● 会社で過ごす時間で最も好きなのは「同僚・上司の雑談」、 苦手なのは「電話応対」● 無駄だと感じる仕事時間トップは「朝礼」。 「コピー・ファックス」「業務報告書作成」「電話応対」は業務効率化を希望?
シチズン時計(本社:東京都西東京市、社長:佐藤敏彦)は、全国の2024年春入社の新入社員400人を対象に、「社会人1年目の仕事と時間意識」調査を実施しました。
コロナ禍の影響を大きく受けて大学生活を過ごした今年の新入社員は、仕事に対してどのような価値観を持っているのでしょうか。入社から半年以上が過ぎた現時点での社会人としての意識を、2017年の同調査と比較しながら「時間」という切り口で探ってみました。
【調査概要】
◆期間:2024年10月11日~10月21日
◆方法:インターネットによる調査(インターネット調査会社を通じてサンプリング・集計)
◆対象:全国の2024年春入社の社会人(正社員)
サンプル数400人
[性別]男性200人、女性200人
[最終学歴]4年制大学373人、大学院・修士27人
※文中・表内の百分率(パーセント)の数値は、小数点第2位を四捨五入しています。
そのため、合計が100%にならない場合があります。
<<調査結果の要約>>
Q1.会社で過ごす時間の中で「好きな時間」「苦手な時間」を選択肢の中から2つ以内で
お答えください。
会社で過ごす時間で最も好きなのは「同僚・上司との雑談」(37.3%)。
苦手なのは「電話応対」(37.0%)。
Q2.「無駄だ」と感じる仕事時間はありますか?選択肢の中から3つ以内でお選びください。
無駄だと感じる仕事時間トップは 「朝礼」。
「コピー・ファックス」「業務報告書作成」「電話応対」は業務効率化を希望?
Q3.1日の勤務時間(残業を除く)のうち、集中して仕事ができる時間はどのくらいですか?
勤務時間の集中時間は4時間以上が7割近く(67.9%)。
Q4.仕事のパフォーマンスを最大化するために、時間を自由に決められるとしたら、
あなたの「理想の時間」はどのくらいですか?
通勤時間は“30分圏内”が理想。
1日の勤務時間は“7~8時間”、休憩は“1時間~1時間半”が理想。
会議時間は効率よく“30分以内”が半数近く(47.6%)。
仕事がある日は“6~7時間”寝たい人が6割。
Q5.職場に慣れてきたと感じたのは、勤め始めてどのくらい経ってからですか?
職場に慣れるまでの期間は、入社後3ヵ月以内が目安。
5人に1人は半年以上経っても「まだ慣れない」。
Q6.職場で失敗しても新入社員を理由に大目に見てくれたのは、勤め始めてからどのくらいまで
ですか?
半数近く(46.3%)が「いまだに新入社員扱い」で、失敗も大目に見てもらえる。
Q7.寝坊や二日酔い、勘違い、失念など自分の失敗で遅刻をしたことはありますか?
入社1年目の緊張感からか、遅刻をしていない人が大多数。
遅刻をしてもせいぜい5~10分、“1時間以上”の大遅刻は約5%。
Q8.終業後、上司や先輩との飲み会は1ヵ月にどのくらいありますか?
また、飲み会の回数として「ちょうどよい」と感じるのは1ヵ月にどのくらいですか?
Q8‘.1回の飲み会の平均時間はどのくらいですか?
また、1回の飲み会の時間として「ちょうどよい」と感じるのはどのくらいですか?
忘年会シーズン到来も、職場の飲みニケーションは控えめな姿勢。
上司や先輩との飲み会は「月1回、2時間程度」がちょうどよい。
◇会社で過ごす時間で最も好きなのは「同僚・上司との雑談」(37.3%)、 苦手なのは「電話応対」(37.0%)
Q1.会社で過ごす時間の中で「好きな時間」「苦手な時間」はありますか?選択肢の中から2つ以内で
お答えください。
新入社員の皆さんも日々の業務に少しずつ慣れ、得意なことや苦手なことが見えてきた頃ではないでしょうか。会社で過ごす時間の中で最も多く選ばれた「好きな時間」は「同僚・上司との雑談」(37.3%)で、次いで「資料作成」(20.0%)、「スケジュール管理」(15.0%)でした。未経験の業務や社会人としてのプレッシャーに直面しやすい新入社員にとって、職場での雑談が良い息抜きやコミュニケーションの場になっているようです。
一方、苦手な時間については、「電話応対」(37.0%)が最も多く、次いで「プレゼンテーション」(17.5%)、「社外の人との雑談」(13.0%)が続きました。新入社員世代は、物心ついた頃から携帯電話が普及しており、見知らぬ人からの電話に出たり、かけたりする機会が少なかったと考えられます。また、普段からSNSやメッセージアプリなど、テキスト中心のコミュニケーションに慣れているため、電話に対する苦手意識が特に強いのかもしれません。
◇無駄だと感じる仕事時間トップは「朝礼」◇「コピー・ファックス」「業務報告書作成」「電話応対」は業務効率化を希望?
