創立147年の伝統校で、3D技術が開く「視覚障害教育」の新たな可能性
ハードコンタクトレンズの研究・開発・製造・販売を手掛ける株式会社サンコンタクトレンズ(本社:京都市下京区、代表取締役社長:笹川 泰弘)は、2025年11月17日(月)、日本最初の盲学校である京都府立盲学校(京都市北区)へ、教育支援の一環として3Dプリンターを寄贈いたしました。
視覚障がいのある児童生徒にとって重要な情報収集手段である
「触察(しょくさつ)」の教材制作を支援し、教育のユニバーサルデザイン化を推進します。

寄贈式の様子/株式会社サンコンタクトレンズ 代表取締役社長 笹川泰弘(左)と京都府立盲学校 校長 田渕茂彦様(右)
視覚に障がいのある児童生徒にとって、指先で物に触れて形や大きさを確かめる「触察」は、学習における生命線です。
点図や言葉での説明だけではイメージしにくい形状や空間の広がりも、
立体物に触れることで具体的に理解することができます。
今回寄贈した3Dプリンター「製品名:FLASHFORGE Adventurer 5M Pro」は、デジタルデータから迅速かつ精密に立体物を造形できるデスクトップ型3Dプリンターです。
学校現場で扱いやすいサイズでありながら、教材づくりに必要な造形品質を備えています。
※下記制作物は、3Dプリンターで制作した触察教材のイメージであり、本画像はAIツール(ChatGPT)で生成したものです。

花の構造・DNAモデル・骨格・魚・貝殻・花

カマキリとクワガタ
従来は入手が難しかった、あるいは再現が困難だった教材についても、3Dプリンターを活用することで、触れて学ぶ事ができます。
明治11年(1878年)に「京都盲唖院」として設立された、日本最初の盲学校です。

視覚障がい教育のパイオニアとして、子どもたちが次の時代を幸せに生きていけるよう、創意工夫に富んだ教育活動を展開しています。

京都府立盲学校 高等部の校門の様子
1971年の創業以来、眼科医療と連携しながら、一人ひとりの角膜形状に合わせたカスタムメイドのハードコンタクトレンズの研究・開発・製造・販売を行ってきました。

また、子どもたちの芸術・文化体験を支援する「こころの劇場」京都公演への協賛や、障がいのあるアーティストの活動支援など、
CSR・SDGsの観点からも地域社会とともに歩む企業活動を続けています。
今回の3Dプリンター寄贈も、こうした取り組みの一環として、視覚に障がいのある子どもたちの学びの機会を広げることを目的として実施したものです。
本寄贈により、3Dプリンターを活用した触察教材の試作・活用が本格的にスタートします。
・授業内容に応じたオリジナル教材の制作
・児童生徒のアイデアを形にする探究的な学習活動
・将来的には、他の視覚特別支援学校や地域の学校との教材データ共有や共同研究
などを通じて、「触れる学び」がいっそう広がっていくことが期待されます。
サンコンタクトレンズも、教育現場の先生方のお声を伺いながら、できるところから少しずつ、視覚障がいのある子どもたちの学びと成長を応援していきます。