人材をテーマにした年次イベント開催、人の可能性を引き出す環境づくりの必要性を提起

2025/03/13  株式会社 みらいワークス 

2025.3.13 お知らせ

みらいワークスが人材をテーマにした年次イベント開催、人の可能性を引き出す環境づくりの必要性を提起

みらいワークスは2025年2月4日、年次カンファレンス「プロフェッショナルの祭典2025」を開催しました。多様な働き方や人材育成、外部人材の活用などをテーマにしたイベントで、会場には企業の人事担当者など約200名が参加。登壇者が発信する人材戦略や成功事例を参考にしようと、多くの聴衆が講演内容に耳を傾けていました。ここではイベントの概要を紹介します。

多様な働き方が当たり前の社会づくりを推進

イベント開催に先立ち、みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治がオープニングセッションに登壇。新たな働き方を前提とした社会づくりの必要性を訴えました。「正社員という従来の枠にとらわれない多様な雇用形態が社会に受け入れられつつある。一方、働く目的も多様化している。生活のために必要なライスワークに従事しつつ、自己実現や人生を通して成し遂げたいライフワークに取り組み出す人が増えている。これからの社会は、ライスワークだけではなくライフワークを含めた働き方がより求められるようになる。フリーランスや副業、起業などのさまざまな立場の人が働きやすい環境づくりを支援し、多様な働き方が根付いた社会の実現に貢献したい」(岡本)と述べました。

専門的なスキルを持つフリーランスの地位向上の必要性にも言及しました。「DXを推進して新たな市場に打って出ようとする企業が増える中、外部人材を通じて自社にはないスキルやノウハウを獲得する動きが加速している。新規事業開発だけではなく、既存の業務プロセスや組織、ITシステムを見直す手段として外部人材を活用するケースも珍しくない。こうした動きが業界や企業規模を問わず進んでいるにも関わらず、世の中への認知は不十分と言わざるを得ない」(岡本)と指摘。その上で、「『プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する』というビジョンを掲げる当社こそ、世間の認知を変える役割を担わなければならない。外部のプロフェッショナル人材が活躍するための支援策を打ち出し、挑戦する機会を数多く創出していきたい」(岡本)と強調しました。聴衆に向け、外部のプロフェッショナル人材を積極的に活用する必要性を訴求し続けました。

人材育成の本質を踏まえた環境づくりが重要に

岡本の講演に続いて実施したセッションでは、「社会人の学びの意義~企業価値向上につながる人的資本経営とは~」というテーマで、登壇者3名によるパネルディスカッションを開催しました。企業の人材育成やリスキリング施策を成功させる秘訣などを議論しました。

登壇したベネッセコーポレーション 執行役員 社会人教育事業領域担当(Udemy日本事業責任者)飯田智紀氏は、人材育成のポイントについて、「当社では従業員一人ひとりの可能性を引き出す環境づくりに主眼を置く。具体的には、従業員が部署異動を自ら志望する制度を導入。会社という組織の中で活躍できる機会を自ら模索できるようにしている。学びを支援するツールを整備するのは重要な取り組みだが、各自がどうすれば成長できるか、活躍できるかを考え、行動できる環境にこそ目を向けるべきである」と述べました。

ベネッセコーポレーション 執行役員 社会人教育事業領域担当(Udemy日本事業責任者) 飯田智紀氏

AIを活用したユニークな取り組みも打ち出します。ベネッセコーポレーションでは、教育事業に携わる約3,500人の職務経歴書をAIで分析する仕組みを構築。各自が描くキャリアを築くためにはどんな経験を積むべきかを自動診断できるようにしています。「自身の強みを活かす新たなキャリアに気付けるようになるのが利点だ。目指すべきキャリアと現在のギャップを把握するのにも役立つ。自分に何が足りないのかに気付くことで、何を勉強すべきかも具体的に考えられるようになる」(飯田氏)と効果を説明します。なお、同社ではオンラインの学習支援サービス「Udemy」を外販。従業員も「Udemy」を使えるようにし、各自のキャリアデザインに応じた学習プランを履行できるようにしています。

一方、富士通 Employee Success本部 Engagement & Growth統括部 キャリアオーナーシップ支援部長 伊藤正幸氏は、「人材育成の取り組みが企業価値の向上にどうつながるのか、企業理念やパーパスとどう結びつくのかをきちんと説明できるようにすべきだ。理に適う一貫性あるストーリーを描き、社内外のステークホルダーに伝えることこそ重要な取り組みである」と指摘します。同社はこれまで、人材のポートフォリオ拡充と事業戦略やパーパスとの関係を明確に示せずにいたといいます。「人材育成を支援する施策が会社の利益とどう関係するのかを明示することで、なぜ投資するのか、なぜ重点を置くのかの狙いをステークホルダーに理解してもらえるようになる。ステークホルダーによる理解と後押しが人材戦略を加速させる」(伊藤氏)と述べました。なお、人材への投資が景気に左右されがちな企業に対し、「自社の成長を後押しするのは『人材』に他ならない。従業員が描くキャリアにたどり着けるよう支援し続けることこそ経営層が果たすべき使命である」(伊藤氏)と、人材育成施策を継続して取り組むことの重要性も強調しました。

富士通 Employee Success本部 Engagement & Growth統括部 キャリアオーナーシップ支援部長 伊藤正幸氏

こうした取り組みを進めつつ、同社が現在注力しているのが「人材マネジメントのフルモデルチェンジ」(伊藤氏)だといいます。「当社の代表取締役社長の時田隆仁が2019年に就任した際、IT企業からDX企業への変革を宣言した。変革に追随するためには、各従業員の意識改革はもとより評価や報酬といった人事制度もアップデートしなければならない。挑戦を許容する企業風土を醸成するだけではなく、並行して体制や制度も抜本的に見直すことが大切である」(伊藤氏)と述べました。