Q2.「無駄だ」と感じる仕事時間はありますか。選択肢の中から3つ以内でお選びください。
「朝礼」が最も多く、23.5%が無駄だと感じていると回答しました。これは2017年の15.3%から大幅に増加しており、朝礼の必要性に対する意識が変化していることが伺えます。コロナ禍でテレワークや時差出勤を導入した企業が多く、社員が一堂に集まる機会が減ったことにより、朝礼の必要性を感じにくくなっているのかもしれません。
次いで「コピー・ファックス」(13.8%)や「業務報告書作成」(12.8%)が挙げられました。このことから、ペーパーレス化や生成AIの活用で業務を効率化したいということでしょうか。また、Q1で苦手意識が見受けられた「電話応対」(9.8%)も一定数の支持を集めました。
一方で、「無駄だと感じる時間はない」と回答した人は40.3%で、これは2017年の39.8%とほぼ同じ割合でした。
◇勤務時間の集中時間は4時間以上が7割近く(67.9%)
Q3.1日の勤務時間(残業を除く)のうち、集中して仕事ができる時間はどのくらいですか?
「4時間」が最も多く、20.3%を占めています。これは2017年の15.8%から増加しており、集中力を持続できる時間が長くなっていることが伺えます。「5時間」(17.5%)や「6時間」(14.0%)も多く、全体として“4時間以上”の集中時間を確保できている社員が多いようです。
一方で、「30分程度」(2.8%)や「1時間」(4.5%)といった短時間での集中は少数派です。
これらの結果から、今年の新入社員は比較的長い時間集中して仕事に取り組むことができていると考えられます。
◇通勤時間は“30分圏内”が理想◇1日の勤務時間は“7~8時間”、“1時間~1時間半”の休憩が理想◇会議時間は効率よく“30分以内”が半数近く(47.6%)◇仕事がある日は“6~7時間”寝たい人が6割
Q4.仕事のパフォーマンスを最大化するため に、時間を自由に決められるとしたら、あなたの
「理想の時間」はどのくらいですか?
通勤時間は「15分」(27.3%)が最も多く、「30分」(26.3%)と合わせて“30分圏内”が半数以上(53.6%)を占め、短い通勤時間を望む傾向が強いことが分かります。
1日の勤務時間は「8時間」(40.5%)が最多で、次いで「7時間」(18.8%)が続きました。働き方が多様化する中でも、現実との隔たりは意外と少ないようです。
休憩時間は、「1時間」(63.3%)が圧倒的に多く、「1時間半」(16.0%)も一定の支持を得ています。仕事のパフォーマンスを高めるには、もう少し休憩時間が欲しいと感じているようです。
会議時間は、「30分」(28.8%)と「1時間」(28.0%)が多く、効率的な会議を求める傾向が強いことが分かります。「15分」(18.8%)も支持されており、“30分以内”の短時間での会議を好む人が半数近く(47.6%)に達しました。
仕事がある日の理想の睡眠時間は、「7時間」(38.3%)が最多で、次いで「6時間」(23.3%)や「8時間」(20.3%)が続く結果となりました。パフォーマンスを最大限に発揮するには、十分な睡眠を確保したいという意識が強いことが分かります。
全体として、今年の新入社員は、短い通勤時間や適切な勤務時間、十分な休憩時間を求めていることが分かりました。また、会議時間も効率化を求めるなど、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する姿勢が伺えます。
◇職場に慣れるまでの期間は、入社後3ヵ月以内が目安◇5人に1人は半年以上経っても「まだ慣れない」
Q5.職場に慣れてきたと感じたのは、勤め始めてどのくらい経ってからですか?
「約3ヵ月」と回答した人が最も多く、21.5%を占めます。これは2017年の21.0%とほぼ同じ割合で、職場に慣れるまでの時間に大きな変化はないようです。
また、「約2ヵ月」(16.8%)や「約1ヵ月」(16.0%)といった短い期間で慣れたと感じる人も多く、全体の62.9%が“3ヵ月以内”に職場に慣れたと回答しました。
一方で、「まだ慣れない」と感じている人は20.0%おり、これは2017年と同じ割合で、新たな環境に慣れるまでの時間には個人差が大きいことが伺えます。
◇半数近く(46.3%)が「いまだに新入社員扱い」で、失敗も大目に見て もらえる
Q6.職場で失敗しても「新入社員」を理由に大目に見てくれたのは、勤め始めてからどのくらいまで
ですか?
