5G L1ソフトウエアを開発し、
NVIDIA Grace Hopperプラットフォーム上に
キャリアグレードの高性能・高品質なvRANを実現
~NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipを搭載した1台のサーバー上に5G 20セルを実装し、
屋外実証実験環境を世界で初めて構築~
2024年11月13日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、NVIDIA AI Aerialプラットフォームをベースとした、信号の並列処理やタスク起動タイミングの最適化などにより、キャリアグレードに不可欠な安定性かつ高性能を実現した5G L1※ソフトウエアを開発しました。今後は、これに加え、RAN容量の最大化や消費電力の削減などを実現するL1ソフトウエアの開発も行います。
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L1:vRANソフトウエア構造におけるOSI参照モデル「物理層(第1層)」
ソフトバンクは、NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipプラットフォーム上で、ソフトバンクが開発したL1ソフトウエアを用いた高品質な5G(第5世代移動通信システム)のvRAN(virtual Radio Access Network、仮想無線アクセスネットワーク)を屋外実証実験環境として世界で初めて※構築しました。NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipアーキテクチャーは、パフォーマンスを加速するNVIDIA Hopperアーキテクチャーと、汎用性の高いArm® Neoverse™ V2ベースのNVIDIA Grace CPUを、単一のスーパーチップに統合しています。
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世界初:NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipを搭載した1台のサーバー上で、100MHz幅の帯域に最大4レイヤーのMIMOと20セルのベースバンド処理を可能にした屋外実証環境を構築したこと。2024年11月13日時点、NVIDIAによる確認に基づく。
AI-RAN屋外実証実験の概要
神奈川県藤沢市に、NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipを搭載した1台のサーバー上で、100MHz幅の帯域を持つ5G 20セルのベースバンド処理を可能にした屋外実証実験環境を世界で初めて構築し、実証実験を実施しました。今回の実証実験では、4.9GHz帯の周波数の電波を利用し、最大4レイヤーのMIMO(Multi-Input Multi-Output)により、1セル当たり最大約1.3Gbpsの通信容量の実現に成功しています。
NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームによる高速処理という特長は、一つのセルに広い帯域幅を割り当てることができる高周波数帯との親和性が非常に高く、将来6G(第6世代移動通信システム)に向けて利用が見込まれるセンチメートル波などへの応用も期待されています。また、このような高周波数帯のセルは、都市部の高トラフィックエリアへの展開が想定されるため、今回のAI-RAN屋外実証実験は、都市部の通信環境を模擬し、密集したセル配置による高干渉エリアやドライブテストが可能なモビリティエリアを構築しています。
また、無線通信事業では、長期間の運用において、故障や動作不良などによるセル停止の時間や、電波品質の悪化などにより接続できない事象を可能な限り最小化する安定性、高接続性が必要です。これらを高いレベルで実現するため、ラボのような管理された電波環境だけではなく、屋外で起こる不規則な電波環境においても確認する必要があります。今回、キャリアグレードとして必要な、安定性、高接続性を確認するため、100台以上の端末を用いたさまざまな実証実験を行っています。今後は、Massive MIMOのような空間多重技術や、AI for RANと呼ばれるAIによるRAN性能向上を実現する技術についても併せて評価する予定です。
ソフトバンクの執行役員 兼 先端技術研究所 所長の湧川隆次は、次のように述べています。
「今回の20セルの実環境を模した実験で、CPUとGPUを統合したNVIDIAのアクセラレーションプラットフォームの高い性能とArm Neoverse V2の低消費電力性を証明することができました。このソフトウエア基盤は、厳しい性能要求を満たしながらAIのアプリケーションも稼働できるRANプラットフォームです。これはソフトバンクが目指すビジョンに向けて、われわれとパートナーが協力し合って成し遂げた大きな一歩です」
NVIDIAの通信事業担当シニアバイスプレジデントであるロニー・ヴァシシュタ氏は、次のように述べています。
「ソフトバンクのAI-RAN実地試験は、この新しいタイプのネットワークの商用化に向けた大きな一歩です。NVIDIAのアクセラレーテッドインフラストラクチャーとNVIDIA AI Aerialソフトウエアを使用して、ソフトバンクは高性能なキャリアグレードの5G RANを実証し、通信ネットワークインフラの新たな指標となる道筋を示しました」
Armのインフラストラクチャ事業部門のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるモハメド・アワッド氏は、次のように述べています。
「この世代のAIを搭載した通信ネットワークは、スループットを向上させながら消費電力を削減する計算プラットフォームを必要としています。ソフトバンクがNVIDIA GH200 Grace Hopper Superchipサーバー上で高性能なvRANソフトウエアを展開したことで、Arm Neoverseがキャリアグレードの安定性を向上させながら提供する優れた能力を発揮し、通信業界における可能性の基準を引き上げています」
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