更新日:2025年5月9日
【訂正版】~虫をだまして受粉するために進化~
ザゼンソウなどの花が臭いニオイを生み出す仕組みを解明!
令和7年(2025年)5月9日付けプレスリリースでお知らせした内容の一部に誤りがありましたので訂正します。
長野県(環境部)プレスリリース令和7年(2025年)5月9日
長野県環境保全研究所、国立科学博物館等の研究グループが、ザゼンソウなどの花が腐った肉のような臭いニオイを生み出す仕組みを解明し、研究成果を令和7年5月9日に学術誌Science(サイエンス)に発表しました。
【研究の概要】
- ハチやチョウが、花粉や蜜を求めて、花から花へ飛び回ることで、植物を受粉することはよく知られています。
- 一方で、花粉や蜜などの餌となる報酬を提供せず、腐った肉のようなニオイでハエ等の昆虫をだまして花粉を運ばせる植物がいます。例えば、長野県でも多く見られるザゼンソウの仲間は、北米ではスカンク・キャベツと呼ばれ、臭いことで有名です。
- 研究グループでは、腐肉に擬態する花のニオイの成分(ジメチルジスルフィド)を生み出す仕組みを解明しました。また、この仕組みが、複数の植物分類群(ウマノスズクサ科、サトイモ科、モッコク科)で進化していることを発見しました。
- 長野県環境保全研究所も研究グループに属し、白馬村のザゼンソウも本研究材料に使われました。
↑白馬村のザゼンソウ(2024年4月)
↑花におびき寄せられたハエ
脚や背に黄色い花粉が付いている。
この花は花粉を出す前だったので、他の花から花粉を運んできたところと考えられる。
【研究の意義】
本研究成果は、動物と植物が結ぶ関係(生態系ネットワーク)の多様さ(受粉等)と巧妙さ(搾取、共生等)を再認識させるものであり、県の希少野生動植物の保全策の基礎情報として活用されることが期待されます。
※掲載誌リンクURL
https://doi.org/10.1126/science.adu8988
正しくは⇓
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adu
※詳細は、共同プレスリリース資料をご覧ください。
https://www.kahaku.go.jp/procedure/press/index.php
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