コロナ禍を経て、シニア層の健康意識・行動が大きく改善　NTTドコモ「からだデータ白書2025」公開　50～60代の歩数は5年で約20％増加し、フレイル予防にも

　株式会社NTTドコモ（以下、ドコモ）は、健康管理・増進アプリ「dヘルスケア」利用者のデータを分析した最新レポート「からだデータ白書2025」を公開しました。
　調査の結果、50～60代の平均歩数が2020年比で約20％増加し、コロナ禍を経てシニア層の健康意識・行動の両面で大きな改善が見られました。また、無料版ユーザーでもアプリを使い始めることで健康意識が高まり、日々の行動が習慣化する傾向が確認されています。
（dヘルスケア からだデータ白書2025：https://health.docomo.ne.jp/lp/whitepaper2025)

【調査結果サマリ】
１.50～60代の平均歩数が5年で約20％増加
２.年代・地域別では30代と東京都の平均歩数が最多
３.健康管理アプリ「dヘルスケア」の無料版ユーザーも歩数アップ

【調査概要】

１.50～60代の平均歩数が5年で約20％増加
　2025年の分析では、50代・60代の平均歩数がいずれも2020年比で約20％増加。
　50代は4,891歩から5,904歩（＋20.7％）、60代は4,556歩から5,500歩（＋20.7％）と、いずれの世代も大幅な上昇が確認されました。この結果は、コロナ禍による外出制限やリモートワークの定着を経て、「歩くこと」を改めて生活の一部として取り戻す動きが広がったことを示しています。

　特にシニア層では、健康への不安や体力低下への意識が行動変化のきっかけとなり、アプリを通じた歩数記録や日々の小さな目標設定が習慣化している傾向が見られます。コロナ前後で「健康を意識する」段階から「日常生活で実践する」段階へと進んだことで、「健康行動を自分ごととして継続する世代」へと変化した様子がうかがえます。



２.年代・地域別では30代と東京都の平均歩数が最多
　年代別では30代が6,145歩で最多となり、働き盛り世代が健康行動を生活の中に取り入れる傾向がみられました。リモートワークやハイブリッド勤務の定着により、以前に比べて通勤・移動のパターンが多様化する中、通勤時間やすきま時間を活用して意識的に歩く習慣が根づき始めていると考えられます。



　地域別では、東京都が6,056歩で最も高い結果に。都心部では交通インフラが発達している一方で、日常の移動距離が長く、通勤・買い物・余暇などの行動機会の中で自然と歩数が増える傾向が見られます。また、ウォーキングやランニングを日課にする層が多く、「健康意識の高さ」と「都市型ライフスタイル」が両立していることも、今回の結果を後押ししたと考えられます。



３.健康管理アプリ（dヘルスケア）の無料版ユーザーも歩数アップ
「dヘルスケア」では、有料・無料いずれのユーザーも歩数が増加傾向にあります。2025年のデータでは、有料版ユーザーが平均6,099歩、無料版ユーザーが5,251歩と、いずれも前回調査を上回り、無料版ユーザーでも歩数増加が見られました。
　無料版ユーザーでもアプリを使い始めることで健康意識が高まり、日々の歩数記録を通じて行動が習慣化する傾向がうかがえます。また、自身のデータを見える化する仕組みが、日々の小さな達成感を生み、継続の動機づけとなっていると考えられます。



