大阪ガス都市開発株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:友田 泰弘、以下「大阪ガス都市開発」)は、2023年12月に京都市北区にて竣工した新築分譲マンション「シーンズ京都賀茂川」が公益財団法人日本デザイン協会主催の2024年度グッドデザイン賞を受賞いたしましたので、お知らせします。
SCENES(シーンズ)は「人生に感動する一邸を。」をブランドコンセプトに、
お客さま一人ひとりの人生を想うことからはじめ、新たな住まいの歓びや人生が感動に満ちる時間を大切にしたいと一邸一邸に想いを込め開発を行っています。
■シーンズ京都賀茂川の特徴
(1)賀茂川・北山通を「視点場」とした景観の創出を意識した、風景を建物に取り込むファサードデザイン
(2)この地での暮らしを象徴する、北山の自然美を宿したアプローチ・エントランス空間
(3)住まい手がそれぞれの生活に合わせて動線や空間の使い方を発見できる住戸プランの提案
■開発背景と課題
賀茂川や京都の山並みを望む自然と街が一体となった住み心地のよい洛北エリア。
敷地東側を流れる賀茂川は、周辺住民が愛する大切な場所です。また、京都市は賀茂川を「視点場」とした景観を重要な風景の一部と捉え、「近景デザイン保全区域」に指定しています。
これらのことから、周囲を尊重しながら北山の自然と常に隣り合うこの場で、新たに暮らす価値をどう提供するかが課題でした。
美しい景観は街や通りの連続性によって成り立つものであり、建物は街の一部であるという発想から、街から建築を考えることを意識。自己主張する建物ではなく、周囲と「調和」しながら、景観の向上に寄与する視点で地域課題を解決することに臨みました。
また、生活様式が多様化している中で、新しい暮らし方をどうデザインするかも開発のポイントとなりました。
■シーンズ京都賀茂川の開発手法
(1)風景を映しこむファサードデザイン
新築の集合住宅はボリュームが大きく、通りに対しての配慮が必要でした。また、北山通を視点場とした景観を丁寧につくり込む必要があったため、北山杉を想起させる杉型枠仕上の縦マリオンや設備隠しルーバーを用いてファサードを分割し、北山通との調和を図りました。
バルコニー手すりには反射率の高いガラスを採用することで、街路樹の風景を建物に映しこみ、風景に溶け込む外観を目指しました。また、賀茂川からの景観に配慮し北側屋根は大屋根とし、新たな「視点場」として屋上テラスを設け、周辺の山並みと一体になれる場を創出しました。
風景を映しこむファサードデザイン
(2)北山の自然美を宿した空間
エントランス空間は全面ガラス張りとし、外部空間を取り込んで広がりを感じられる空間に。賀茂川や北山通からの美しい風景を守りながら、通りにあふれ出す共用空間として細部まで丁寧に作り込む必要があったため、賀茂川上流の象徴となる景石、林立する北山杉を彷彿とさせるルーバー、賀茂川の流れを再現した伝統工芸の組子天井、四季を表す花アートなどの自然美のモチーフを連続させ創りこみました。
北山の自然美を宿した空間
(3)住まい手が空間を定義づける間取り
生活現象の多様化が加速する現代社会において、豊かな暮らしを創出したいという思いから、
従来の寝室やLDKという概念にとらわれず、住まい手が扉の開閉による領域や空間連続性、人との距離感・動線を自発的に選択し、多様な生活現象を生み出せる住戸ユニットを提案しました。
住まい手が空間を定義づける間取り
■グッドデザイン賞 審査委員からの評価
周辺環境に丁寧に呼応した共用空間のデザインやランドスケープ、京都という文化的文脈を汲み取った仕上げやディテール、防災的な観点で行き届いた配置計画や設備、備蓄品など、細部に至るまで実に誠実かつ丁寧に設計されている点が、何よりも好感が持てる。
また外観も、過剰にマンションの価値やグレードを表現するのではなく、むしろ控えめに地域の景観に馴染むようにできている点も、成功している。こうした地域の資産になるような建築は、周辺にも伝播していくことだろう。
シーンズ京都賀茂川
【シーンズ京都賀茂川物件概要】
・所在地:京都府京都市北区小山東元町20番1
・総戸数:18戸
・敷地面積:452.08平方メートル (建築確認申請面積)
・構造・規模:鉄筋コンクリート造・地上5階建
・間取り:1LDK+S(納戸)~3LDK
・住居専有面積:50.99平方メートル ~78.70平方メートル
・竣工時期:2023年12月
・事業主:大阪ガス都市開発株式会社
・設計/監理:株式会社アクセス都市設計
・施工会社:株式会社中川工務店