千葉大学(プロジェクト参加者:大学院医学研究院 川上 英良 教授)が参画している、山梨大学を代表機関(プロジェクトリーダー:大学院総合研究部 大岡 忠生 准教授)として提案したプロジェクト
「オミックス・IoT・AIで健康と社会を最適化する山梨ヘルスケア・セントラルシティ未来共創拠点」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募した「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)未来共創分野(フェーズ1)」に採択されましたことをお知らせいたします。
本プログラムは、大学等のうち地域大学等を中心とし、若手研究者をプロジェクトリーダーとするチームによって、ステークホルダーとの議論等を通じて地域の社会課題を見極め、当該社会課題の解決に寄与するグローバル水準の研究成果の創出と将来の自立的・持続的な産学官共創拠点の形成を目指すもので、49件の申請応募中3件が採択されました。
■プロジェクト実施概要
1.拠点名称
オミックス・IoT・AIで健康と社会を最適化する
山梨ヘルスケア・セントラルシティ未来共創拠点
2.プロジェクトリーダー
大岡 忠生 山梨大学大学院総合研究部医学域 社会医学講座 准教授
株式会社Taomics(山梨大学発ベンチャー企業) 代表取締役
3.副プロジェクトリーダー(3名)
赤岡 重人 山梨県中央市 副市長
金子 真吾 株式会社はくばく 市場戦略本部 開発部 部長
三友 周太 シミックホールディングス株式会社 Consulting and Navigation Unit. Principal
4.代表機関
山梨大学
5.拠点運営機構 設置責任者
市川 満 山梨大学 理事・副学長
6.幹事自治体
山梨県、山梨県中央市
7.幹事機関
株式会社Taomics、株式会社はくばく、シミックホールディングス株式会社、
公益財団法人山梨総合研究所
8.参画機関
(1)大学等:
東京大学、東北大学、千葉大学、東京科学大学、九州大学、福島県立医科大学、
奈良女子大学、ハーバード大学、スタンフォード大学
(2)企業等:
グーグル合同会社、株式会社電通、大塚製薬株式会社、株式会社JTB、
積水ハウス株式会社、株式会社東急、サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ、株式会社クスリのサンロード、株式会社日医工山梨
9.プロジェクト概要
別紙のとおり
10.プロジェクトが目指す将来像
本プロジェクトでは、山梨県中央市を中心に、オミックス情報(注1)・IoT(注2)・AIを組み合わせた世界最大級の健康データ基盤を築き、地域の皆さまとともに「病気にならない街づくり」を進めていきます。これまで山梨大学が培ってきた山梨マルチオミックスコホート研究(注3)を地域に実装して発展させることで、住民の皆さまが自分の健康情報を日常の行動に活かし、主体的に健康をデザインできる社会インフラを整備していきます。この仕組みが整うことで、住民の皆さまの負担なく健康情報が自動的に蓄積され、地域全体での生活習慣病予防や早期介入を支援する基盤が構築されます。結果として医療費の抑制や新産業の創出、生産性の向上につながり、地域経済そのものの持続的な発展が期待されます。
また、大学・地域企業・自治体が一体となって、「住民主体で健康を守る山梨モデル」を全国、そして世界へ発信し、他地域への展開も進めていきます。将来的には、品川駅から約20分でアクセス可能となるリニア新幹線・山梨新駅の周辺に、研究・産業・住民生活が有機的につながる「未来のヘルスケア拠点」を形成し、世界に開かれた健康都市として成長していくことを目指します。
本プロジェクトにて千葉大学は、多様なオミックス情報を統合的に扱うための解析技術の開発、社会実装に向けてのシステム構築等を担当します。住民が主体的に健康を育み、地域の未来をつくる「ヘルスケア・セントラルシティ」を創出し、日本発の新しい予防医療モデルと次世代型の健康産業を世界に向けて発信していきます。
■
用語解説
注1)オミックス情報:遺伝子(ゲノム)、体内のたんぱく質(プロテオーム)、代謝物(メタボローム)など、体の状態を総合的に理解するための「分子情報のセット」を指す。血液などの検査から何千~何万もの項目を一度に測定し、病気のリスクや体質、体の変化を通常の血液検査よりも詳しく知ることができる。
注2)IoT (Internet of Things):スマートウォッチや健康家電、センサーなど、身の回りのさまざまな機器がインターネットにつながり、データを自動的に記録・蓄積する仕組みのこと。例えば、歩数・心拍・睡眠などのデータが自動的に集まり、健康管理に活かせるようになる。
注3)山梨マルチオミックスコホート研究:山梨大学医学部社会医学講座の大岡忠生准教授が中心となって実施している、大規模な健康調査研究。住民の方々から遺伝子・たんぱく質・代謝物などのオミックスデータに加え、生活習慣やIoTデータも組み合わせて収集し、AIを活用することで病気の予防や健康づくりに役立つ新しい知見を生み出すことを目的としている。
■
参考資料
【JSTホームページ】
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1815/index.html

別紙:プロジェクト概要