通信業界向け生成AI基盤モデル
「Large Telecom Model」の
マルチAIエージェント基盤を構築、自律運用の検証を開始
~ネットワーク運用業務の分析から判断、実行までの自動化を推進~
2026年3月12日
ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川潤一、以下「ソフトバンク」)は、通信業界向けの生成AI(人工知能)基盤モデル「Large Telecom Model」(LTM)※1において、複数のAIエージェント※2が相互に連携して分析から判断、実行まで自律的に行うマルチAIエージェント基盤を構築しました。また、通信ネットワークの運用業務の自動化に向けて、基地局インテグレーション業務においてマルチAIエージェント基盤を活用した検証を開始しました。
ソフトバンクは、LTMによるネットワーク運用の効率化や高度化を推進するとともに、AIによる自律的な運用モデルへの転換を段階的に進めていきます。
- [注]
-
- ※1
「Large Telecom Model」(LTM)の詳細は、2025年3月19日付のプレスリリース「通信業界向けの生成AI基盤モデル『Large Telecom Model』(LTM)を開発」をご覧ください。
- ※2
AIエージェントとは、AIが目標達成のために手順を計画し、必要に応じて外部ツールやデータを利用しながら、複数の処理を自律的に実行する仕組みのこと。
背景
近年、通信トラフィックの増大やサービスの多様化に伴い、ネットワーク構成はますます高度化・複雑化しています。これにより、運用現場ではリアルタイムかつ高度な判断が求められる場面が増加する一方で、業務の属人化や人手不足への対応といった課題も顕在化しています。
従来の生成AIは分析や回答といった機能が中心ですが、実際のネットワーク運用業務では分析結果を踏まえた判断や設定変更、関係者との連携などの一連のプロセスを各担当者が実行する必要があります。そこでソフトバンクは、これらの運用業務を段階的にAIへ移行することを目指して、LTMのマルチAIエージェント基盤を構築しました。
マルチAIエージェント基盤の概要
今回構築したマルチAIエージェント基盤は、役割ごとに最適化された複数の業務特化型AIエージェントが相互に連携して動作し、従来人が分担して行っていた分析から判断、実行までの一連の業務を担います。各AIエージェントが検知・分析した結果を別のAIエージェントが引き継いで判断や対応を行うなど、必要に応じて相互に情報を受け渡しながら協調することで、業務全体を一つの流れとして自律的に処理します。
各業務や役割に特化したAIエージェント同士が相互に連携することで、個別業務の自動化にとどまらず、ネットワーク運用全体を横断した高度な自動化を目指します。これにより、従来は熟練者による判断や引き継ぎが必要だった運用プロセスの属人化を防止し、迅速な判断による対応スピードの向上を実現します。
基地局インテグレーション業務の自動化
ソフトバンクは、ネットワーク運用業務の自動化に向けた取り組みの一環で、基地局のインテグレーション業務でマルチAIエージェント基盤を活用した検証を開始しました。基地局のインテグレーション業務は、基地局の開設時やハードウエア構成の変更時などに実施され、基地局で異常が発生したときの分析・判断・対応などを行います。
マルチAIエージェント基盤は、各種ログや設定情報、蓄積されたネットワークの設計・管理・運用ノウハウを基に、検知された異常を分析し、原因の特定から解決策や対応方針の提示、必要に応じて関係者への報告、対応まで自律的に行います。これにより、従来は担当者が個別に判断していた対応方針の策定や関係部署との連携などを自動化し、基地局インテグレーション業務全体の自動化を実現します。
ソフトバンクは今後、基地局のインテグレーション業務に加え、障害対応やトラフィックの最適化、品質改善、設備保全などの多様な業務において積極的にAIを活用し、自律化を段階的に進めていきます。実運用で得られた知見を基にLTMおよびAIエージェントの高度化を図るとともに、ネットワークの安定性・信頼性のさらなる向上と、迅速かつ柔軟なサービス提供を実現し、次世代ネットワークの進化に貢献していきます。
ソフトバンクの執行役員 兼 先端技術研究所 所長の湧川隆次は、次のように述べています。
「ソフトバンクは、これまで培ってきたネットワーク運用の知見を基にLTMを高度化してきました。今回構築したマルチAIエージェント基盤は、分析・提案にとどまらず、判断から実行までを担うAI主体のネットワーク運用へと進化させます。今後も最先端のAIを活用し、高品質で信頼性の高いネットワークサービスの提供を追求していきます」
- SoftBankおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。
- その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
- ソフトバンク 先端技術研究所について
-
ソフトバンク 先端技術研究所は「テクノロジーの社会実装」を使命に、次世代社会インフラを支える技術のAI-RANやBeyond 5G/6Gをはじめ、通信、AI、コンピューティング、量子技術、宇宙・エネルギー分野など、さまざまな先端技術の研究開発と事業創出を推進しています。国内外の大学・研究機関との産学連携や、パートナー企業との国際的な協業を通して、グローバルなビジネスの創出と、持続可能な社会の創造に貢献していきます。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。