2024 年 12 月 19 日
日本製鉄株式会社
カナダKami 鉄鉱石鉱山の権益取得、
合弁会社の設立に向けた基本合意について
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、カナダ Champion Iron Limited(チャンピオン・アイアン社、以下CI 社)が保有し新規開発を検討しているカナダニューファンドランド・ラブラドール州(以下、N&L 州) Kamistiatusset 鉄鉱山(カミスティアチュセット鉱山、以下 Kami 鉱山)の権益を取得し、開発・操業を行う合弁会社の設立につき、CI 社ならびに双日株式会社(以下、双日)と基本合意しましたのでお知らせします。
1.権益取得・合弁会社設立の基本合意に至った背景と目的
(1)経営戦略上不可欠な直接還元鉄用鉄鉱石の権益確保
日本製鉄は、「高炉水素還元」「大型電炉での高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」の3つの超革新技術の複線的開発によるカーボンニュートラルの実現を目指しています。大型電炉での高級鋼製造において、二酸化炭素排出削減と高品質な鋼材の安定生産を両立させるためには、良質なスクラップおよび直接還元鉄が必要です。
Kami 鉱山はCI社が保有し、カナダ東部に立地する鉄鉱石の露天掘り新規開発鉱区です。同鉱山から産出される鉄鉱石は、直接還元鉄の製造に適した(DR グレード)、世界的にも稀少な高品位の鉄鉱石です。また、Kami 鉱山の資源量は潤沢であり、高品位な DR グレード鉄鉱石を長期的に供給することが可能です。
今般、将来における当社の電炉操業に必要な直接還元鉄の原料確保のため、Kami 鉱山の権益を取得し、CI 社・双日と共同で開発・操業に向けたフィージビリティ・スタディを進めていくことと致しました。
(2)優良原料権益確保による連結収益の向上
日本製鉄は「中長期経営計画」において、国内製鉄事業、海外製鉄事業、原料事業、鉄グループ会社、非鉄3 社の 5 つの事業領域による利益成長を通じて名実ともに総合力世界 No.1 の鉄鋼メーカーとなることを目指しています。
日本製鉄は、今回の権益取得により、必要とする製鉄原料の安定調達に加え、Kami 鉱山の当社持分を連結することが可能となります。これにより、将来における一部高炉の電炉へのプロセス転換後も、原料権益の収益拡大を通じて、連結収益水準の向上に寄与することが期待できます。
日本製鉄は、カーボンニュートラルの実現に向けた超革新技術の他国に先駆けた開発・実機化に果敢に挑戦していますが、そのために引き続き原料~製造~流通一貫での厚みを持った事業構造の構築と、各事業領域の収益基盤の強化を通じた連結収益水準の向上に取り組んでいきます。
2.今回取得する権益・出資スキームおよびDR グレード鉄鉱石オフテイクの合意内容について
日本製鉄は2025 年 6 月までを目途に、Kami General Partnership(仮称、以下 Kami GP)を設立する合弁契約をCI 社、双日と締結し、Kami 鉱山の権益の一部を取得するとともに、DR グレード鉄鉱石をKami 鉱山から長期に亘って安定調達することが可能となるオフテイク権利契約を締結致します。当該合弁契約においては、Kami GP の重要事項に関し、当社の拒否権等を定めます。
権益対価(150 百万カナダドル)は二回分割払いとし、Kami GP 設立・権益移転時に 42 百万カナダドルを支払い、フィージビリティ・スタディ結果を踏まえた投資意思決定を経たのち、残額108 百万カナダドルを支払うこととします。
(今回合意した合弁会社設立の主要条件)
取得権益比率 Kami 鉱山権益持分の 30%
権益取得形態 General Partnership
Kami GP 出資構成 CI 社 51% 日本製鉄 30% 双日 19%
取得金額(予定) 150 百万カナダドル(約 162 億円)
開発費用 (現時点想定当社負担分) 約1,160 百万カナダドル(約 1,300 億円)※
※投資意思決定において開発に進むことに出資者間で合意した場合、プロジェクト完工までに当社が負担すると想定される金額。但し今後のフィージビリティ・スタディの結果による。
(Kami 鉱山の概要)
場所 カナダ ニューファンドランド・ラブラドール州
開発期間 (予定) 開発投資意思決定から 48 ヶ月
生産量 (予定) 年間 900 万 t(鉄分 67.5%以上 DR グレード鉱石、ウェット・トンベース)
採掘方法 露天掘り
埋蔵量 約6 億 t
(参考 1) CI 社の概要
名称 Champion Iron Limited
本社所在地 1155 René-Lévesque Blvd. West Suite 3300 Montréal QC H3B 3X7
代表者 David Cataford CEO
事業内容 鉄鉱石事業専業
上場取引所 トロント・豪州・ OTCQX
沿革
2013 年 Champion Iron Limited 社設立
2016 年 Bloom Lake 鉱業関連資産を買収
2018 年 Bloom Lake 鉄鉱山操業再開(名目能力 740 万 t/年)
2022 年 同鉱山拡張計画完工(名目能力 1,500 万 t/年)
2024 年 Kami 鉱山 プレフィージビリティ・スタディ完了
2025 年 Bloom Lake 鉱山 DRPF プロジェクト完了予定
(参考 2) 双日の概要
名称 双日株式会社
本社所在地 〒100-8691 東京都千代田区内幸町 2-1-1
代表者 代表取締役
社長 COO 植村 幸祐
事業内容 自動車、航空・社会インフラ、エネルギー・ヘルスケア、金属・資源・リサイクル、化学、生活産業・アグリビジネス、リテール・コンシューマーサービス
上場取引所 東京証券取引所
沿革2003 年会社設立
(2003 年ニチメン・日商岩井ホールディングス株式会社設立、2004 年双日株式会社発足
なおCI 社プレスリリース、双日プレスリリースについては、下記の各社ウェブサイトより参照ください。
CI
社:Press Releases (championiron.com) 双日: ニュースルーム|双日株式会社 (sojitz.com)
以上
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