科学技術振興機構報 第1762号
令和７年４月９日
東京都千代田区四番町５番地３
科学技術振興機構（ＪＳＴ）
社会技術研究開発事業における令和７年度新規研究開発領域
「ケアが根づく社会システム」の設置および募集開始について
～少子高齢化社会を生き抜くために自然に支え合う「ケア」が行きわたった社会の構築を目指して～
ポスト
ＪＳＴ（理事長 橋本 和仁）は、社会技術研究開発センター（ＲＩＳＴＥＸ）が推進する社会技術研究開発事業において、ケアが根づく社会システム研究開発領域を新規に設定し、その領域総括を東京都立大学 西村 ユミ 教授に決定しました。本領域の設置期間は令和７年度から令和１３年度までとします。
＜新規研究開発領域について＞
令和７年には団塊の世代が全て７５歳以上の後期高齢者になり、その数は全人口の約１８パーセントに上ります。また、２０３０年代には若年人口の急減が見込まれており、日本においては人口減少・少子高齢化が加速しています。
これらによる社会問題に対して、ＲＩＳＴＥＸではより広い観点から見直しを図るための取り組みを進める必要があると考え、人びとの生活の基盤として、互いの暮らしを支え合える自発的・機能的なコミュニティーや、自身の外にある環境（自然環境を含む）と互恵的に作用できるインフラの実現により、平時のみならず災害時にもしなやかに生き抜くことができる社会の構築を目指す新規研究開発領域を設定しました。
本領域では「人は『ケアし、ケアされる』弱い存在である」という相互依存的人間観に基づき、介護・育児などに限らず、自然に「他者や環境を気にかける」ことから生まれる行為や、その行為が立ち現れ得る状態を広く「ケア」と捉え、その価値を科学的に見いだし、ケアを社会の現場で実践する活動を対象とした、異分野連携・総合知によらなければ解決し難い研究開発プロジェクトを支援します。
本領域のポイント
- 加速する少子高齢化社会を生き抜くため、「ケア」をキーワードに自然に助け合いが促される社会の構築を目指す。
- 介護・育児に限らず、例えば災害発生時の相互扶助を始めとした多様な支え合いなど、「他者を気にかけ、共にある」態度から発せられる行為を「ケア」として捉える。
- 誰もがケアを受ける立場になり得るという視点に立ち、分野や立場の異なる人びとの協働により互いの暮らしを支え合うコミュニティーやインフラの実現・社会実装に向けた研究開発を推進する。
＜研究開発提案の募集について＞
本領域の研究開発提案募集は、今後複数年にわたり実施する予定です。運営責任者である領域総括がアドバイザーなどの協力を得て、提案の募集、選考並びに採択後の研究開発マネジメントなど、領域目標の達成に向けた取り組みを推進します。
本年度募集期間：令和７年４月９日（水）～６月４日（水）正午
詳細は、別紙および下記ウェブサイトを参照してください。
ＵＲＬ https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2025.html
＜社会技術研究開発事業について＞
社会技術研究開発事業は、顕在化している社会問題の解決や将来起こり得る社会問題への対処などを通して、新たな社会的・公共的価値の創出を目指す事業です。社会問題に関係するさまざまな関与者と研究者が協働するためのネットワークを構築し、公募により研究開発プロジェクトを選定し、自然科学と人文・社会科学の知識を活用した研究開発を推進します。
＜プレスリリース資料＞
＜お問い合わせ先＞
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