いまだに新入社員扱い」と感じている人は46.3%で、2017年の48.3%とほぼ同水準です。一方で、最初から「新入社員扱いはない」と感じている人は3.3%とごく少数で、新入社員として一定期間は失敗を許容される環境があることが分かります。
具体的な期間の選択肢では、失敗を大目に見てもらえたのは入社から“3ヵ月まで”という人が35.7%(前回37.2%)、“1ヵ月まで”が14.9%(前回19.4%)で、いずれも2017年と比べて減少しています。
このことから、職場でも新入社員に対して、少し気長に成長を見守ろうという傾向が強くなっていると言えるかもしれません。
◇入社1年目の緊張感からか、遅刻をしていない人が大多数◇遅刻をしてもせいぜい5~10分、“1時間以上”の大遅刻は約5%
Q7.寝坊や二日酔い、勘違い、予定を忘れたなど自分の失敗で遅刻をしたことはありますか?
「始業時間」「外出先での待ち合わせ」の2つのケースについて、最も遅刻した時間をお答えくだ
さい。
※遅刻をしたことがない場合は「ない」を選択。交通機関の遅れなど、自分の失敗でない場合は除く
1. 「始業時間」
遅刻をしたことが「ある」と回答した人は22.0%で、そのうち最も多い遅刻時間は「5分」(5.3%)でした。30分以上の遅刻をした人は少数派で、“1時間以上”の大遅刻は5.7%にとどまります。
一方、「ない」と回答した人は78.0%で、大多数が遅刻をしていないことが分かります。
2.「外出先での待ち合わせ」
外出先で遅刻をしたことが「ある」と回答した人は23.0%でした。最も多い遅刻時間は「10分」(6.8%)で、こちらも短時間の遅刻が多い傾向が見られます。
「ない」と回答した人は77.0%で、外出先での待ち合わせにおいても遅刻をしていない人が多いことが分かります。
全体として、今年の新入社員は、遅刻をしていない人が大多数を占めていました。遅刻をした場合も、「5分」「10分」といった短い遅刻が一般的です。入社1年目の緊張感も影響し、時間管理に対する意識が高く、遅刻をしない努力をしていることが伺えます。
◇忘年会シーズン到来も、職場の飲みニケーションは控えめな姿勢◇上司や先輩との飲み会は「月1回、2時間程度」がちょうどよい
Q8.終業後、上司や先輩との飲み会は1ヵ月にどのくらいありますか? また、飲み会の頻度として
「ちょうどよい」と感じるのは1ヵ月にどのくらいですか?
これから忘年会シーズンが始まりますが、今どきの新入社員は職場の上司や先輩とどのくらい飲みニケ―ションを取っているのでしょうか。
1. 実際の飲み会頻度
飲み会が「ある」と回答した人は56.5%で、頻度は月に「1回」が最も多く31.5%を占めています。また、「ない」と回答した人も43.5%に達しており、最近の飲み会事情では、4人に3人(75.0%)が「ない」もしくはあっても「1回」であることが分かります。
2017年と比較すると、飲み会が「ない」と回答した割合はわずかに増加し、コロナ禍を経て飲み会の頻度が減少している傾向が見受けられました。
2. ちょうどよいと感じる理想の飲み会頻度
最も多い理想の飲み会頻度は「1回」(40.3%)でした。これは2017年と同じ割合であり、理想的な飲み会頻度に対する意識は変わっていないことが示さています。
次いで、「2回」(11.5%)、「3回」(4.5%)と続きますが、月に4回以上を望む人は少数派のようです。
全体として、今年の新入社員は上司や先輩との飲み会に対して控えめな姿勢を取り、月に1回程度の飲み会がちょうどよいと感じているようです。
Q8‘.1回の飲み会の平均時間はどのくらいですか? また、1回の飲み会の時間として「ちょうどよ
い」と感じるのはどのくらいですか?
1. 実際の飲み会時間
前の設問で月に1回以上飲み会が「ある」と回答した226人に、1回あたりの飲み会時間を尋ねたところ、「2時間」が最も多く31.0%を占めました。これは2017年の31.6%とほぼ同じ割合です。
また、「3時間」も21.7%と高い割合を示しており、全体の71.7%が“2~3時間”の飲み会を行っていることが分かります。
2. ちょうどよいと感じる理想の飲み会時間
新入社員が「ちょうどよい」と感じる飲み会の時間は、「2時間」が最も多く42.0%を占めています。2017年の44.4%と比較しても、ほぼ同様の傾向が見られます。
また、「1時間半」(15.9%)や「3時間」(13.7%)も一定の支持を得ており、2時間を中心に幅広い時間帯が理想とされています。
全体として、今年の新入社員は上司や先輩との飲み会に対して、2時間程度がちょうどよいと感じており、実際の飲み会の時間もこの傾向に沿っています。飲み会の時間に対する意識は、コロナ禍前の2017年と大きく変わっていないことが示されました。
以上