国際協力NGOジョイセフ(東京都新宿区、理事長:石井澄江)は、国際人権デーである12月10日(金)に、「SRHRユースアライアンス」を立ち上げます。日本全国の若者の連帯を促進し、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)に関する政策提言をサポートします。このアライアンスを通し、日本国内及び海外で発信、活躍するグローバルリーダーが誕生することを期待しています。
SRHRユースアライアンスとは
SRHRユースアライアンスは、日本国内でセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)課題とジェンダー課題に取り組むユース(個人/団体)によるアドボカシーのためのネットワークです。SRHRの課題改善に取り組むユースの団体・個人が集まり、国際社会とも連携を取りながら、活動を行います。
https://www.joicfp.or.jp/jpn/srhr30jp
日本におけるSRHRの課題
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)は基本的人権のひとつです。
世界のどこにいても、誰もが年齢や性別に左右されることなく、SRHRに関する情報を入手でき、望んだ時にSRHサービスを主体的に選択できなければなりません。
ジョイセフは、創立から半世紀以上にわたり開発途上国において、SRHR の分野で活動をしてきました。しかし、東日本大震災以降の10年、日本国内の被災地で支援活動を実施する中で、根深いジェンダー格差や、日本特有のSRHRの課題があることを目の当たりにしてきました。例えば、避妊を例にとっても、女性が選べる避妊法が少ないこと、選ベる避妊法が高額であること、その結果避妊を男性に依存する女性が多いこと、緊急避妊薬を入手するには医師の処方せんが必要であること、などグローバルスタンダードではない実態があります。世界保健機関(WHO)は、2018年「意図しない妊娠のリスクに直面するすべての女性と少女は、緊急避妊の手段にアクセスする権利がある」と各国に勧告しました。また、コロナ禍の2020年4月には、薬局での販売の検討も含め、緊急避妊薬へのアクセスを確保するよう提言しています。
SRHRに関連し、諸外国にはあるが、日本にはない、あるいは不十分と指摘されているものとしては、政府の資料で以下の例が挙げられています。(*)
・緊急避妊薬を処方箋なしで購入
・経口中絶薬
・子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)
・選択的夫婦別姓(選択的夫婦別氏)
・性的同意
・性交同意年齢
(*)内閣府男女共同参画局2021年10月20日計画実行・監視専門調査会(第4回)資料1「女性の生理と妊娠等に関する健康について」より
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/keikaku_kanshi/gijishidai/ka4.html
諸外国に比べて、SRHRについて学ぶ機会が少ない日本では、基本的人権としてのSRHRの重要性について理解が浸透していません。
こういった状況を鑑み、2年前から、ジョイセフは、緊急避妊薬の市販化の実現を求めて活動している「#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト(
https://kinkyuhinin.jp/)と、9月の世界避妊デーなどにイベントを共催し、広く日本のSRHRの現状を知らせる啓発活動をしてきました。多くの反響と若者たちのニーズの声を受け、#緊急避妊薬を薬局でプロジェクトと相談を重ねて、SRHRユースアライアンス結成の礎を固めてきました。
SRHRユースアライアンスのねらい
また、ジョイセフがサポートした2020年の第5次男女共同参画基本計画策定に向けて、「10代20代の若者の声を届けたい」とユースが発足した「#男女共同参画ってなんですか(
https://u30equal.com/)」では、SNSを中心に、SRHRに関する意見が多く寄せられ、その声をもとにユース提言を作り、当時の橋本聖子男女共同参画大臣に提出しました。若者たちの要請を受け、第5次男女共同参画基本計画には、1)緊急避妊薬の薬局販売の検討、2)就活セクハラへの対応が新たに書き込まれることになりました。
ここでの学びと経験を基に、また全国のユースが日本社会の変化に希望を抱きはじめた今だからこそ、連帯できるアライアンスを発足し、SRHRの課題に対し積極的に日本や国際社会へ向けて政策提言を行っていきます。
SRHRユースアライアンスでは、G7や国連などの国際的な場で、積極的に政策提言を行なっていくことができるユースリーダーを輩出することも目標の一つです。
アライアンスは、短期的には より多くの若者がSRHR情報を入手し、SRHRの知識を得ることで政策提言の動きを作り、政策を変えていくこと。長期的には日本で、そして世界でSRHR課題への取り組みが盛んになり、SDGゴール3.7と5.6で示されているSRHRへのアクセスを実現し、誰もが基本的人権の1つであるセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツを享受することができる社会を目指します。
