2025 年 11 月 25 日
CO2回収と?素?成を両?させる「KDS-DAC」の改善
当社(社長 飯塚 実)は、2025 年 4 月に安価な CO2回収コストと水素社会実現に寄与可能な低価格水素を同時に生成できる CO2回収システム「KDS-DAC」の開発の取り組みを発表しました。その後も継続して開発を進めており、今回その改善内容についてお知らせいたします。
KDS-DAC の改善内容
KDS-DAC は、薬液の循環サイクルにより CO2回収と水素生成コストの低減を同時に実現しようとするもので、今回の改善では水素生成の消費電力コストを約 35%ダウンすることに成功しました。
改善前は、図 1(左)に示す①~③のサイクルで CO2回収と水素生成しておりましたが、現在は図 1(右)①~②のサイクルで CO2回収と水素生成を循環させています。
従来の KDS-DAC では脱離液を加えることで CO2を回収する機構としていましたが、この工程が原因で電気分解時の消費エネルギーが大きくなり、ランニングコストが増大する課題がありました。そこで、脱離液が不要となるようサイクル全体を?直し、電気分解の条件を改善することで消費電力の大幅なダウンを実現しました。
KDS-DAC の今後の課題
企業との意?交換を重ねる中で多くの企業が関心を示すのは、必ずしも単純な回収技術の経済性そのものではなく、回収後の CO2の利用先や処理方法にあることが判明しました。これについても回収した CO2を単に保管するだけでなく、メタンなどの有価物へと変換する技術の開発に取り組んでまいります。回収技術と組み合わせて CO2を価値化するソリューションの研究開発を進め、回収から処理/販売までを?据えた循環型ビジネスモデルの構築を目指します。
CO2回収と水素供給の循環型ビジネスモデルで持続可能な未来を創造
日々深刻化する地球環境問題に対して、環境負荷を低減しつつ経済的な効果も期待できるこの技術は、カーボンニュートラルの実現と水素社会への移行に向けた第一歩となります。大真空は、真の社会貢献を実現するため、各関連企業との連携を深めながら、引き続き KDS-DAC の迅速な実用化を目指します。
<お問い合わせ先>
経営企画室 広報部 Tel:079-426-3211 Mail:kouhou602@kds.info