持分法適用関連会社であるPTT Asahi Chemical Co., Ltd.におけるアクリロニトリル事業等の撤退方針決定のお知らせ
2024年11月15日
旭化成株式会社
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、当社とPTT Global Chemical Public Company Limited(以下「PTTGC社」)が折半出資し、タイ王国に所在する持分法適用関連会社PTT Asahi Chemical Co., Ltd.(以下「PTTAC社」)につき、本日開催されたPTTAC社株主総会において、事業の終了および工場設備の撤去が決議されましたことをお知らせします。
1. 背景と経緯
PTTAC社は2006年にプロパン法アクリロニトリル(以下「AN」)および、ACH法メチルメタクリレート(以下、「MMA」)および硫安の製造・販売を行う会社として設立されました。その後、東南アジア顧客向けの製造拠点として事業を継続してまいりましたが、2022年頃よりの経済環境の低迷長期化および原料コストの上昇による競争力の低下に加え、中国での生産能力の増強を背景とする需給環境の悪化により厳しい業績状況となっています。このたびPTTGC社と協議の結果、PTTAC社が今後健全に事業を継続することは困難との判断で一致し、本合弁事業を終了することで合意しました。
2. PTTAC社の概要
- 1)会社名
- PTT Asahi Chemical Co., Ltd.
- 2)本社所在地
- タイ王国・ラヨーン県
- 3)株主構成
- 旭化成株式会社50%、PTT Global Chemical 50%
- 4)代表者
- 瀧本 雅夫
- 5)設立
- 2006年8月1日
- 6)操業開始
- 2013年1月1日
- 7)決算期
- 12月
- 8)従業員数
- 235人(うち当社出向者は5名)
- 9)事業内容
- プロパン法ANおよびACH法MMAおよび硫安の製造・販売
3. 今後の対応について
今後は、決議された撤退方針に基づき、以下のスケジュールで進めていきます。なお、PTTAC社の会社清算については、工場設備の撤去等を進めたのちに決定をする予定です。
- 2024年10月31日
- 工場生産の終了
- 2024年12月31日
- 販売の終了
- 2025年~2028年
- 工場設備の撤去工事
今回、事業の一部撤退という形になりましたが、当社では持続的な企業価値向上に向けて、グループの競争力強化に尽力していきます。
また、ANおよびMMA各製品におきましては、アジアを中心とした取引先様に対し、引き続き製品の安定供給に努めていきます。
なお、本撤退に伴い、今年度に発生する費用につきましては、2025年3月期第2四半期決算発表(2024年11月1日公表)の「2025年3月期の連結業績予想」にすでに織り込んでおります。
用語解説
- ※1 アクリロニトリル(AN)
一般的に繊維や樹脂の原料となる液体のモノマーで、主にABS樹脂の主成分の一つとして電化製品等に広く使用されています。PTTACが製造するプロパン法ANは、従来のプロピレン法とは異なり、プロパンから直接製造する当社独自の技術です。 - ※2 メチルメタクリレート(MMA)
主にアクリル樹脂の原料として使われるモノマーです。PTTACではAN製造過程に副生される青酸を主な原料として製造されています。
以上
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