Qualcomm社製NPU搭載スマートモジュールを活用したEdgeAI-Link(R)ワンストップ・ソリューション提供開始のお知らせ

2024/12/09  ザインエレクトロニクス 株式会社 

ニュース Qualcomm社製NPU搭載スマートモジュールを活用したEdgeAI-Link(R)ワンストップ・ソリューション提供開始のお知らせ

2024.12.09 リリース

~お客様のエッジAI機器開発の抜本的期間短縮とコスト抑制に貢献~

当社グループは、高速インターフェースと画像処理技術の分野で世界をリードするLSI事業とAI・IoTソリューションを提供するAIOT事業、AI用GPU搭載機等サーバー提供事業を3本柱に事業展開していますが、この度、エッジAI機器を開発するお客様に向け、Qualcomm社製のNPU (Neural Processing Unit: AI処理ユニット) 付きシステムLSIを搭載したスマートモジュールを活用し、エッジAI機器開発に必須となるハード・ソフトの構成要素からなる、EdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューションの提供を開始することといたしましたので、お知らせいたします。 今回、提供開始するEdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューションは、顔認証システム、AIカメラ搭載デジタルサイネージ、店舗マーケティング、防犯用監視カメラ、安全監視システム、AIロボット、運転者支援機能付ドライブレコーダーなど、エッジAI処理を導入する機器を開発するお客様に向け、カメラやディスプレイを活用するユースケースに対応して、開発に必須となる構成要素を搭載した電子回路基板により提供するものであり、ニーズの高いユースケースから順にソフトウェアを展開していく計画です。
スマートモジュール活用EdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューションの概要
応答速度や個人情報保護、通信コストの理由でクラウドAI処理が適さないユースケースではエッジAI処理が求められますが、今回のEdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューションを活用することにより、必要なハードとソフトを活用することでお客様の開発期間を抜本的に短縮し、トータルコスト抑制に貢献いたします。小型で価値の高いエッジAI機器を短い開発期間で構築することができます。
スマートモジュールに搭載されたQualcomm社製システムLSI上のNPUを活用することにより、メインユニットでのエッジAI処理が可能となります。3.5TOPS(注) から12TOPSまで複数のAI処理能力を選択することができ、今後、さらに高速化したラインアップを拡充していく予定です。

また、一般的にはお客様がシステムLSI上の画像処理用ISP (Image Signal Processor) ユニットの画質調整を行うことは難しいため、15年超のISPサポート経験蓄積を持つ当社が、ISP画質調整をサポートいたします。

AI前処理後の画像データ等をクラウドに連携してAI詳細解析する場合には、標準装備のWiFiやBluetooth接続に加えて、4G LTE対応モデルも適用することができます。

スマートモジュール搭載メインユニットは、4Kの2カメラ映像入力とディスプレイ出力が可能な電子回路基板となっています。当社製電源制御半導体 (PMIC: Power Management IC) に加え、静電気からシステム基板を守る過渡電圧抑制デバイス (TVS: Transient Voltage Suppressor) も搭載しています。

メインユニットに接続されるカメラユニットには、当社製カメラ用V-by-One® HS製品を搭載し、4K映像信号と制御信号を15mの長距離に及ぶメインユニットとの間のデータ伝送が可能となります。

また、パネルユニット側に当社製ディスプレイ用V-by-One® HS製品を搭載し、メインユニットから15mの長距離に及ぶ映像と制御のためのデータ伝送が可能となります。さらに、汎用入出力信号 (GPIO) を高速伝送でき、ディスプレイ上のタッチパネルの制御信号やスマートモジュールへの割込信号の応答速度に優れるほか、液晶ディスプレイのバックライトコントロールの設計が容易になるなどGPIOの利便性と設計自由度が高い点にも特長があります。

当社グループとしては、来年度から2027年度に向けた中期経営戦略「Innovate100」の実現に向け、エッジAI機器などの構築に向けたEdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューションの提供を始めとして、半導体、AIOTソリューション、AI等サーバーから成る3事業展開を通じてAIの社会実装の加速と、それによる経済社会の生産性向上に貢献していく方針です。

■ 適用ユースケース例

  • 顔認証システム
  • コンビニ、店舗、自動販売機用のAIカメラ搭載デジタルサイネージ/ディスプレイ
  • AIカメラ店舗マーケティング
  • 防犯用監視カメラシステム
  • 駅構内や産業施設における安全監視(姿勢認識)システム
  • ドライブレコーダー等による車線認識、居眠り警告など運転者支援システム
  • 物流倉庫ロボット、工場内無人搬送車(AGV)、工作機械ロボット、配膳ロボット、掃除ロボット
など

■ EdgeAI-Link® ワンストップ・ソリューション電子回路基板 (メインユニット) の主要搭載機能
  • NPU搭載: 3.5 / 6 / 9 / 12TOPSに対応(今後、高速化ラインアップ拡充を予定)
  • 4Kカメラ2入力対応 (受信用V-by-One® HS製品)
  • 画像処理機能 (ISP: Image Signal Processing機能)
  • タッチスクリーン対応 (ディスプレイ映像出力用V-by-One® HS製品)
  • 4G LTE対応モデルあり
  • WiFi 2.4G + 5G
  • Bluetooth
  • Android12 / 13 / 14
  • GNSS

(注) TOPS: Tera Operations Per Secondの略。AIプロセッサなどの処理速度を整数演算能力により、1秒間に実行可能な演算回数を1兆回単位で示す指標のこと。

※「V-by-One」および「EdgeAI-Link」は、ザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
ご注意:本文中における各企業名、製品名等は、それぞれの所有者の商標あるいは登録商標です。

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