植田総裁記者会見(5月19日)
――G7終了後の片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣、植田総裁
共同記者会見における総裁発言
2026年5月22日
日本銀行
―― 於・パリ(フランス)
2026年5月19日(火)
午後6時00分から約20分間(現地時間)
【冒頭発言】
私からは、簡潔になりますけれども、まず 2 日間を通じまして、大臣から今お話がありましたように、中東情勢を受けた経済・物価等への影響を含め、世界経済、金融情勢について議論が交わされたほか、金融システムやグローバル・インバランスに関する議論も行いました。また、中東情勢の影響に関して、中央銀行として、エネルギー価格等の上昇圧力が物価上昇率や予想物価上昇率、経済活動および金融市場に与える影響を注視していくことについて、参加者間で認識が共有されました。その中で私からは、日本経済について 4 月の展望レポートの線に沿って、また、私どもの金融政策についても 4 月の決定会合の際の考え方について説明をさせて頂きました。
【問】
植田総裁には、今おっしゃったように、中央銀行、原油価格、一次産品がどのように物価、インフレ期待、金融市場など経済活動も含めてですね影響あるかみていくということですけれども、今日、日本ではGDPの数字も出ていて、そこまで 4 月会合から多くのデータが出ているわけではないんですが、今足元で経済、インフレと物価の上振れリスクについてどういうふうにお考えになっているかお願い致します。
【答】
私からは、まず今朝のGDPについてはまだ精査しておりませんが、概ね私どものみていた姿に近いデータが出てきたかなというふうに思っております。そのうえで、中東情勢のわが国経済・物価へのこれまでの影響ですけれども、影響が徐々に出てきているかなというふうにみています。例えば 中東向け輸出のところは非常に弱い姿となっていますし、石油、化学等で設備の稼働率を下げてという動きが出たり、あるいはマインド面で弱い指標が出るというようなことが目につきます。また、物価面では川上から川中くらいにかけて、石油、化学あるいはプラスチック製品のところ辺りへの価格転嫁がやや早めであるなというふうに、企業物価指数等をみて思っております。それから、インフレ期待のところについても、まだ確たることは申し上げられませんが、少し古くなりますが、短観の企業の物価に対する見方とか、あるいは足元のブレーク・イーブン・インフレ率の動きとか、ちょっと上振れているところがありますので、これは注視してみていきたいなと思っております。
【問】
植田総裁に二点お伺いしたいんですけれども、長期金利の上昇についてお伺いしたいんですが、足元、長期金利が上昇傾向にありますが、この状況を今どうみられているのかというのと、6 月の会合でも国債買入れの減額についての中間評価を控えていますが、現状どのように考えて対応していくとお考えでしょうか。
二点目は、ベッセント米財務長官との会談があったとベッセント長官がXでツイートしていますが、どのような会談だったのか少しお話を聞かせてください。
【答】
まず長期金利ですけれども、これは速いスピードでこのところ上昇しているというふうに認識しております。背景としてはやはり一番大きいのは、市場参加者の間の認識ですけれども、中東情勢を背景としたインフレ懸念の高まりが世界的に長期金利の上昇をもたらしているということだなと思います。加えて、わが国の先行きの経済・物価情勢、金融政策、財政政策等に対する見方なども影響しているという声をよく聞きます。国債市場の動向については、政府とも緊密に連携しつつ、しっかりとみてまいりたいと思います。それから、6 月の国債買入れ減額計画の中間評価に向けてですけれども、これはいつも申し上げていますように、市場動向あるいは市場の機能度について、確かこれから開催予定の債券市場参加者会合、この場も活用しながら、しっかりと点検してまいりたいと思っております。
ベッセント長官とは、以前より、あるいは長年よく知っている間ですので、機会をとらえて会うということにしてきた中で、たまたま今回はお会いするチャンスがあったということでございます。議論の内容について具体的にコメントすることは、申し訳ありませんが差し控えさせて頂きたいと思います。
【問】
大臣と植田総裁それぞれにお伺いしたいのですけれども、先ほどベッセント財務長官が弊社の記者とのインタビューの中で、植田総裁は優れた中銀総裁で、もし総裁が必要なことを実行するための十分な裁量が政府から与えられれば、日本は優れた金融政策を実現できるだろう、と発言されています。この発言の受け止めについてそれぞれコメント頂けますでしょうか。
【答】
私としては、普段から申し上げているとおり、持続的・安定的な 2%のインフレ率の達成を目指して、適切な金融政策運営を実行していくということに努めるということに尽きます。
以上