2026年6月15日
株式会社みずほフィナンシャルグループ
筑波大学の外部法人つくばツインスパークとの採用面接にかかる共同研究が
世界最高峰の経営学会「Academy of Management」で採択
~研究成果を踏まえた科学的根拠に基づきキャリア採用にAI面接を導入~
株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長:木原 正裕、以下「みずほ FG」)は、筑波大学が 100%出資する外部法人つくばツインスパーク株式会社(代表取締役: 犬塚 隆志)と「AI 面接と人間の面接、候補者はどちらを評価するのか?」をテーマに共同研究を実施しました。
研究の成果として、採用面接において「候補者は AI より人間による面接を好む」という一般的な見方に対し、人間の面接官への“過度な期待”が志望度を下げるリスクを実証しました。本研究成果は、経営学分野で世界最高峰の国際学会である「Academy of Management(AOM)」の第86回年次大会(2026年8月開催)における発表論文として採択されました。
■背景:人間の面接官の前提と現実とのギャップ
近年、採用活動において「面接官の態度やスキルによって、候補者の企業に対する志望度が大きく左右される」という課題が浮き彫りになっています。従来の常識では「AIよりも人間の面接官の方が好印象を与える」とされてきましたが、これは「面接官が適切な態度で接すること」を暗黙の前提としており、前提と現実のギャップが明らかになっています。
■研究結果:人間への「期待」が裏目に出る心理メカニズム
みずほ FG と筑波大学との共同研究チームは、面接官(人間・AI)の態度が候補者に与える影響について実証実験を行いました。その結果、以下の事実が明らかになり、本研究の新規性と妥当性が評価され、AOMの第86回年次大会での発表が決定しました。
① 「人間ならAIより優れている」という常識の例外
友好的な人間の面接官は AI 面接よりも高い評価を得た一方で、「無関心な人間の面接官」は、AI 面接よりも選考の公平感(手続き的公正)や面接官の印象において低い評価となることが確認されました。
② 人間への過度な期待が引き起こす「期待違反理論」
理論的背景として、候補者は人間に対して「親身に話を聞いてくれる」という高い期待を抱いており、無関心な態度をとられた際の「期待の裏切り」によるショックが大きく、結果としてAIよりも評価が下がるというメカニズムが確認されました。
③ 面接官の態度のバラツキが「企業の魅力度」低下に直結
面接官の態度の違いは、内定時の嬉しさの低下や不合格時の会社への失望や怒りといった面接官の印象や選考への納得感を通じて、最終的な「企業の魅力度(志望度)」に多大な影響を与えることがデータで示されました。
■今後の採用活動に向けて
みずほ FG では、本研究の成果を踏まえた科学的根拠に基づき、キャリア採用において、従来の人間の面接官による面接に加えて、2026年3月より一部の採用プロセスにAI面接官によるヒアリングを導入しました。
みずほFGは、「AIにすべてを任せる」のではなく、AI面接官による公平で均質なヒアリングと、候補者との相互理解やカルチャーマッチを深めるための人間による対話を組み合わせることで、「AIと人間のベストミックス」を取り入れています。
今後も採用活動において公平性と多様性を両立させた選考プロセスの実現を目指し、さらなる候補者体験の向上に、より一層努めていきます。
<論文・学会情報>
論文タイトル:When AI Outperforms Humans: The Reversal Effect of Indifferent Interviewers on Applicant Reactions
採択学会:Academy of Management (AOM) 86th Annual Meeting(2026 年 8 月開催予定)
<共同研究者>
立本 博文 氏
筑波大学ビジネスサイエンス系教授。博士(経済学/東京大学)。東京大学ものづくり経営研究センター助教、兵庫県立大学経営学部准教授、MIT 客員研究員、筑波大学ビジネスサイエンス系准教授を経て現職。
伴 正隆 氏
筑波大学ビジネスサイエンス系准教授。博士(経営学/東北大学)。日本大学経済学部准教授を経て現職。
岡本 摩耶 氏
つくばツインスパーク株式会社プリンシパルコンサルタント。博士(医学/神戸大学)。兵庫県立大学特任教授、省庁、コンサルティングファーム等を経て現職。京都大学経営管理大学院客員教授、ノクターンキャピタル株式会社代表取締役を兼任。
※つくばツインスパーク株式会社は、立本博文教授、伴正隆准教授の研究成果の普及と実用化を企画・実施をする会社です。
以 上