「ショベル自律施工システム」を開発
~建設土木現場における溝堀施工の「自律化」を実現~
2024年11月27日
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実証試験の様子 |
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LiDARによる溝堀施工後の地形センシング結果 |
川崎重工は、「ショベル自律施工システム」(以下、本システム)を開発し、ショベルによる自律溝堀施工を実現しました。これにより、建設土木現場において技能者が担っているショベルによる溝堀施工の「自律化」が可能になります。
本システムは、ショベル搭載のコントローラによって、入力した3D設計データとLiDAR※1による地形センシング結果をもとに、効率的な掘削動作を計画し、自律的に掘削量を判断しながら掘削・ダンプ積込を行います。当社における実証試験において、幅2m・深さ0.6m・長さ10mの溝を自律施工できることを確認しました。加え、掘削作業のほか、溝の床面を水平に均す作業や押し固めを行う作業も自律的に行うことができることも確認しています。
現在、人口減少に伴う労働力不足が顕著化しており、建設土木業界においても技能者の育成や人材確保が大きな課題となっています。さらに、労働環境の改善および生産性向上が強く求められている中で、建設土木現場における作業の「自律化」のニーズはさらに高まっていくことが予想されます。本システムの実用化に向けて、様々な土質条件でも安定した掘削自律施工を行うことができるよう、引き続き、システム開発に取り組みます。
本システムは、当社が長年培ってきた高度な油圧制御技術と産業用ロボットの制御技術を融合することで、当社独自のショベルの自律制御はもとより、高応答、高精度、高効率な動作を実現しました。建設土木業界に革新をもたらすソリューションとなることを目指し、当社の技術と挑戦で、さらなる開発を進めてまいります。
<ショベル自律施工システムの特長>
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簡易なポイント指示から連続した軌道を生成し、ロボットのように滑らかな軌道追従を行います。 |
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ショベル搭載のコントローラによって入力した3D設計データ、地形センシングによって得られたデータに基づき掘削動作を計画します。
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センシング技術や土質推定技術により、高効率でロバスト性の高い掘削を実現します。 |
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高度な油圧制御技術によって、精度良く、流量指令に追従し、高精度で滑らかな動作を実現します。 |
※1. |
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LiDAR(Light Detection And Ranging):レーザー光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や形状を測定します。本システムではLiDARで地面の形状を計測しています。 |
※2. |
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IMU(Inertial Measurement Unit):3次元の慣性運動(直行3軸方向の並進運動および回転運動)を検出する装置です。本システムではIMUをバケットなどに設置して姿勢を計測しています。 |
※3. |
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RTK-GNSS(Real Time Kinematic-Global Navigation Satellite System):位置情報に加えて衛星信号の搬送波位相情報を使用することによりセンチメートルオーダーの測位ができます。本システムでは2個のRTK-GNSS受信機を使用し、ショベルの位置と方位を計測しています。 |
【参考リンク】
油圧ショベル向け油圧機器:
https://www.khi.co.jp/industrial_equipment/hydraulic/applications/mobile/excavators.html