STマイクロエレクトロニクス、車載用マイコン向けの設定可能なパワー・マネージメントICを発表

2024/12/25  STマイクロエレクトロニクス 

汎用アプリケーションおよび車両全体の機能安全に最適




STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、車載用マイクロコントローラ(マイコン)「Stellar」などの高集積プロセッサ向けに柔軟性のあるパワー・マネージメントIC(PMIC)「SPSB100」を発表しました。本製品は、起動シーケンスをプログラムして、出力電圧 / 電流範囲をシステム要件に合わせて微調整することができます。SPSB100は、ゾーン制御ユニット(ZCU)や、車両制御プラットフォーム(VCP)、ボディ制御モジュール(BCM)、ゲートウェイ・モジュールなど、車両全体で使用できます。

3つのスイッチング降圧コンバータと2つのリニア・レギュレータ(LDO)を搭載したSPSB100は、システム・マイコンに必要な電圧レールを供給し、外部ペリフェラル負荷およびセンサへの給電が可能です。また、2つのウェイクアップ入力と先進的なフェールセーフ機能を備えています。内蔵のブースト・コントローラが、コールド・クランク・パルス、スタート / ストップ操作、バッテリ残量低下などのトランジェント時に電力を安定させます。

SPSB100のすべての降圧コンバータには安全機能として過電流検出および電流制限機能を備えており、内蔵のソフト・スタート回路によって過剰な突入電流を防止します。2つの降圧コンバータは、選択可能な出力電圧(3.3V、5V、または6.5V)で最大3Aの出力電流を供給できます。3つ目の降圧コンバータは、3.3V、1.25V、1.2V、1.1V、または0.98Vで最大6Aを供給します。LDOのうち、一つのLDOは5Vの固定出力電圧を備え、2%の精度で最大120mAを供給します。もう一方のLDOは3.3Vまたは5Vで任意の降圧コンバータをトラッキングするように設定できます。ハイサイド・ドライバも1つ搭載されており、オープン負荷および過電流の診断が可能です。

さらに、出力電圧値と起動シーケンスを格納する不揮発性メモリ(NVM)を内蔵しています。SPIポートが動作設定および制御と診断に対応しているため、さまざまな電源電圧レールとペリフェラルが必要な多数の電子プラットフォームでSPSB100を使用できます。SPSB100は、静止電流を40µA未満に抑えるディープ・スリープ・モードを搭載しています。また、通信障害やマイコン・リセット・ジェネレータ、過熱警告 / 保護向けの専用の割込みピンも備えています。ISO 26262機能安全規格に準拠してASIL(自動車用安全度水準)要件を満たす必要のあるアプリケーション向けに、ドキュメントが提供されています。

SPSB100は完全に設定可能ですが、事前に設定された構成が2種類用意されており、コアに電力を直接供給する「SPSB100B」と、マイコンの内部スイッチング電源に給電する「SPSB100P」のいずれかを選択できます。

SPSB100(AEC-Q100準拠)は現在入手可能で、VFQFN56パッケージ(8 x 8mm)で提供されます。単価は1000個購入時に約2.40ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。

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