2025年12月2日
野村證券株式会社
二国間クレジット制度を活用したクレジット創出に向けてワールド・ビジョン・ジャパンと業務協力 野村證券株式会社(代表取締役社長:奥田健太郎、以下「当社」)は、このたび特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(理事長:片山信彦、以下「WVJ」)と、二国間クレジット制度(以下「JCM」)※を活用したプロジェクトの新規推進に関する業務協力の覚書を締結しました。
当社はこれまで、JCM分野において調査、制度設計、市場形成に積極的に取り組んできました。2025年6月には、株式会社SDGインパクトジャパンと共同で提案したカンボジアにおけるJCM植林プロジェクトの新規案件形成に向けた現地調査が、林野庁の委託事業(令和7年度途上国森林プロジェクト連携推進事業)として、金融機関として初めて採択されました。
ワールド・ビジョンは1950年に設立された国際NGOで、開発援助、緊急人道支援、アドボカシーを三本柱とし、世界の子どもたちを支援する活動を行っています。日本事務所であるWVJは1987年に設立され、2024年度には38カ国で149の事業を実施し、植林や森林管理事業では東南アジアやアフリカ諸国でコミュニティ主導の森林再生プロジェクトや森林保全プログラムを実施するなど、各国のローカルパートナーと強固な関係を築いています。
今回の覚書締結により、野村グループが培ってきたファイナンス機能や林野庁の調査事業者に採択された実績を踏まえ、WVJが有する東南アジアやアフリカでの現地ネットワークや多数の植林や森林保全プロジェクトの知見を活かし、業務協力によって需要拡大が見込まれるJCMクレジットに関して環境や社会的に意義のあるプロジェクト形成を一層強化していきます。
具体的には、JCMスキームを活用した東南アジアおよびアフリカでの地域住民主体の植林事業や森林管理事業の実施に向け、インドネシア、カンボジア、ケニアなどのJCM対象国において、土地利用や森林資源の現地調査、炭素蓄積量の評価、地域コミュニティとの合意形成やベネフィットシェアリングに関する調査を実施し、将来的なJCMクレジットの創出、流通、市場整備、販売に向けたスキーム構築を目指します。
本取組みで行う森林の保全や再生を推進する活動は、カーボンニュートラルの実現に資するだけでなく、生物多様性の向上や植林活動を通じた地域コミュニティの雇用創出、住環境の改善等、多面的な効
果をもたらします。当社は、こうした自然資本の価値をJCMの枠組みで可視化し、質の高いクレジットとして市場につなぐことで、持続可能な地域開発と企業の脱炭素移行を同時に後押ししていきます。
野村グループは今後も、「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」というパーパスのもと、国内外で持続可能な低炭素社会の実現に貢献していきます。
※JCMは、気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定第6条にもとづき、日本によるパートナー国への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じて、パートナー国における温室効果ガス排出削減・吸収に貢献し、その貢献分を両国がJCMクレジットとして獲得することで、両国の温室効果ガス削減目標の達成を実現する仕組みです。
以上