低収入者ほど“現金派”が多く、高収入者ほどキャッシュレス決済に積極的。今後、28.6%が現金利用を減らす・23.8%がQRコード決済を増やしたい意向。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)の2日間、全国の20歳以上の男女を対象に「新紙幣とキャッシュレス」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
2024年7月3日、一万円札、五千円札、千円札の3種類が新しく生まれ変わります。2004年以来、実に20年ぶりのデザイン刷新です。政府によるキャッシュレス決済の推進や、民間事業者による各種キャンペーンの実施などによって、キャッシュレス決済が着実に浸透しつつある今日、新紙幣発行がその動きにどのような影響を与えるのか、動向が注目されています。
そこで今回は、新紙幣発行に対する態度から、キャッシュレス決済の状況、今後利用頻度を増やしたい支払い手段までを広く聴取し、考察を加えました。是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳以上の男女のうち、普段買い物をする人
有効回答数:1,000名
調査実施日:2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)
◆「新紙幣とキャッシュレスに関する調査」主な質問と回答
普段利用する支払い手段は:低収入になるほど“現金派”が多く、高収入になるほどキャッシュレス決済に積極的。
世帯年収別で結果を見ると、年収が低くなればなるほど現金利用者が増え、年収が高くなればなるほど利用するキャッシュレス決済が豊富になっていく様子がうかがえた。「電子マネー」「スマートフォン決済」「携帯キャリア決済」「オンライン決済サービス」の利用率は高収入者ほど高くなっていく。
各支払い手段に対する、今後の利用頻度は:28.6%が現金利用を減らしたい・23.8%がQRコード決済を増やしたい意向。
今後利用頻度を減らしていきたい支払い手段として、「現金」が28.6%で最多に。一方、今後増やしたい手段として上位2項目に挙がったのが「QRコード決済」と「ポイントカードやポイントアプリを利用した決済」で、それぞれ23.8%・20.0%だった。
はじめに、買い物などにおける、普段の支払方法をお聞きしました。
■買い物などの支払い方法 ~現金かキャッシュレスか~(n=1,000)
全体では、51.8%と約半数が「キャッシュレス決済をすることが多い」との結果に。
最もキャッシュレス決済に積極的な「キャッシュレス決済しかしない」層の割合は、6.0%でした。
この「キャッシュレス決済しかしない」層の割合を性年代別で比較すると、20代~50代においては女性より男性の方が高くなっています。中でも20代男性は11.0%と、唯一10%を超えました。
男性は女性よりも荷物を減らしたい人が多かったり、“割り勘”として相手に現金を渡すことがあまりなかったりすることも、この傾向と関係しているかもしれません。
一方、60代以上においては男女で大きな差が見られました。
60代以上の男性は全世代の中で最も現金派(「現金でしか支払わない」「現金で支払うことが多い」の合算)が多く、32.0%。60代以上の女性は全世代の中で最もキャッシュレス派(「キャッシュレス決済をすることが多い」「キャッシュレス決済しかしない」の合算)が多く、72.0%となっています。
次に、普段利用する支払い手段をお聞きしました。
なお以下のグラフは、「普段利用する支払い手段」を、別設問で聴取した「世帯年収」別に表示したものです。
■
普段利用する支払い手段(n=813)
全体の結果を見ると、「現金」と「クレジットカード」が2トップとなり、それぞれ76.3%・73.3%に。現状では、未だ現金がやや優勢となりました。
世帯年収別で結果を見ると、年収が低くなればなるほど現金利用者が増え、年収が高くなればなるほど利用するキャッシュレス決済が豊富になっていく様子がうかがえました。
特に後者の傾向については、「電子マネー」「スマートフォン決済」「携帯キャリア決済」「オンライン決済サービス」の利用率で顕著に表れています。
高収入者の場合、仕事やプライベートでの国内出張・海外渡航や、海外への送金をおこなう機会が多いことが予測されます。そのため、紛失や盗難などのリスク軽減のため複数の支払い手段を用意したり、「PayPal」をはじめ、海外へ送金できるオンライン決済サービスの利用が求められたりすることも多く、結果として、利用するキャッシュレス決済が豊富になっていったのかもしれません。
また、“現金派”の意見として、キャッシュレス決済のセキュリティ・使い過ぎへの不安や、家計管理の煩雑さがしばしば挙がりますが、高収入者の場合は十分に蓄えがあるため、そもそもお金の使い過ぎや家計管理についてそこまで問題視しない、というのもキャッシュレス決済への積極性に繋がっていると考えられます。
それぞれの支払い手段の利用頻度について、今後の意向をお聞きしました。
■
各支払い手段に対する、今後の利用頻度(n=1,000)
今後利用頻度を減らしていきたい支払い手段として、「現金」が28.6%で最多に。
一方、今後増やしたい手段として多かったのが「QRコード決済」と「ポイントカードやポイントアプリを利用した決済」。この2つのみ20%を超えています。
どちらもポイント還元率が高かったり、キャッシュバックキャンペーンがあったり、さらには“ポイント二重取り”が可能であったりと、現時点で非常にお得感の強い支払い手段とあって、今後もできるだけ生活に取り込もうとする動きがあるようです。
特に「QRコード決済」は、前掲した設問【普段利用する支払い手段】で、既に“第3の支払い手段”として定着していることがわかりましたが、現金利用を減らす動きが高まる中、近い将来、「現金」と「QRコード決済」の利用率が同等になる日も近いかもしれません。
2024年7月3日に新紙幣が発行開始されることを知っているか、お聞きしました。
■2024年7月3日に新紙幣が発行開始されることを知っているか(n=1,000)
「新紙幣発行開始」の認知度は、全体の77.9%でした。
そのうち、新紙幣の人物を詳しく知らない層が47.0%を占めています。キャッシュレス決済が浸透していることも関係してか、やや関心が薄い様子がうかがえました。
新紙幣の人物について、それぞれどの程度知っているかお聞きしました。
■新紙幣の人物をどの程度知っているか(n=1,000)
新紙幣の人物の3名とも、「何をした人物か知っている」割合は40%前後に。
いずれの人物も、近年テレビドラマ化されていましたが、やはりNHK大河ドラマ「青天を衝け」の影響か、「名前のみ知っている」を含めた認知度は渋沢栄一が最も高くなっていました。
最後に、新紙幣を使ってみたいと思うかお聞きしました。
■新紙幣を使ってみたいか(n=1,000)
全体の44.2%(「とても使ってみたい」「まあ使ってみたい」の合算)が使ってみたいという結果でした。「どちらともいえない」層が43.5%を占める中、全体としては新紙幣にややポジティブな反応であると言えるでしょう。
■この調査のその他の質問
・家計管理をおこなっているか(単数回答)
・現金を使う理由(複数回答)
・普段、買い物をすることがある場所(複数回答)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:
https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
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