家庭環境に悩む子どもたちの支援施設「みちくさハウス」2拠点目設立のための新たな挑戦。NPO法人ウィーズ、コロナ禍で悪化する家庭事情の増加を受け、5月14日(土)からクラウドファンディングを開始。

2022/05/17  特定非営利活動法人 ウィーズ 

~親からの虐待・家庭不和による「やむを得ない家出」から中高生の心身を守りたい~

特定非営利活動法人ウィーズは、昨年7月に千葉県松戸市に「みちくさハウス」を設立しました。 コロナ禍による家族の衝突の増加・家庭事情の悪化は、子どもたちから生きる希望や自己価値を見失わせ続けています。 みちくさハウスはそんな子どもたちの心身の安心と安全を確保し、健全な自立に向けた後押しをおこなうための一時利用型施設です。1人でも多くの子どもたちに伴走できるよう、来春、東京都練馬区への2拠点目の設立を目指しています。



特定非営利活動法人ウィーズ(千葉県船橋市、理事長:光本 歩)は、子どもたちの支援施設『みちくさハウス』の2拠点目の設立に向け、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて、2022年5月14日(土)から2022年6月26日(月)の期間、プロジェクトを実施いたします。


【家庭環境に悩む子どものための『みちくさハウス2』の開設資金を集めるプロジェクト概要】


募集期間:2022年5月14日(土)~2022年6月26日(月)
目標金額:180万円(All or Nothing※目標額に達しない場合、プロジェクト実施は不可となります)
URL: https://camp-fire.jp/projects/view/585288




みちくさハウスは、家庭や学校などの普段のコミュニティから子どもたちが少し離れて心と身体を充電する目的で2021年7月22日にオープンしました。すぐにはじまった夏休みには、宿題をしにくる子ども、お昼寝をしにくる子ども、スタッフと遊んだり喋ったりしにくる子ども……まさに日常生活の中で『みちくさ』していく子どもたちの姿が見られました。


私たちがみちくさハウスを設立した目的のひとつに「緊急避難所」としての役割がありました。


ウィーズが運営しているオンライン相談には「親が殴ってくる、死にたい。」「両親が喧嘩ばかりで辛くて家出した。」……といった緊急性の高い案件が多く寄せられていたからです。
そのような場合には警察や児童相談所との連携をおこなっていましたが、子どもの納得感のない『つなぎ』は子どもの意に反することも多くありました。実際に親と離れることを望んでいる子どももいれば、『ほんとうは、家族みんなで仲良く暮らしたい』という思いを抱えている子も多数いたのです。

オンライン相談から、みちくさハウスという対面できる落ち着いた場所を持てたことで、子どもたちの話に耳を傾け、寄り添い、次の一歩を一緒に考えるというステップを持つことができるようになりました。
コロナ禍による家族の衝突の増加・家庭事情の悪化によって、現在はこの「緊急避難所」としての役割がより大きくなっています。

支援対象となる子どもたちには、大人への不信感をいっぱいにため込んでいる子も少なくありません。クラウドファンディングでのチャレンジは、子どもたちに『あなたを応援している大人がたくさんいるよ』というメッセージを伝える目的もあります。当団体の取り組みに関心を寄せていただけますと幸いです。


【ある日のみちくさハウス~ひとり親家庭の親子の来訪~】




『もうちょっと限界です…』


シングルマザーの方からの相談が入りました。
高校生の長男が自宅で暴れてお母さんのことを殴ってしまい、思わず「そういうところがあなたの父親に似ている」と言ってしまったのだそうです。お母さんは言ってはいけないことを言ってしまったと深く落ち込み、何も手につかなくなってしまったとのことでした。

その日、私たちはお子さんたちと共にお母さんにみちくさハウスへの来訪を勧めました。お子さんたちはスタッフとともに2階で過ごし、お母さんは1階の個室で面談をおこないました。
子どもも「これじゃいけないと思うけど、親にうまく気持ちを伝えられなくてイライラしてしまう。」と言い、お母さんも「あの子に不自由な思いをさせたくないと思っているのに…」と話してくれました。


【被害児童数、児童虐待相談対応件数は年々増加。より一層子どもの声に耳を傾けることが重要に】

「子どもが暴力をふるった」とだけ聞けば、児童相談所や警察の介入が一般的かもしれません。しかし、やはりこのケースも『親子が離れること』ではなく『家族がよりよく生きられること』を子どもも親も願っていたのです。



