1,074地域から選ばれたのは【市区町村部門】1位 長野県伊那市、2位 山口県萩市、3位 鹿児島県和泊町
移住・関係人口を促進するプラットフォームサービス「SMOUT」を運営する株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔、東証グロース3904、以下「カヤック」)は、移住希望者から興味・関心を集めている人気移住地域をランキング化した「SMOUT移住アワード2024上半期」を10月22日(火)に発表しました。
このランキングは、2024年9月30日時点で「SMOUT」に登録しているユーザー約6万1千人が、2024年度上半期(期間:2024年4月1日~2024年9月30日)に興味を示した地域の発信する情報(プロジェクト)に対し「興味ある」ボタンを押した合計数を集計して作成されています。
1,074地域から栄えあるTOP3に選ばれたのは、【市区町村部門】1位<3年連続!>長野県伊那市、2位 山口県萩市、3位 鹿児島県和泊町/【都道府県部門】1位 長野県、2位 滋賀県、3位【初】福井県、鹿児島県でした。
なお、今回は、2024年6月にサービス開始から6年目を迎えた「SMOUT」の実績と傾向も、一目でわかるインフォグラフィックにまとめて発表します。
2024年度上半期の地域発信情報(プロジェクト)トレンド
<ポイント>
1)労働力不足の解消に「地域横断型 マルチワーク求人」が登場!
2)仕事+家がセットで移住しやすい「住居付き求人」が人気ナンバーワン!
3)自治体や民間企業だけでなく、個人(移住者)の発信も目立つように
1)労働力不足の解消に「地域横断型 マルチワーク求人」が登場!
コロナ禍以降に表面化した全国の人手不足は増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。帝国データバンクが2024年10月4日に発表した調査(※1)によると、従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする「人手不足倒産」の件数は、2024年度上半期(4~9月)で163件に達しました。今期はこれまで過去最多だった2023年度上半期の135件を超え、年度としても、前年度比2.1倍と大幅に増加した313件を上回る記録的なペースで急増しています。その中で、事業者側は必要な時に人材が確保でき、働き手は空き時間にすぐに働けるという両者のニーズがマッチした「スポットワーク」「スキマバイト」と呼ばれる働き方が急速に浸透してきました。
一方、「SMOUT」では、季節ごとの労働需要に応じて事業者が働き手を共有でき、働き手は複数の仕事に携わることができる「マルチワーク」の募集が定番人気です。中でも注目すべきプロジェクトが、【市区町村部門】3位に選ばれた鹿児島県和泊町の
「全国の農家を渡り歩いてみませんか?産地間連携等推進事業の募集を開始します」(興味ある数:200人)。鹿児島県沖永良部島(和泊町・知名町)、北海道八雲町、京都府宮津市という気候や環境の異なる3地域が連携して、各地の農繁期に合わせて働き手を行き来させる事業です。各地域で1週間以上作業に従事するなどの参加条件を満たした参加者には、現地までの交通費上限10万円+滞在先の宿泊費上限10万円、最大で20万円までの交通費・宿泊費が補助されます。(諸条件あり)。農業といえばひとつの地域に根ざすイメージがありますが、旅するように地域を渡り歩きたい人たちを労働力として確保する、新たな一手が登場しました。産地間連携事業は農林水産省による農業労働力確保の支援事業で(※2)今後さらなる広がりが期待できます。
※1 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20241004hitode/
※2 農林水産省 補助事業「農業労働力 産地間連携等推進事業」について
・株式会社マイファーム 農業労働力確保支援事務局 WEBサイト
https://myfarm.co.jp/roudouryoku/r3_h/
2)仕事+家がセットで移住しやすい「住居付き求人」が人気ナンバーワン!
