2025年大阪・関西万博のテーマ事業「シグネチャーパビリオン」に技術支援

2024/12/25  日本電気 株式会社 

NEC、2025年大阪・関西万博のテーマ事業「シグネチャーパビリオン」に技術支援

~落合陽一氏プロデュースのシグネチャーパビリオン「null2 」に生体認証技術を活用したDID/VCソリューションを提供~

2024年12月25日
日本電気株式会社

NECは、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、メディアアーティストの落合陽一氏がプロデュースするシグネチャーパビリオン「null2 」(ヌルヌル)に、分散型ID技術(以下 DID、注1)と生体認証技術を組み合わせた「検証可能な資格証明」(以下 VC、注2)を活用し、確実な本人性を担保するDID/VCソリューション「NEC Digital Identity VCs Connect」を提供します。

©2024 Yoichi Ochiai / 設計 :NOIZ / Sustainable Pavilion 2025 Inc. All Rights Reserved.

シグネチャーパビリオン「null2 」外観イメージ

背景

近年、DXの急速な浸透に伴い、IDや属性だけでなく、資格、経歴、外見、声、健康状態など個人に関するさまざまな情報をデジタル化することで、デジタルの恩恵をより享受することが可能になると期待されています。また将来的には、生まれ持った身体以外のデジタル上の分身「デジタルヒューマン」を持つ未来も予想されており、今後ますます発展するデジタル社会における基盤として重要な位置を占めると考えられています。
VCは、個人情報や資格情報などさまざまな情報のデジタル化と、その信頼性を担保するために開発された技術です。従来の紙ベースの証明書は、偽造や紛失のリスクが高く情報管理が困難でしたが、VCはDIDを活用し、オンライン検証が可能なデジタル証明書として、個人情報の透明性と信頼性を向上させます。これにより、個人が自身の情報を自己主権的に管理可能となることで第三者の介入を減らし、デジタルサービスを安心して活用できる社会の実現に貢献するとされています。

シグネチャーパビリオン「null2 」における「デジタルヒューマン」について

「null2 」は鏡をモチーフにしたパビリオンで、デジタルの鏡として来場者のデジタルヒューマンを映し出すことを目的としています。落合陽一プロデューサーは、近い将来、人類が自身のデジタルヒューマンを持つ世界が訪れると考えています。これらのデジタルヒューマンは、AIやネットワークインフラを活用して自律的に活動することが可能です。今回の大阪・関西万博、「null2 」では、生成AIや3Dスキャン技術を使って来場者がデジタルヒューマンを作成し、それを通じてデジタルネイチャーを実際に体験することが可能です。

提供技術の概要

NECは、「null2 」において、生体認証技術を活用したDID/VCソリューション「NEC Digital Identity VCs Connect」を提供します。これは、落合陽一プロデューサーが目指す自律的に活動するデジタルヒューマンの実現を支援するものです。本技術は、来館者の顔画像をもとにオンラインでその真正性を検証するためのAPIとWebアプリを組み合わせVCを発行します。顔認証技術を用いることで、社会活動に対応可能なデジタルヒューマンを構築し、安全に利用できる基盤を提供します。この技術は来館者が自己のデジタル情報を自己主権的に管理することを可能にします。

今回の技術協賛に関して、パビリオンのプロデューサーをつとめる落合陽一氏から以下のコメントをいただいております。

NECのご協力に心から感謝申し上げます。顔認証技術はデジタル社会における認証を支える重要な要素の一つです。「null2 」パビリオンにおいても、顔認証を通じて来場者のデジタルヒューマン体験が向上し、NECの先進的な生体認証技術は未来の社会基盤を築く一助となります。私たちも大阪・関西万博に向け、皆様と共に新しい挑戦を続けていきます。日本の技術力を世界に示すべく、全力で頑張りましょう。

提供技術の特長

1.顔認証技術を活用したVC

NECは、顔認証技術を使いデジタルの世界で高い信頼性とセキュリティを実現します。「null2 」では来館者のデジタルIDを安全に管理し、改ざんできない形でスマートデバイスのWalletに格納します。これによりなりすましなどの不正を防ぎパビリオン体験の向上を支援します。

2.自己主権型アイデンティティのデータ利用体験を提供

NECのDID/VCソリューションを活用することで、来館者はデジタル情報を自らの意志で管理する「自己主権型アイデンティティ」を体験できます。これにより、個人情報を含む自身のデータを他者に依存せず自分で管理できる環境を提供します。

3.シームレスなユーザー体験を実現

デジタルヒューマンを作成するアプリケーション「Mirrored Body®」(注3)の中では、ユーザーインターフェースが直感的にデザインされており、来館者は複雑な操作を必要とせずに、顔情報を含むデジタルIDの登録や利用を行えます。デジタルヒューマンが普及する未来を見据えた操作性の高いUI/UXを提供します。

© Sustainable Pavilion 2025 Inc. Inc. All Rights Reserved.

利用イメージ

今後について

NECは、シグネチャーパビリオン「null2 」の運営を技術協賛の立場で支援し、大阪・関西万博における「null2 」の展示成功に貢献してまいります。また万博閉幕後は、本件で培った技術の知見や来館者からのフィードバックを参考に、ヘルスケア、エンターテインメント、リテール、観光といった業種向けのユースケース開発を加速し、生体認証技術を活用したDID/VC事業のさらなる強化・発展を推進して、分散型社会の構築を支えていきます。

NECはDXに関して、ビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸で、戦略構想コンサルティングから実装に導くオファリングなど、End to Endのサービスを提供しています。さらに、従来型のSIerから「Value Driver」への進化を目指し、その価値創造モデルを「BluStellar(ブルーステラ)」(注5)として体系整理しました。業種横断の先進的な知見と研ぎ澄まされた最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導きます。

以上

  • (注1)

    Decentralized Identifierの略。個人が自分のデジタルIDを自分で管理できる仕組みです。通常のID(例えばSNSのIDや運転免許)は企業や政府が管理していますが、DIDはブロックチェーンなど分散型ネットワークに記録されるため、第三者に依存せず、本人だけがコントロールできます。

  • (注2)

    Verifiable Credentialsの略。デジタル形式で安全に管理できる証明書のことで、第三者によって信頼性が確認された情報を持ち主が自身で管理し、必要に応じて相手に証明できる仕組みです。VCの大きな特徴は、ユーザーが自分の情報を自分で管理できることと、提示時にその情報の真正性が第三者に検証できることです。

  • (注3)

    https://sp-2025.com/mirrored-body

  • (注4)


    「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋、掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称です。世界トップクラスの技術や豊富な実績を活かし、ニーズに合わせて生体認証を使い分け、あるいは組み合わせることで、「誰もが安心してデジタルを活用できる世界」を実現していきます。
    https://jpn.nec.com/biometrics/index.html

  • (注5)


    「BluStellar(ブルーステラ)」は実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導き、お客様を未来へ導く価値創造モデルです。
    https://jpn.nec.com/dx/index.html

NECの生体認証技術を活用したDID/VCソリューションについて

URL:https://jpn.nec.com/web3/index.html

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC バイオメトリクス・ビジョンAI統括部
E-Mail:dpf-pr@dpf.jp.nec.com

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
https://jpn.nec.com/brand/

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