西豪州ウェイトシアガス田でガスの商業生産開始
2025年12月8日
三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、西豪州ウェイトシアガス田(以下「ウェイトシア」)ステージ2開発を完了し、ガスの商業生産を12月6日に開始しました。三井物産は、100%子会社Mitsui E&P Australia Pty Ltd(以下「MEPAU」)を通じ、オペレーターとして、ウェイトシアの50%の権益を保有しています。
ウェイトシアは、西豪州パースの北約350kmに位置する、豪州最大級の陸上の天然ガス田です。三井物産は、ウェイトシアの権益を2018年に取得し、生産量を拡大の上で、既存の豪州国内へのガス供給に加え、新たにLNGとして豪州国外へ輸出するステージ2開発の最終投資決断を2020年に行いました。そして今般、商業生産に必要な開発や許認可の取得等を完了し、ステージ2のプラントからガスを生産・出荷する体制が整いました。
ウェイトシアでは国内市場向けのガスに加え、年間140万トン程度のLNGが生産され、三井物産は持分比率に応じその半分程度を引き取り、主にアジア域へ販売していく方針です。LNGの生産は、三井物産が参画する* 豪州北西部沖合のノースウェストシェルフジョイント・ベンチャー(以下「NWS JV」)の天然ガス液化・貯蔵・出荷設備を活用します。NWS JVは、1989年に生産を開始したLNGプロジェクトで、原料ガス減退に伴い余剰となるLNG関連設備をトーリング(液化受託)サービスとして第三者へ提供しています。
*50%出資の持分法適用子会社Japan Australia LNG (MIMI) Pty Ltdを通じ、16.67%の権益を保有。
豪州政府は、本プロジェクトから排出される温室効果ガスのベースライン(基準値)を設定しており、このベースラインは毎年4.9%ずつ引き下げられています。MEPAUはウェイトシアにおける高効率なプラント設計に加え、自社の植林事業やクレジットの購入を通じてLNG生産による環境負荷を低減します。また、カーボンネガティブへの貢献を目指し、ウェイトシア及び近隣の廃ガス田を活用したCO2 の回収・貯留(Carbon Capture and Storage、以下「CCS」)事業化調査等を実施中です。
三井物産は、ウェイトシアにおいて、開発の計画策定に始まり、建設工事の遂行、NWS JVによるLNGトーリングの実現といった事業価値の最大化、CCSといった気候変動への取組みを、オペレーターとして、主導してきました。今後は安定操業に関するオペレーターの能力や機能を一層と強化し、三井物産グループ全体の案件の良質化を目指します。そして、三井物産のマテリアリティ「持続可能な安定供給の基盤をつくる」に貢献していきます。
会社概要
| 会社名 | Beach Energy Limited |
| 所在地 | North Terrace, Adelaide, South Australia 5000 |
| 設立年 | 1961 |
| 代表者 | Brett Woods |
| 従業員数 | 427名(2025年6月時点) |
| 事業概要 | Beach Energyは、オーストラリア・アデレードに本社を置くASX上場の石油・ガス探鉱・生産会社です。1961年に設立され、オーストラリアおよびニュージーランドの5つの堆積盆地で原油、天然ガス、天然ガス液を生産しています。 Beach Energyのビジョンは、持続可能なエネルギー供給を通じて株主に優れたリターンを提供し、オーストラリアを代表する国内エネルギー企業になることです。 |
| ウェブサイトURL | https://beachenergy.com.au/ |
ウェイトシアガス田ステージ2開発で建設されたガス生産プラント ウェイトシアガス田(Dongara(ドンガラ))、NWS JV(Dampier(ダンピアー))、両社を繋ぐパイプラインの位置
三井物産のマテリアリティ(重要課題)
三井物産は、「世界中の未来をつくる」を企業使命に、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現すべく、サステナビリティ経営の重要課題としてマテリアリティを特定しています。本件は、6つのマテリアリティの中でも、特に「持続可能な安定供給の基盤をつくる」の実現に資する取り組みです。
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持続可能な安定供給の基盤をつくる
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環境と共生する世界をつくる
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健康で豊かな暮らしをつくる
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人権を尊重する社会をつくる
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「未来をつくる」人をつくる
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インテグリティのある組織をつくる
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