世界初となる「カーボン・キャプチャー&ストレージ・ボンド」への投資について

2025/12/22  第一生命ホールディングス 株式会社 

~欧州最大の港湾におけるCO2回収・貯留プロジェクトを支援~

第一生命保険株式会社
 第一生命保険株式会社(代表取締役社長:隅野俊亮、以下「当社」)は、Havenbedrijf Rotterdam N.V.(以下「ロッテルダム港湾公社」)が発行するカーボン・キャプチャー&ストレージ・ボンドに約47億円投資しましたので、お知らせします。本債券は、資金使途をCO2の回収・貯留(カーボン・キャプチャー&ストレージ、以下「CCS」)に限定した世界初の社債です。発行にあたり、ロッテルダム港湾公社、当社、HSBC証券が協議を重ね、当社が最大の投資家となっています。

 ロッテルダム港は、欧州最大の物流ハブであり、化学・石油化学・物流等の産業施設が集積しています。その港湾の管理・運営・開発を担うロッテルダム港湾公社は、脱炭素化を進めることが港湾の競争力強化にもつながるとの考えのもと、カーボン・ニュートラルな港の実現に向けて幅広い取組みを実施しています。

 本債券により調達された資金は、ロッテルダム港湾公社が合弁パートナーと共同で推進するCCSプロジェクト「Porthos」に充当されます。本プロジェクトは、北海の枯渇ガス田[1]に、ロッテルダム港に拠点を置く企業から排出されたCO2を恒久的に貯留するための回収・輸送インフラを構築するもので、ブルー水素[2]製造や、化学・石油精製などの産業由来で排出されたCO2を対象とし、年間250万トンのCO2を15年間にわたり回収し恒久的に貯留する計画です。また、本プロジェクトは複数の企業が共同で利用できるオープンアクセス方式を採用しており、特定企業の専用ではなく産業全体で活用できる共通インフラとして整備される点が特徴です。

 CCSは、CO2を大気に排出せず回収し地中に貯留することでCO2排出量削減に直接貢献する革新的な技術で、CO2排出量を大幅に削減することが困難な産業に対しても有用な手法として注目されています。2050年のネットゼロ実現に重要な役割を果たすことが期待されており、EUでは2030年までに年間5,000万トンのCO2を貯留するという目標を掲げています。

 第一生命グループは、2030年に目指す社会の実現に向け、事業を通じて取り組むべき重要課題をコア・マテリアリティ[3]として定めています。当社は本投資を、4つのコア・マテリアリティのうち「Green Leadership(環境課題への戦略的対応)」につながる取組みとして、安定的な運用収益を期待するとともに、ロッテルダム港湾公社の脱炭素化に向けた取組みを資金面からサポートし、その進捗状況を継続的にモニタリングしていきます。

 当社は、今後も引き続き運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、サステナブル投融資に積極的に取り組んでいきます。


[1] 採取が進み、天然ガスが採れなくなったガス田
[2] 天然ガスなどの化石燃料を原料として製造される水素で、その過程で発生するCO2を回収・貯留するなどして排出を抑制したもの
[3] 第一生命グループのコア・マテリアリティについてはこちらをご覧ください
https://www.dai-ichi-life-hd.com/sustainability/important/status.html


写真提供:Porthos

 ロッテルダム港湾公社のCFO、ヴィヴィエンヌ・デ・レウ氏は以下のように述べています。
 「当社の投資の多くは、「Porthos」CO2輸送・貯留プロジェクトにおけるCO2パイプラインインフラの建設など、CO2排出量の直接的な削減に寄与しています。当社と第一生命との協働により、こうした脱炭素化プロジェクトの実現と、将来を見据えた港湾の構築が可能になります。」

【本債券の概要】



第一生命保険株式会社
所在地 :東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命日比谷ファースト
設立  :1902年9月15日
代表者 :隅野 俊亮
URL  :https://www.dai-ichi-life.co.jp/
Brand Message:一生涯のパートナー「お客さま第一主義」

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