令和8年1~3月期の配合飼料供給価格改定について
全国農業協同組合連合会(JA全農)
令和8年1~3月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和7年10~12月期に対し、全国全畜種総平均トン当り約4,200円値上げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、米国産地で生育に適した天候が続いたことなどから8月中旬には380セント/ブッシェル台で推移していましたが、生育後期の高温乾燥による単収の低下懸念や、米国産とうもろこしの輸出需要が好調であることなどから上昇し、現在は440セント/ブッシェル台で推移しています。
今後は、米国産の輸出需要の動向や、南米産の作付けや生育状況などに左右される相場展開が見込まれます。
2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、8月中旬には310ドル/トン台で推移していましたが、米中貿易協議が難航する中、米国産大豆の輸出需要が低迷するとの見方などから9月下旬には290ドル/トン台まで下落しました。その後、10月上旬には中国による米国産大豆の購買に向けた貿易協議が進展するとの期待などから相場は反転し、さらに10月30日の米中首脳会談において実際に米国産大豆の購買合意が発表されたことなどから、現在は340ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期の上昇や為替円安の影響などから値上がりが見込まれます。
3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月中旬には53ドル/トン前後で推移していましたが、航海日数の長い中国向けの南米産大豆の輸出が継続し船腹需給が引き締まったことなどから、9月中旬には一時60ドル/トン台まで上昇しました。その後、中国向け南米産大豆の輸送需要が一服したことなどから相場は下落し、現在は52ドル/トン前後で推移しています。
今後は、原油相場は軟調であるものの、南米産大豆の輸出が本格化することから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれます。
4.外国為替
外国為替は、8月中旬には148円前後で推移していましたが、10月に日本で新政権が誕生したことなどを受けて日銀による政策金利の早期利上げ観測が後退したことや、11月中旬には米国でインフレに対する警戒感から利下げに慎重な姿勢が示されたことなどにより円安が進み、現在は155円前後で推移しています。
今後は、日米の金融政策の動向などに左右される相場展開が見込まれます。
以上から、為替円安やシカゴ定期の上昇によりとうもろこしや大豆粕の価格が値上がりとなることなどから、令和8年1~3月期の配合飼料価格は前期対比値上げとなります。