警察庁のデータによれば、親が実際に検挙された事件だけでも被害児童数は右肩上がりに増えています。

また、令和2年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数は20万5029件で、過去最多を更新しました。相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待12万1325件(全体の59.2%)、身体的虐待5万33件(24.4%)、ネグレクト3万1420件(15.3%)、性的虐待2251件(1.1%)となっています。

さらに、みちくさハウスを利用する子どもたちの背景によくあるものとして「親の別居・離婚」があります。
今現在の日本で、両親の離婚を経験する未成年の子どもは、3組に1組。結婚している両親の別居、離婚を経験する子どもは、年間22万人に及びます。そして、その経験から生じる悩みや不安を誰かに相談できた子どもは、10%にも及びません。ヨリドコロを持たないまま、「私のせいでこうなった」「私なんていらない存在なんだ」と、心と体に闇を抱えてしまうのです。

『家庭の問題に第三者が介入するべきではない』『家庭の問題は自己責任』と言われがちではありますが、閉鎖された環境の中で、子どもの心身が傷ついているということもあるのです。学校や家庭といった生活に密接した環境ではない子どものヨリドコロや、子どもの気持ちや考えを安心してアウトプットできる場所は、子どもの心身を守るために、そして親が抱える困難や課題を軽減していくために必要不可欠です。


【みちくさハウス松戸・みちくさハウス練馬の2拠点設置で叶うこと】

松戸のみちくさハウスは、設立開始から8か月で319名の利用がありました。
現在は千葉県内をはじめ、東埼玉、東東京、茨城県などからの来訪が多いです。より多くの子どもたちに伴走するため、2つめのみちくさハウスを東京都練馬区にオープンしたいと考えています。


練馬は東京都心、西東京、西埼玉、神奈川県から8路線が利用できるアクセスの良さが魅力です。
ここにみちくさハウスがあれば、松戸には来られることができない子どもたちにも多角的な支援をおこなうことが可能となります。

これを実現すべく、5月14日よりクラウドファンディングサイトCAMPFIREにて、「家庭環境に悩む子どものための『みちくさハウス2』の開設資金を集めるプロジェクト」をスタートいたしました。


【プロジェクトへの想い】


■特定非営利活動法人ウィーズ プロジェクトマネージャー 永作 真奈美
両親の離婚・母の精神疾患・虐待・育児放棄。私はこれら全てを経験してきました。
「産まなきゃよかった」という母の言葉を、素直に受け取った私は「本当は生まれちゃいけない存在だったんだ」と思い続け、話す場所も逃げる場所も用意されていなかった私は、学校にもいけず、家にも帰れず、精神のバランスを崩していきました。
そして、何度も自傷行為を繰り返す母を見て、本当に一度だけ、母を殺して自分も死のうと思ったことがありました。あの時に、みちくさハウスのような所があれば…。
結果的に私は養子縁組をすることで人生を立て直すことができましたが、どこにも逃げ場がない子どもは、あと一歩で最悪の判断を下してしまうのです。子どもたちの未来を守ってあげられるのは、私たち大人です。そしてみちくさハウスが増えるということは、救える親と子が増えるということです。
悩める親と子の未来を守るために、クラウドファンディングを通して、みなさんの力をお貸しください。


■特定非営利活動法人ウィーズ 理事長 光本 歩
私自身、両親の言い争いを間近で見ながら育ちました。結果として両親は離婚を選択しましたが、そのときには『離婚してくれてよかった』と思ったほどです。しかし、渦中においては「仲良くしてほしい」「前みたいな親の喧嘩がなかった家族に戻りたい」という思いを強く抱いていました。
私はその頃、運よく「話を聴いてくれる人」「家のことを考えなくていい時間を与えてくれる場所」を持つことができていました。今、悩む子どもたちを前にして、そういった存在の有無が、運に左右されてはいけないという思いを強くしています。みちくさハウスを運営するウィーズには、子どもたちの想いに共感し、伴走できる『かつての子どもたち』が多くいます。
今回のクラウドファンディングで、『かつての子どもたち』と『今、悩みを抱える子どもたち』の接点をさらに増やし、健全な自立を後押しできるよう取り組んでいきたいと思います。


■特定非営利活動法人ウィーズについて
親の離婚や別居、家庭環境に悩む子どもたちの支援を目的として活動しています。主に10代の子どもたちからのLINE相談対応、面会交流支援、子どもたちの居場所づくりなどの活動を通じて子どもたちの支援を行っています。
・理事長:光本歩
・住所:千葉県船橋市習志野台4-710-14(事務所)
千葉県松戸市上矢切291-4(みちくさハウス松戸)
・設立年月日:2016年3月24日
・URL: https://we-ed-s.com

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