活動内容とアライアンスの構成
●アドボカシー
国際社会との連携をとりつつ、日本国内のSRHR課題の解決と、SRHRに関するSDG3.7および5.6の達成を目指し、ユースから政策提言を行う
●意識啓発
若者世代のSRHRの認知を高めるとともに、日本国内でのSRHRに関するモメンタムを作る
●SRHR課題に関して、次のような活動を計画しています。
― ユースによるアドボカシー活動
― 国会議員や政府とユースの意見交換
― ユース向け勉強会やアドボカシーの研修
― ユースのG7サミットや国連・国際会議などに向けた政策提言や意見の発表・参加
― ユースのための情報交換や情報発信
●構成
SRHRユースアライアンスを構成するのは、SRHR 課題解決に取り組むユースの団体と個人です。ユース団体は、メンバーの半分以上がユース(U30:30歳未満)で、ユース向け、ユースための活動をしている団体です。
個人は、SRHR 課題を解決したいと思っている30歳未満の方です。
●参加団体 / 参加者(12月10日現在、順不同)
#男女共同参画ってなんですか
Fridays For Future Tokyo
NPO法人ピルコン
一般社団法人ソウレッジ
持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム:JYPS
株式会社Essay
新橋 みゆ , 福田和子,中島梨乃 ,能條桃子
※順次追加予定
▶詳細はこちら
https://www.joicfp.or.jp/jpn/srhr30jp
応援メッセージ
社会を変えるためには、日本の未来を担う若い皆さんの力が必要です。
皆さんの声を我々政府はしっかりと受け止め、問題の解決に向け全力を尽くしてまいります。すべての人のリプロダクティブ・ヘルス/ライツが守られ尊重される、よりよい社会を一緒につくっていきましょう。
内閣府 男女共同参画局長
林伴子
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日本において性と生殖に関する健康と権利(SRHR)に関する課題は山積しています。
意図しない妊娠を防ぐことに役立つ緊急避妊薬へのアクセスもそのひとつです。
今年、緊急避妊薬の市販化に向けて厚生労働省での議論が4年ぶりに再開しましたが、
その背景には、若者・市民によるパブリックコメントや約14万筆の署名、
65の市民活動団体による要望書の提出など地道なアドボカシー活動がありました。
SRHRユースアライアンスの設立によって、 より多くの若者・市民の力が集まり、当事者の声が届けられ、 一人一人のSRHRが尊重される社会に変わっていくことを期待しています。
産婦人科医
遠見才希子
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SRHRユースアライアンスの設立、おめでとうございます。日本で若者がSRHRの現状を変えるために立ち上がる機運があることは、素晴らしいです。こうした若者に活動の機会とスキル・知識を与える役割を担うこのアライアンスの設立は非常にタイムリーで、IPPFがこの重要な活動を支援できることを誇らしく、うれしく思います。この新アライアンスが世界の仲間とつながり、日本と世界を変える大きな波になっていくことを望み、期待しています。ソリダリティの気持ちをこめて。
国際家族計画連盟(IPPF)事務局長
アルバロ・ベルメホ
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SRHRユース・アライアンスの立ち上げを、心より歓迎し応援します。
自分のからだは自分のもの
こんな当たり前のことを、当たり前にできていない社会のなかで、若い方たちが立ち上げるボトムアップの活動をサポートしたいです!
社会を変えるのは、いつの時代も若い方から。自信を持って進んでいってください!
法学者 / 大阪芸術大学客員准教授
谷口真由美
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▶このプロジェクトは、IPPF(国際家族計画連盟)の助成を受けております。
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■国際協力NGOジョイセフについて
ジョイセフは、世界のどこにいても女性が自分の人生を自分の意思で選択できる社会をめざし、主に、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)を推進する、1968年に誕生した日本生まれの国際協力NGOです。
国連、国際機関、現地のNGOや地域住民と連携し、アジアやアフリカで、保健分野の支援活動を行っています。2011年の東日本大震災を機に日本国内での支援活動を開始。2017年に第1回ジャパンSDGsアワードのパートナーシップ賞を受賞。:
https://www.joicfp.or.jp/
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