2025年10月15日
テルモ株式会社（本社：東京都渋谷区、社長：鮫島 光）は、10月29日より、「スマートインフュージョンシステム」（以下スマートポンプ）の新機種、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10」、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10TCI」、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10PCA」、「テルフュージョン輸液ポンプLM型10」を製品化し、全国の医療機関に向け販売活動を開始します。なお、RFID*1対応機種は「テルフュージョンシリンジポンプSS型10」、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10TCI」の2機種です。
スマートポンプ使用イメージ図
スマートポンプは主に周術期の患者さんの薬剤投与に使用される製品です。新製品は、医療従事者がより患者さんのケアに集中でき、患者さんの安心安全につながるよう、主に以下のコンセプトに基づき開発しました。
・薬剤の誤投与を防止（「テルフュージョンシリンジポンプSS型10」、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10TCI」で対応）
RFID読み取り機能を搭載しており、事前に登録した薬剤ライブラリとポンプに装着されたICタグ付きシリンジを照合し、自動認識をすることで、薬剤の取り違えや設定の誤入力を低減させ、安全性を向上します。なお、テルモ指定の適合シリンジであれば、院内で発行されたICタグ付きラベルを張り付けることで読み取りも可能です。
・DXで薬剤投与の効率化（4機種全てで対応）
シリンジポンプに薬剤投与完了までの残時間を表示する新機能を搭載しました。さらに、通信機能を活用することにより電子カルテなどからの遠隔での確認も可能となり、正確な薬剤更新時間の把握が看護師さんの先読み対応や薬剤準備をスムーズにします。また、記録業務の効率化を実現します。これらの機能による看護師の業務負担軽減と患者ケアの質向上を目指します。
・患者さんの安心を守る（4機種全てで対応）
周囲の明るさに応じてスマートポンプのタッチパネルなどの明るさが自動調整されます。また、電子カルテなどとの連携により薬剤投与完了までの残時間を医療従事者が把握することで投与終了アラームの発生前に薬剤交換などの対応が可能となります。これにより、術後の患者さんにしばしばみられる「せん妄」の促進因子と言われる音や光などの不眠の要因が低減し、患者さんの療養環境の改善につながることが期待できます。
・痛みの見える化で早期回復のサポート（「テルフュージョンシリンジポンプSS型10PCA」で対応）
本機能に対応したスマートポンプは主に術後の疼痛管理に使用され、患者さん自身がPCA（患者自己管理鎮痛）スイッチを操作して必要に応じて鎮痛剤を投与することができます。さらに、PCA投与履歴を簡便に確認できるため、術後疼痛管理チーム間でスムーズに共有されます。これにより、データに基づいた治療方針の選択や適切なタイミングでの介入が可能となり、患者さんの痛みを緩和し、患者さんの早期回復をサポートします。
なお、「テルフュージョンシリンジポンプSS型10TCI」（以下TCI*2ポンプ）は、手術中に使用される全身麻酔薬を血液中の薬剤濃度（以下血中濃度）を目標にして投与量を自動で調整するシリンジポンプです。TCIポンプは他の機種とは異なり、薬剤の投与速度ではなく、目標とする血中濃度を入力します。今回、テルモはTCI制御プログラムを自社開発することで、TCI投与中のボーラス投与*3を可能とするなど、麻酔科医のニーズに合わせた改良を実施しました。このTCIポンプは、現在国内で当社のみが販売しており*4、医療現場における静脈麻酔の安全と効率化に貢献しています。
テルモではICタグを活用した薬剤投与の安全性と効率化を追求する独自の仕組み「idSure（アイディシュア）」*5を展開しています。「idSure」は、医療機器と医薬品の連携による新たなソリューションであり、患者さんの安全はもちろん、医療従事者の業務負担を軽減することを目指しています。今後、テルモは「idSure」を核とした院内ソリューションの拡充を進め、より安心で効率的な医療環境づくりに貢献していきます。
*1 RFID（Radio Frequency Identification）とは、情報が書き込まれたICタグとそのリーダーが電波などでワイヤレス通信し、非接触で情報の読み取りや書き換えをする無線通信システム
*2 TCIはTarget Controlled Infusionの略
*3 ここでは術中に静脈麻酔薬を追加投与することを意味する
*4 テルモ調べ
*5 「idSure」はテルモの商標
製品概要
販売名：テルフュージョンシリンジポンプＳＳ型１０
一般的名称：注射筒輸液ポンプ
医療機器承認番号：30500BZX00266000
希望小売価格（税別）：715,000円
販売名：テルフュージョンシリンジポンプＳＳ型１０ＴＣＩ
一般的名称：注射筒輸液ポンプコントロールユニット
医療機器承認番号：30600BZX00107000
希望小売価格（税別）：782,000円
販売名：テルフュージョンシリンジポンプＳＳ型１０ＰＣＡ
一般的名称：患者管理無痛法用輸液ポンプ
医療機器承認番号：30500BZX00267000
希望小売価格（税別）：863,000円
販売名：テルフュージョン輸液ポンプＬＭ型１０
一般的名称：汎用輸液ポンプ
医療機器承認番号：30600BZX00270000
希望小売価格（税別）：765,000円
テルモ概要
テルモは、世界に向けて医療の革新に挑戦し続けるメディカルイノベーションカンパニーです。患者さんへの揺るぎない思いとアソシエイトたちの情熱を原動力に、企業理念「医療を通じて社会に貢献する」の実現を目指しています。
1921年に東京で創業し、今では、治療技術、院内オペレーション、ライフサイエンスなどの分野で、160以上の国や地域に幅広いソリューションを提供しています。
プレスリリースは、当社情報をステークホルダーの皆様へ公平かつ適切なタイミングでお知らせするためのものです。文中に含まれる製品情報（開発中のものを含む）は、顧客誘引や医学的アドバイスを目的とするものではありません。
また、業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。さまざまな要因により、実際の業績等が変動する可能性があることをご承知おきください。実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、テルモの事業領域を取り巻く経済情勢、為替レートの変動、競争状況などがあります。
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