テンセントゲームズ「VISVISE」、業界初となるエンドツーエンドの3Dキャラクターアニメーションパイプラインを発表

2025/12/18  株式会社 PR TIMES 

テンセントゲームズは、 12月15日(月)から18日(木)まで香港で開催されたSIGGRAPH Asiaに参加し、次世代AIアニメーション制作システム「VISVISE」を基盤とする業界初となるエンドツーエンドの3Dキャラクターアニメーションパイプラインを発表しました。今回新たに導入されたこのパイプラインは、リギング、スキニング、アニメーション生成を単一の統合されたAI駆動の制作ワークフローに集約しており、制作効率と出力品質の両面において大幅に向上させることが期待されます。

■業界初、AI搭載のエンドツーエンド3Dキャラクターアニメーションパイプライン
VISVISEは今年初め、gamescom 2025にて一般公開され、アニメーション制作において最も時間を要する準備段階を効率化する自動化技術で広く注目を集めました。そして今回、世界最大であり最も影響力のあるコンピュータグラフィックスのカンファレンスの一つであるSIGGRAPH Asia 2025において、VISVISEはその技術を3Dキャラクターアニメーション制作の全工程を網羅する「完全なエンドツーエンドAIソリューション」へと進化させ、技術開発の次なるステージを明確に示しました。



イベント期間中、VISVISEはブースにてライブデモを実施。多くのゲーム開発者や業界の専門家が技術交流や体験のためにブースを訪れました。来場者からは高い評価が寄せられ、あるシニアテクニカルアーティストは「この効率化の飛躍は革新的です。これまで数日かかっていた作業が数分で完了し、我々のパイプラインにシームレスに統合できます」と述べました。また、別のアニメーションディレクターは「ワークフローが合理化されたことにより、アーティストはツールと直感的かつ直接的に関わることができます。その結果プロフェッショナルな成果物がこれまで以上に身近なものになりました」とコメントしています。




■テンセントワークショップで発表されたVISVISEの主要技術
ブースでのデモンストレーションに加え、12月16日に開催されたテンセント主催の「ニューラルグラフィックスと生成AI」ワークショップでは、VISVISEのプリンシパルAIリサーチャーであるZijiao Zeng氏が「ジオメトリに命を吹き込む:3Dキャラクターアニメーションのための統合生成パイプライン」と題した講演を行いました。同氏はVISVISEのコア技術の最新イテレーションを解説し、業界初となる大規模スケルトン生成モデル「VISVISE SkeletonGen V1.0」を紹介しました。このモデルは幅広いキャラクタータイプのリグ(骨組み)を生成できるほか、スカートや髪の揺れを表現するための補助骨(物理スケルトン)の自動作成にも対応しています。

続いてZeng氏は、新しい「VISVISE Skinning Model V4.5」を発表しました。これは、プライマリスケルトンおよび物理スケルトンの両方で、ワンクリックAIスキニングで90パーセント以上の自動化率を達成するものです。人型、四足歩行、銃器、モンスター、その他複雑なアセットのスキニングに対応しており、異なるコンテンツタイプ間での強力な汎用性を実証しました。

さらにZeng氏は、VISVISEの3Dアニメーション生成機能についても紹介しました。チームが「大規模な制作実務に対応可能な初の3Dアニメーション生成モデル」と位置づける、新しい「MotionGen Beta」モデルの展開を開始しています。MotionGen Alphaと比較して、Beta版ではフットスライディング(足の滑り)、ジッター(微細なブレ)、歪みといった問題を6分の1にまで低減しつつ、業界トップクラスのベンチマークに匹敵する品質のモーション生成を実現しています。このアニメーションシステムは、3つのコアAIツールによってエンドツーエンドのインテリジェントなアニメーションワークフローを形成しており、従来の手付けアニメーション制作の効率を大幅に向上させます。




次世代クロスエンジン・ライティングソリューション「MagicDawn」をローンチ
同ワークショップでは、テンセントゲームズが開発した業界初のクロスエンジン・ライティングソリューション「MagicDawn」も公開されました。「ゲームにおけるレンダリング技術の最前線と実践- 視聴覚の境界を打ち破り、次世代のインタラクティブ体験を創る」と題したセッションでは、レンダリングR&D責任者のChao Li氏がチームの最新のブレークスルーについて詳細に語りました。




セッションでは、Li氏は大規模オープンワールド向けのテンセントゲームズのクロスプラットフォーム・グローバルイルミネーション(GI)技術を紹介し、5つの核心的な課題(実行時のパフォーマンス、映像の忠実度、パッケージサイズ、動的GIへの適応、全体的な制作効率)に対する解決策を詳述しました。また、AIレンダリングにおける新しいNDGIソリューションも紹介し、ハイエンドGPUに依存することなく、従来の技術よりも大幅に高品質な動的GIを実現できることが示されました。さらに、AIアクセラレーテッド・レイトレーシングから得られた知見を活かし、空間オーディオ研究における最近の進展についても共有されました。同様のハイブリッドAIとレイトレーシングのパイプラインを適用することで、よりリアルで物理に基づいた3D音響空間の構築が可能になります。

数十年にわたるゲーム開発の経験を基盤として、テンセントゲームズは今後も先駆的なAI技術を進化させ続け、ゲームクリエイターがより質の高い革新的なゲームを開発できるよう支援を行い、よりイノベーティブで持続可能な世界のゲームエコシステムの育成に貢献していきます。

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