時間程度)
- 開催方法:オンラインのみ
- オンライン説明会に関する最新情報は、(4)専用サイトに掲載されます。
【注釈】
- ※1 懸賞金型の研究開発方式
- 諸外国では、政府や財団が研究開発の目標を掲げて多数の応募者を募り、さまざまなアイデアやアプローチをコンテスト形式により競わせ、開発期間を終えた段階などで、目標水準以上の成果を上げた者のうち上位数者に対して懸賞金を支払う仕組みを採用しています。日本では、同方式の実施例はまだ多くありませんが、懸賞金は民法に定められており、本プログラムでも民法に基づき懸賞金を交付します。
- ※2 本プログラム
-
- ※3 NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth
- NEDOリリース(2024年3月18日)「“NEDO Challenge”「NEDO懸賞金活用型プログラム」始動」
- ※4 NEDO Challenge, Li-ion Battery 2025 発火を防ぎ、都市鉱山を目指せ!
- NEDOリリース(2024年4月10日)「「NEDO懸賞金活用型プログラム」第2弾「NEDO Challenge, Li-ion Battery 2025 発火を防ぎ、都市鉱山を目指せ!」公募開始」
- ※5 NEDO Challenge, Motion Decoding Using Biosignals
- NEDOリリース(2024年7月25日)「「NEDO懸賞金活用型プログラム」第3弾「NEDO Challenge, Motion Decoding Using Biosignals」公募開始」
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO AI・ロボット部 量子ユニット
E-mail:quantum_contest[*]ml.nedo.go.jp
(「NEDO懸賞金活用型プログラム」についての問い合わせ先)
NEDO フロンティア部 新技術・懸賞金チーム
TEL:044-520-5174 E-mail:sangi-jimu[*]nedo.go.jp
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 経営企画部 広報企画・報道課 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press[*]ml.nedo.go.jp
E-mailは上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
- ※ 新聞、TVなどで弊機構の名称をご紹介いただく際は、“NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)”または“NEDO”のご使用をお願いいたします。
関連ページ
- 関連情報
-
NEDO懸賞金活用型プログラム【事業紹介】
- 技術シーズ発掘・育成
- 同分野のニュースリリースを探す
- 同分野の公募を探す
- 同分野のイベントを探す