2025年1月6日
日本冶金工業株式会社
2025年 社長年頭挨拶(要旨)について
当社では新年にあたり、社長の浦田 成己より従業員に向けて年頭の挨拶をおこないましたので、その 趣旨を以下に記載いたします。
昨年も色々な出来事があったが、個人的には以下の5つが印象に残っている。
1つ目は災害。1月1日の能登半島地震で幕を開け、その後も各地で台風・集中豪雨による被害がもたらされた。
2つ目は夏がとにかく暑かったこと。一昨年と並び、過去最も暑い夏となった。災害と合わせ、熱中症、浸水、BCP、CO2削減等、各種対策の重要性が増していると感じている。
3つ目は選挙。昨年は日本を含め世界各地で選挙が行われ、結果はご承知の通りだが、世界が内向きになり、ブロック化が進むリスクは大変憂慮すべき事態である。特に米国のトランプ政権の政策は、今年の先行きを不透明にする可能性が高い。
4つ目は外国人観光客が増えたこと。本社所在地の東京都中央区の京橋界隈、あるいは出張先のいたるところで目にしたのも当然、何と年間3,500万人を超え、過去最高を更新したと言われている。こうしたインバウンド需要が国内景気の大きな牽引役となったことは紛れもない事実である。
5つ目はステンレスの海外からの流入が続いたこと。世界的景気調整局面を受け、需要が盛り上がらない中、世界の6割以上を生産している中国から景気低迷によって溢れた材料が周辺国や日本へ輸出され続けたことが主要因である。
このような背景のもと、新しい年を迎えたが、2025年はどのような一年になるのか?年明け早々の 日本製鉄によるUSスチール買収計画に中止命令が出たニュースには驚かされた。どうやら今年も 先行きの視界は良くなさそうな気配である。
当社の場合、本年に「中期経営計画2023」の最終年度を迎えることになる。計画策定時の想定と種々情勢が変わり、生産量は大きく下振れしているものの、ここまでは収益面では計画を達成することができている。全社員の努力の賜物だが、多くの幸運に恵まれたことも事実である。昨年は度重なる設備トラブルが発生したが、懸命な復旧作業もあり、業績への影響は回避している。トラブルから学ぶ姿勢を持ち、原因調査・再発防止を徹底していきたい。
受注の方は半導体関連需要の本格回復は期待が持てるものの、全体的にはもう暫く時間を要する見込みである。このような状況だからこそ、この時期にしか出来ないこと、種々の準備を進めることが肝要である。特に営業や企画部門にあっては、ステンレスの新市場の動向についてはこれまで以上にアンテナを高く張って欲しい。
今年は巳年。蛇は脱皮を繰り返して成長するさまや、その生命力の強さから「再生/復活/長寿」を象徴し、縁起が良い生き物とされる。これは当社の掲げる「レジリエント/サステナブル」と通じるものがあるようにも感じられる。
また今年は当社創立100周年を迎える。平均的会社の寿命は30年程度で、創業して1年で半数の会社が廃業するとも言われる中での創業100年は大変意義深く、喜ばしいことである。この素晴らしさを皆さんとしっかり共有したいと思う。
川崎製造所では、今年から待望の新冷間圧延機が新戦力として加わることとなる。さらに営業面では経済成長著しいインドにおいて販売拠点が開設される予定で、高機能材の拡販の武器になることが期待されている。
先述のとおり、先の見通しは不透明だが、このように楽しみなことも沢山ある。皆でわくわくしながら力を合わせて、良い年にして行きたい。
代表取締役社長 浦田 成己
本件に関するお問い合わせ先?IR・広報部(電話?03-3273-4632)