伊藤氏はリスキリングに取り組む際のポイントにも言及しました。「個人が望むスキルと組織が望むスキルをどう合致させるかが重要だ。当社では事業戦略や人材戦略に基づき、会社がどんなスキルや経験を持った従業員を望んでいるのかを明示している。その上で、会社が望むスキルや経験を持ちたいと考えている従業員を社内から集められるようにしている。その手段となるのが、従業員が自ら部署異動を志望するポスティングと呼ぶ制度である」(伊藤氏)といいます。富士通もベネッセコーポレーション同様、従業員が自ら手を挙げ、自身が望むポジションに異動できるようにしています。「ポスティング制度は各自が望むキャリアを描きやすくなるのが利点だ。さらに、会社が望むスキルと個人が望むスキルのギャップを解消する効果も見込める。双方が望むスキルの乖離を埋める仕組みづくりが、リスキリング施策を推進させるには必要だ。さらに、リスキリングに取り組んで新たなポジションに挑戦した従業員に対し、正当な報酬や評価を当然与えなければならない。すべての施策や仕組みが密に連動、関連する環境づくりを怠ってはならない」(伊藤氏)と指摘しました。

みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治は、リスキリングで習得したスキルやノウハウを活かす場の重要性を指摘しました。「当社ではプロフェッショナル人材と企業をマッチングする事業を展開する一方、地方創生やリスキリングなどの支援事業も手掛ける。これら事業を連携した支援を打ち出せるのが当社の強みだ」(岡本)と述べます。

みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治

具体的にはリスキリング事業と地方創生事業を連携した支援策を打ち出します。「リスキリングに取り組む企業の多くは、従業員が習得した知識やスキルを実践で活かせずにいる。例えば大企業の場合、従業員がITやデジタルに関する知識を習得しても、それらを活かすプロジェクトは外部コンサルティング会社のスタッフに任せていることが珍しくない。こうした状況を解消するのに一役買っているのが当社の地方創生事業だ。当社には地方に拠点を構える企業の課題が日本中から集まっている。これら課題を解消する手段として、リスキリングで学んだ人のスキルやノウハウを活かしている。リスキリングで習得したスキルを活かす場づくりまで踏まえることが、リスキリング施策を成功へと導く」(岡本)と事業連携の強みを強調します。

案件の難易度を段階的に高められるのも利点だといいます。「地方の中小企業が抱える課題の中には、解決の難易度が低いものも少なくない。リスキリングでITやデジタルのスキルを習得したばかりの人でも解決できる課題はある。小規模な案件から経験し、段階的な成長を見込めるようになるのもメリットだ」(岡本)と指摘します。さらに、「当社はフリーランスのプロフェッショナル人材とのネットワークを強みにする。もし一人で取り組むのが不安なら、最初は経験豊富なプロフェッショナル人材とともに課題解決に乗り出すことも可能だ」(岡本)と続けます。なお、みらいワークスでは企業に属する社員の副業を促進したり、大企業の社員がベンチャー企業で活躍する機会を提供したりする支援事業も手掛けます。「多くの人がいつもと違う環境に足を踏み入れることで、新たな気付きを得やすくなる。自身の経験やスキルも違う環境では活かしやすくなる。企業は、従業員がリスキリングで学んだことを自社以外で発揮できるような体制や環境づくりも率先して進めるべきである」(岡本)と述べました。

人的資本経営や人材育成を成功させるポイントについて3人でディスカッションした

DXや外部人材活用がテーマのセッションも開催

なおイベントでは、その他にも3つのパネルディスカッションを実施しました。「事業成長を促進するDX戦略とは」というテーマのディスカッションでは、アイシスコンサルティング 代表 志濟聡子氏、株式会社みらいワークス 社外取締役 元am/pmジャパン(現ファミリーマート)CEO 相澤利彦、みらいワークス 執行役員 CIO/CDO 渡邉良司が登壇。DXを成功に導くポイントや組織変革を進める勘所、成功を呼び込むリーダーの素養などを議論しました。

「外部人材活用によるオープンイノベーション~外部人材との共創で生まれる、組織の変革と成長~」というテーマのディスカッションでは、スカイマーク 執行役員 DX本部長 中川卓氏、JTB 常務執行役員 人事担当(CHRO)大八木勢一氏、みらいワークス 代表取締役社長 岡本祥治が登壇。さらに、「AI活用でビジネスを革新!組織変革とデータマネジメントの戦略」というテーマのディスカッションでは、日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 デジタルサービス本部 主管技師 岩渕史彦氏、ソフトバンク IT統括 AI&データ事業統括部 Axross事業部 部長 藤原竜也氏ら4名が登壇。各社の取り組みを紹介しつつ、外部人材活用のポイントやデータマネジメントの勘所などを解説しました。

各パネルディスカッションでは、人材を起点とした課題解決を模索する議論が展開された

なお、本カンファレンスのアーカイブ動画を期間限定で配信しています。以下よりお申込みいただくと、当日のパネルディスカッションを視聴できます。申込期限は2025年4月30日(水)までで、2025年5月25日(日)まで視聴可能です。お申込み者のみの限定公開となりますので、第三者の方に共有または拡散することはご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

【お申込みはこちら】
https://mirai-works.co.jp/pro-day2025/

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