「SMOUT」に掲載しているプロジェクトには、地方自治体が発信する移住情報をはじめ、地域おこし協力隊や事業者の求人募集、セミナー・イベント・ツアーの参加者募集など、様々なタイプがあります。2024年度上半期に掲載した全プロジェクトの中で、最もユーザーの「興味ある数」を集めたプロジェクトは、【市区町村部門】で4位にランクインした静岡県南伊豆町の
「住宅付きお仕事のご案内! 南伊豆町まちの人事部よりお仕事の紹介を再開します!」(興味ある数:289人)でした。
このプロジェクトは「仕事」と「住居」をセットで提供して移住後の生活への不安を軽減することで、移住検討者の支持を多く集めました。プロジェクトの内容は、建設会社の事務職の正社員募集です。前述の帝国データバンクが発表した「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」によれば、建設業や物流業では人手不足が原因の倒産が特に顕著であることが報告されています(※1)。
一方で、「仕事」のみならず「暮らし」を提案することにより、多くの応募が集まるという新たな可能性が示されました。このような包括的なアプローチが、人材確保や地域活性化の鍵となるかもしれません。このプロジェクトを推進するのは、南伊豆町の「まちの人事部」です。「まちの人事部」は、厚生労働省による生涯現役地域づくり環境整備事業(※3)の取り組みとして、地域の事業者と求職者をつなぐ活動を行っています。
※3 厚生労働省「生涯現役地域づくり環境整備事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29812.html
3)自治体や民間企業だけでなく、個人(移住者)の発信も目立つように
「SMOUT」で情報を発信する地域のユーザーは地方自治体が主要ですが、2023年度の「SMOUT移住アワード」では、昨今の全国的な人手不足やアフターコロナのインバウンド市場回復を背景に、民間企業の求人ニーズが目立ちました(※4)。2024年度上半期も、奈良県天理市の
「【泊まれる古墳、この秋オープン!】管理人&料理人募集中。宿の立ち上げ経験してみませんか?」(興味ある数:195人)など、引き続き民間企業のプロジェクトが目に留まります。一方で、今回は新たに“個人”が発信するプロジェクトが登場しました。
【市区町村部門】3年連続で首位を独走する長野県伊那市の
「古民家で田舎暮らし体験!一緒に竹炭を作りませんか!?」(興味ある数:141人)は、個人の古民家のリノベーションを手伝いながら伊那市の暮らしを体験できるもの。プロジェクトの発信者と参加者の距離が非常に近いことや、発信者が伊那市に移住したきっかけの一つが、「SMOUT」のプロジェクトに参加したことなどが移住検討者の関心を集めました。また、【都道府県部門】で1位に輝いた長野県の
「自然と人が好きな人と蓼科をもっと素敵な場所にしたい!」(興味ある数:247人)も、「SMOUT」で移住したユーザーが、移住先の地域で発信する立場になったプロジェクトです。地域の情報を得るユーザーから地域を支えるユーザーへ、「SMOUT」を通して地域との向き合い方が変化する、移住の循環が生まれつつあります。
※4 「SMOUT移住アワード2023」(2024年4月24日発表)
https://lab.smout.jp/news/about-ijyu-award-202404
【市区町村部門】
1位 長野県伊那市
2022年・2023年度に続き、3年目も人気トップを独走する長野県伊那市!
・️短期滞在・宿泊無料で、伊那ならではのりんごやお花、自然栽培米などの農作業や、農業公園での体験補助、森林整備、松葉茶の生産加工など「仕事」と「暮らし」を体験できるふるさとワーキングホリデーが大人気
・️古民家をリノベーションするお手伝い求人が関心を集める
・️週24時間・副業可の集落支援員募集の求人が人気
<人気プロジェクト例>
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2-4週間!宿泊費無料!りんごの摘果 働きながら地域を知る!ふるさとワーホリ(興味ある数:187人)
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2-4週間!宿泊費無料 森の仕事!!働きながら地域を知る!ふるさとワーホリ!(興味ある数:168人)
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古民家で田舎暮らし体験!一緒に竹炭を作りませんか!?(興味ある数:141人)
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週24時間★副業可★9月~活動_集落支援員2名募集!森と学び シェアエコ (興味ある数:109人)
「古民家で田舎暮らし体験!一緒に竹炭を作りませんか!?」プロジェクト発信者の声
仁科育美さん(掲載期間:2024年6月~9月)
私は今年の3月末に伊那市に移住して、古民家に住んでいます。古民家をリノベーションするにあたって床下に竹炭を敷きたく、1人でせっせと毎日竹炭を作っていたのですが、「1人での竹炭作り、もう疲れたー!!!」と思い、SMOUTさんを通してお手伝いしてくれる方を募集してみました。するとなんと、沢山の方から「一緒に竹炭作りがしたい!」とご連絡をいただいて、そのご縁がありがたかったです。私にとっては「お手伝いをしてもらって嬉しい」という体験が、体験者さんたちにとっては「竹炭作りができて嬉しい」と思う体験になるということが、なんだかとても嬉しかったです。
参加者の方とは、竹を調達するところから、竹を切る、割る、ペール缶につめて燃やすまでの作業を一緒に行いました。また、「他にも手伝えることがあれば何でもやるよー!」と言ってくださる方が多くて、天井裏の掃除を手伝ってもらったり、土間コンクリートを作ったり、土壁を剥がしたりといろいろなお手伝いをして頂き大感謝でした。
来てくださった方は、古民家暮らしや田舎暮らしに興味がある方、リノベーションに興味がある方、自然が好きな方、伊那市に興味がある方、地球再生に興味がある方など、関心は人それぞれで、みなさんとお話するのがとても楽しかったです。
まだ伊那市に移住して6ヶ月ですが、自然に囲まれた土地で、時間の流れをゆっくりと感じることができる今の生活が大好きです。
毎日毎日「最高だなあ」と感じることができる伊那市に、ぜひ遊びに来てください。
2位 山口県萩市
2023年度の4位から、2位へランクアップ!
