2024年(令和6年)の台風のまとめ(速報)

2024/12/25  気象庁 

2024年(令和6年)の台風のまとめ(速報)

報道発表日

令和6年12月25日

概要

  • 2024年(令和6年)の台風の特徴
    • 台風の発生数は平年並の26個(平年値25.1個)でした。
    • 日本への接近数は平年並の11個(平年値11.7個)でした。
    • 日本への上陸数は2個(平年値3.0個)でした。
      • 台風第5号は、岩手県に上陸し、岩手県で記録的な大雨となりました。
      • 台風第10号は、非常に強い勢力で奄美地方、九州南部に接近し、強い勢力で鹿児島県に上陸しました。
        鹿児島県に暴風、波浪、高潮の特別警報を発表したほか、西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な大雨となりました。
  • 台風予報の精度
    • 進路予報精度は、4日先までは改善傾向がみられた一方で、5日先は近年では悪くなりました。

本文

  1. 2024年(令和6年)の台風の特徴
    1. 発生状況
      台風の発生数は平年並の26個(平年値25.1個)でした。 7月までの発生数は平年より少ない4個(平年値7.8個)でしたが、8月以降は平年より多い22個(平年値17.3個)発生し、年間の発生数は平年並となりました。
      7月までは、春まで続いたエルニーニョ現象の影響で、北西太平洋の熱帯域で積乱雲が発生しにくくなり台風の発生数が少なくなったと考えられますが、8月以降はエルニーニョ現象の影響が小さくなるとともに、積乱雲が発生しやすい状況に変わり、台風の発生数が多くなったと考えられます。

    2. 日本に接近・上陸した台風とその影響
      日本への台風の接近数は平年並の11個(平年値11.7個)でした。 日本への台風の上陸は台風第5号、第10号の2個(平年値3.0個)でした。
      台風第5号は、岩手県に上陸した後、ゆっくりした速度で東北北部を横断し、岩手県では記録的な大雨となりました。台風が東北地方の太平洋側から上陸したのは1951年(昭和26年)の統計開始以降3回目です。
      台風第7号は、非常に強い勢力で伊豆諸島、関東地方、東北南部に接近し、海上を中心に非常に強い風が吹きました。また、台風周辺の暖かく湿った空気や台風本体の雨雲の影響で、関東甲信地方を中心に東日本から東北地方では大雨となったところがありました。
      台風第10号は、日本付近で動きが遅くなり、非常に強い勢力で奄美地方、九州南部に接近し、強い勢力で鹿児島県に上陸した後、西日本を横断しました。鹿児島県に暴風、波浪、高潮の特別警報を発表し、鹿児島県では猛烈な風を観測しました。また、日本付近で台風の動きが遅かったため、台風本体の雨雲や暖かく湿った空気の影響が長く続き、西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な大雨となりました。

  2. 台風予報の精度
    台風進路予報の年平均誤差(平均誤差)は、1日先で72 km、3日先で150 km、5日先で420 kmとなりました。2日先の予報精度は1989年(平成元年)の発表開始以降、3日先の予報精度は1997年(平成9年)の発表開始以降で最も良い結果となるなど4日先までは改善傾向がみられた一方で、5日先の予報精度は、台風第10号など予報が難しかった事例の影響で、近年では悪い結果となりました。台風進路予報の精度はその年の台風の特徴に起因する年々の変動があるものの、長期的にみれば向上しています。
    台風強度予報(最大風速)の年平均誤差(二乗平均平方根誤差)は、1日先で5.1 m/s、3日先で7.3 m/s、5日先で10.4 m/sとなりました。台風強度予報の精度はその年の台風の特徴に起因する年々の変動があるものの、近年変化傾向はみられません。
    気象庁では、今後も引き続き、進路・強度予報精度の向上に取り組んでまいります。

※本資料は、2024年(令和6年)12月24日までの状況を速報としてまとめたものです(台風第1号~13号は確定値、14号~26号は速報値に基づく)。全ての台風の確定値に基づく情報は、2025年(令和7年)3月頃に気象庁ホームページにおいて公開します。

問合せ先

気象庁大気海洋部気象リスク対策課アジア太平洋気象防災センター 福田
電話:03-6758-3900(内線4232)

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