バングラデシュで、知的障がいのある子どもを支えるプロジェクトを開始

2022/08/25  公益社団法人 日本キリスト教海外医療協力会 

知的障がいのある子どもとその家族をサポート

公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会(東京都新宿区、会長:畑野研太郎)は、2022年7月から、バングラデシュで知的障がいのある子どもとその家族を対象とした新しいプロジェクトを、現地団体と協力して始めました。 【詳細URL】https://www.jocs.or.jp/active/worker/iwamoto


プロジェクト対象者を訪問する岩本看護師(最後尾)と現地スタッフ
日本キリスト教海外医療協力会は、1980年以降バングラデシュでの保健医療協力活動を続けています。

2022年7月、バングラデシュ北部に位置するディナジプールに岩本直美(いわもと なおみ)看護師を派遣し、現地の知的な障がいのある子どもとその家族を支援する活動を始めました。この活動は、現地にあるミラノ外国宣教会が5年の計画でおこなうもので、JOCSがその要請に応じて協力しています。


知的な障がいのある子どもとその家族を支えるために


この活動「JOYJOYプロジェクト」は、ディナジプール市内に住む、知的障がいのある5~12歳の子どもとその家族を対象としています。対象である家庭は総じて経済的に貧しく、障がいのある子どもたちは十分な教育の機会を得ることができません。また保護者には、障がいのある子どものための支援情報が十分に届いていません。

本プロジェクトでは、知的な障がいのある子どもとその母親を受け入れるデイケアサービスを開設したり、デイケアサービスを利用しない家庭を計画的に訪問したりすることで、自助努力を強いられている家庭を支援することを目指しています。また、障がいのある人に対する偏見や社会的排除を軽減することも目指しています。

派遣された岩本看護師の任務は、プロジェクトの対象者を探すこと、対象者にプロジェクトへの参加を働きかけること、デイケアサービスの実施に伴う現地スタッフの雇用や施設・備品の整備、プログラムの考案等、多岐にわたっています。

JOCSでは、今後3年間の予定でこのプロジェクトを支援します。進捗の様子は、JOCSホームページで随時お知らせいたします。


岩本直美看護師のバングラデシュでの活動


岩本看護師は、1993年にJOCSからバングラデシュに派遣され、以来30年近くにわたり、バングラデシュで障がいのある方々と共に歩んできました。

2008年から2021年12月までは、障がいのある人とない人、約40人が共同生活をするコミュニティ「ラルシュ・マイメンシン」で、コミュニティ・リーダーを務めました。

リーダーとして岩本看護師は、皆が安心して暮らせるように、コミュニティの生活と財政の基盤を整えました。コミュニティがゆくゆくは地域の人の手で運営されるように、リーダーとなる地元の若者を育成し、また、資金調達のため地元の人たちに協力を呼びかけました。

新型コロナウイルス感染症が感染拡大している間もバングラデシュに残り、コミュニティの人たちの感染防止に努めました。

岩本看護師は、2021年12月、リーダーとしての役割と責任を自らが育てたバングラデシュ人の若者に移譲して、その任期を終えました。

新しいプロジェクトでこの経験が活かされることが期待されます。


岩本直美看護師プロフィール



岩本直美看護師
岩本直美(いわもとなおみ)
滋賀県生まれ。大津赤十字看護専門学校卒業後、病院や福祉施設で障がい児療育に携わる。1993年、JOCSからバングラデシュで活動。


日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)について


JOCSは、1960年に設立された、日本で最初の民間国際協力団体のひとつです。

すべての人々の健康といのちがまもられる世界をめざし、日本人保健医療従事者(医師や看護師など)の派遣、現地の保健医療従事者の育成、現地NGOと協働したプロジェクトの実施を行ってきました。

現在、バングラデシュとタンザニアに日本人保健医療従事者を派遣し、8カ国約60名の現地保健医療従事者を奨学金制度によって育成しています。
現地スタッフを指導するJOCS派遣助産師(タンザニア)
JOCSの奨学金で学んだ看護師(ネパール)



団体概要


公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)
東京事務局:東京都新宿区西早稲田2-3-18-51
関西事務局:大阪市北区茶屋町2-30
会長:畑野研太郎
設立:1960年
URL:https://www.jocs.or.jp

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