・️萩市の豊かな森林空間を活かして交流拠点の場をつくる新規事業の求人が人気
・️2泊3日で気軽にお試し移住。地域おこし協力隊の活動や暮らしを体験できるツアーが好評
・️移住者向けのUJIターン促進住宅の入居者募集に注目が集まる
<人気プロジェクト例>
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自然豊かなアウトドア施設で新たな事業を。森を、まちを盛上げていく仲間を募集!(興味ある数:83人)
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【地域おこし協力隊体験ツアー参加者募集】山口県萩市で2泊3日のおためし体験(興味ある数:54人)
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まずは賃貸で萩市へ移住してみませんか?【募集住宅は離島から山間部まであります!】(興味ある数:44人)
「\伝統的建造物で"お試し暮らし"できちゃいます!/」プロジェクト参加者の声
長渕ゆかりさん(参加期間:2024年8月~9月)
今年の8月末から1ヵ月、萩市の梅屋七兵衛さんの旧宅でお試し暮らしをさせて頂きました。歴史好き、特に幕末好きな私にとって、たくさんの史跡が残されている萩は長い間ずっと憧れの地でした。萩では文化財になっている歴史的建造物を有効活用する活動があり、今回の滞在先のお試し住宅も、幕末に活躍された武器商人、梅屋七兵衛さんの立派なお屋敷でした。こんなに素敵な空間に滞在させてもらえるなんて、光栄すぎて胸がいっぱいでした。武家屋敷といってもキッチンにはIHクッキングヒーター、トイレやお風呂もリノベーションされていて使い勝手がとてもよかったです。
お屋敷からホワイトビーチの美しい菊ヶ浜までは徒歩5分。日中も十分にキレイですが、夕日の美しさは必見です。お試し住宅には自転車もついているので、コンパクトな萩の街を回るにはとても便利でした。大好きな史跡探訪をして、実際に足を運んでみないと知り得なかった、ガイドさんからのお話は有益で本当に楽しかったです。今はどの史跡もたくさんの人の手によってピカピカに大切に保存されていますが、史跡のガイドさんの年齢は60歳以上の方々が大半なようです。これから先も同じように大切に守っていくためには、次世代の担い手が必要だなぁと、とても考えさせられました。
それから、市役所の方々はとても親切で丁寧で、小さな困りごとが発生した際も迅速に動いてくださいました。私は萩での観光やガイド職にとても興味があったので、実際に現役活動中の方々とお話しする機会を設けてもらい、本当に有意義でした。将来的にインバウンドの方々の文化体験ツアーなどもアテンドしたいと思っているのですが、ちょうどタイミングよく海外の方がいらっしゃって、アテンドに挑戦する機会をいただけて本当にありがたかったです。
萩市は、また何度でも訪れたいと思えるほど大好きな場所です。夏の萩も最高でしたが、5月には夏みかんの白い花が咲き誇り、萩中がその優しい香りに包まれるんだとか。
ぜひ皆さんも行ってみてください。
3位 鹿児島県和泊町
2023年度に初ランクインして以来、3位の座をキープ!
