アジア太平洋地域を結ぶ約10,000kmの光海底ケーブル「Asia Direct Cable (ADC)」の建設を完了

2024/12/19　日本電気　株式会社　

NEC、アジア太平洋地域を結ぶ約10,000kmの光海底ケーブル「Asia Direct Cable (ADC)」の建設を完了

2024年12月19日
日本電気株式会社

NECは、中国、日本、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムを結ぶ大容量光海底ケーブル「Asia Direct Cable (ADC)」の建設を完了し、ADCコンソーシアム(注1)に引き渡しました。

ADC光海底ケーブルシステムの完成式典の様子

ADCは総延長距離約10,000kmの光海底ケーブルで、最新の光波長多重伝送方式を採用し、毎秒160テラビット(Tbps)以上のトラフィックを伝送できるように設計されています。本ケーブルの敷設により、東アジアおよび東南アジア地域における大容量のデータ伝送が可能になります。

また本ケーブルは、日本とシンガポールを結ぶ基幹システムとしては約8年ぶりに新設された光海底ケーブルになります。アジア地域で急増する通信需要に対応するための重要なインフラとして、新たなコミュニケーションの道を開き将来的な社会の発展に貢献します。

ADCコンソーシアム管理委員会議長の石井宏司氏は次のように述べています。「この度、アジア地域における新たな通信インフラの構築がついに完了しましたことを、心より嬉しく思います。多くの困難や挑戦を乗り越えてこのプロジェクトを成し遂げることができたのは、NECをはじめ各国を代表するパートナーとの堅固な協力と連携によるものです。本ケーブルシステムはアジア地域におけるAI産業の発展に大きく寄与するものと確信しています。」
「NECは海底ケーブルシステムの主要なベンダーとして、その信頼性とプロジェクト遂行能力の高さを証明しました。コンソーシアムは、このケーブルが完成したことに対して非常に満足しています。」とADCコンソーシアム管理委員会共同議長のBilly Li氏は述べています。「この新しいケーブルは、アジア地域の主要な情報拠点間を結ぶ大容量かつ多様な接続を実現し、通信事業者やサービスプロバイダーが将来にわたって持続可能な成長を遂げるために、ネットワークやサービス計画を最適化することを可能にします。」

NEC Corporate SVP 兼海洋システム事業部門長の植松智則は次のように述べています。
「NECは、5G、クラウド、IoT、人工知能などの技術進歩によってますます大容量の通信が求められるアプリケーションを支える、この重要なプロジェクトに参加できたことを光栄に思います。」「コンソーシアムの皆様のご支援により、このプロジェクトを実現するための数々の課題を克服し、成功裏に終えることができました。コンソーシアムの皆様には、心より感謝申し上げます。」

NECは、過去60年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダーです。地球約10周分のべ40万kmを超える敷設実績があり、特に日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有しています。また、陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステムインテグレータとして提供しています。なお、日本で唯一、深海8,000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能なNECの子会社である株式会社OCC(注2)が、本ケーブルの製造を担当しています。

以上

(注1)
ソフトバンク株式会社、NT (Thailand)、China Telecom、China Unicom、PLDT Inc.、Singtel、Tata Communications、Viettelといった通信およびテクノロジー企業で構成されたグローバルなコンソーシアム。
(注2)
本社：神奈川県横浜市、代表取締役社長：川上浩