・️沖永良部島(和泊町・知名町)、北海道八雲町、京都府宮津市が連携して、各地の農繁期に人が行き来する”産地間連携事業”が大注目
・️最短3か月~お試し島暮らし。観光業、食料品製造業、福祉業など幅広いジャンルのマルチワークに挑戦できる求人が人気
・️移住者が、美しい海と島暮らしの魅力を語るインタビュー記事が好評
<人気プロジェクト例>
・
全国の農家を渡り歩いてみませんか?産地間連携等推進事業の募集を開始します(興味ある数:200人)
・
【求人情報】島 x マルチワークで理想の暮らし!(興味ある数:156人)
・
【海のある暮らし】に憧れて島に移住!(興味ある数:133人)
ここからは、4位から30位の市町村をご紹介します。
注目すべきは、長野県が30位以内に5市町もランクインしている点。1位の伊那市だけでなく、県全体で人気が高いことが分かります。【都道府県部門】で2位に着いた滋賀県も同様に、5市がランクインという強さを見せました。
4位~30位
【都道府県部門】
1位 長野県
2位 滋賀県
3位【初】福井県
3位 鹿児島県
『SMOUT移住アワード2024上半期』 概要
「SMOUT」ユーザーが地域の発信する情報に対し、期間中に「興味ある」を押した数を集計しランキング。
(全て2024年9月末日時点)
ひと目でわかる「SMOUT」の今
ここからは、2018年6月のサービス開始から2024年10月現在に至るまで、「SMOUT」が6年間で積み上げてきた実績と傾向を紹介します。(数字は2024年10月現在のものです)
1.累計登録地域数
登録地域の数は着実に伸びています。2020年8月の段階では424地域でしたが、4年間で約2.4倍に増え、2024年8月に1,000地域を達成しました。(10月現在:1,076地域)
2.累計登録ユーザー数
登録ユーザー数はコロナ禍をきっかけに急増。2020年2月時点では約1万人でしたが、4年半で6倍に増え、2024年8月には6万人まで伸びています。(10月現在、約6万2千人)
3.地域とユーザーがつながった数(双方向のやりとりがあったメッセージルームの数)
「SMOUT」では、地域がプロジェクトで情報を発信し、一般ユーザーがプロフィールを登録してプロジェクトに「興味がある」という意思を示すことで、地域からのスカウトを受けたり、メッセージルーム上でメッセージを送り合うことができます。これまで地域とユーザー間の双方向でメッセージのやりとりが行われた数は、累計56,562件になりました。
4.地域別・年代別ユーザーの割合
<地域別>
登録ユーザーの地域別(居住地)の割合は、関東在住者が33%と最も多く、次いで近畿地方が17%、中部地方16%。都市部を中心として全国にユーザーを抱える点が特徴です。
<年代別>
登録ユーザーの年代別の割合は、20代・30代・40代が24%で横並び、50代が19%、60代が7%となっています。コロナ禍をきっかけに30代、40代のユーザー割合が増えています。
5.ユーザーに人気の移住キーワード(タグ) トップ5
「SMOUT」のプロジェクトには、最大5つまで関連するキーワード(タグ)を設置することができます。また、ユーザー側も自分のプロフィールに「興味あること」のタグを設定することができます。2023年10月~2024年10月の1年間で、ユーザーが「興味あること」に選んだタグを集計した結果、人気トップ5は以下の結果になりました。
1位 空き家
2位 試住・暮らし体験
3位 宿泊・観光
4位 おひとりさま移住
5位 地域おこし協力隊
また、年代別に分類すると以下のようになっています。
<年代別 ユーザーに人気の移住キーワード(タグ)トップ3 >
6.災害ボランティアに参加したい人の数
「SMOUT」では、ユーザーのプロフィール設定で「災害ボランティアに参加したい」の欄にチェックを入れることで、ボランティアへの意思表示ができるようになっています。2024年10月時点で、6,078人のユーザーがこの意思表示を設定しています。
また、2024年1月に発生した能登半島地震を受けて「SMOUT」でも復興・再生を応援する声や支援に関するお問い合わせが多く、各種支援窓口の情報をまとめてご案内をしています。
・能登半島地震 支援窓口に関する情報
https://smout.jp/plans/15302