【調査結果を受けて石井 洋介医師からのコメント】
■歩く価値を改めて考える
　今回の白書によると、dヘルスケア利用者の平均歩数は20代以下6,126歩、30代6,145歩で、40代以降は減少します。男性の平均は6,241歩で女性の4,617歩を上回り、有料ユーザーは無料ユーザーよりも約847歩多く歩いていました。前回調査時より利用者の歩数が着実に増加していることは、歩数を記録すること自体が行動変容につながることを示しています。
　最新の疫学研究では、歩数が健康に与える影響が定量的に示されています。英国のUKバイオバンクのデータを用いた前向きコホート研究では、1日2,200歩の最低活動群と比べ、9,000～10,500歩歩く群では死亡率が31～39％低下しました。また、全脂肪率や心血管疾患の発症リスクに対する最低効果量は4,000～4,500歩であり、2,200歩をわずかに上回る程度でも死亡リスクが減少しました。つまり、「たくさん歩くほど良い」が基本ですが、数千歩増やすだけでも健康効果が出ることが分かります。歩数はメンタルヘルスにも影響します。2024年に発表されたメタ解析では、1日7,000歩以上歩く人は10,000歩未満の人に比べてうつ病リスクが31％低く、1,000歩増えるごとにリスクが約9％低下することが報告されました。
　こうしたエビデンスは、「1万歩でなければ意味がない」というわけではなく、今日より500歩でも1,000歩でも多く歩けば体にも心にも良い効果が期待でき、誰もが自分のペースで健康を作れることを示しています。白書で示されたように、有料ユーザーは無料ユーザーよりも多く歩いています。データを意識して継続的に歩くことが、更に歩数を増やすという行動変容を促し、健康的な日々につながることが示唆されています。

出展）
1）MN Ahmadi,et al.Br J Sports Med. 2024;58:261-8.
2）B Bizzozero-Peroni, et al.JAMA Netw Open. 2024;7:e2451208.


■デジタルヘルスは行動変容を支える
　私は医師として診療に携わるとともに、デジタルハリウッド大学大学院特任助教や高知大学デジタルヘルス学特任准教授として、ゲームや動画を使って楽しみながら健康を学ぶ仕組みづくりに取り組んでいます。「dヘルスケア」のような歩数を中心とした、健康管理アプリは、日々の行動を数字で「見える化」し、モチベーションを高めることが出来るツールです。今回の白書から、アプリからの継続的なフィードバックが行動に影響している可能性を感じました。PHR（Personal Health Record）とも言われますが、歩数や体重、血圧などのデータを定期的に記録することで、自分の小さな変化に気づきやすくなり、更には医療情報などとも連携出来るようになることで、疾患に対しても早期に対策を取ることができる日が近づいてきていると感じる内容でした。

【石井 洋介医師プロフィール】


石井　洋介（いしい　ようすけ）高知大学卒。高知県の近森病院で初期研修後、横浜市立市民病院外科へ。IBD科医師として3年間勤務した後、厚生労働省医系技官を経て、現在はおうちの診療所中野院長、株式会社omniheal代表取締役、株式会社エンタケア研究所代表取締役、日本うんこ学会会長、高知大学デジタルヘルス学講座特任准教授、デジタルハリウッド大学大学院特任助教、東京慈恵会医科大学臨床講師（家庭医実習）。
令和6年度老人保健健康増進等事業「ICT・AIを用いた要介護認定審査のあり方に関する調査研究」検討委員会委員。日本在宅医療連合学会評議員（社員）。日本褥瘡学会・在宅ケア推進協会評議員。中野区介護認定審査会委員。



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【調査概要】
調査タイトル：からだデータ白書
調査方法：「dヘルスケア」ユーザーの「歩数」「体重」「BMI」「血圧」の集計・分析
調査時期：2024年10月1日～2025年9月30日
調査対象人数：2,337,547人
調査機関：株式会社NTTドコモ
※本データは、累計1,700万ダウンロード(2025年4月時点)を突破した「dヘルスケア」利用者のデータを集計・分析したものです。
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【「dヘルスケア」アプリについて】
　「dヘルスケア」※1は、ドコモが提供するスマートフォン向け健康管理・増進アプリです。（累計1,700万ダウンロード突破）

　歩数や、体重・血圧・脈拍・体温・生活習慣を記録し管理できるほか、歩数ミッションや健康コラムミッションなどの楽しく健康習慣が身につくコンテンツを多数配信しています。また、健康に関するさまざまな悩みを、チャットを通じて24時間いつでも医師に相談できるオンライン健康相談サービス※2の提供やオンライン診療※3・処方箋ネット受付※4の連携によりお客さまの健康管理・増進を幅広くサポートしています。





【有料版アプリの紹介】
「dヘルスケア」は、より積極的に健康管理を続けたい方のために、有料版サービス※5の提供もしています。有料版では、歩数や体重、血圧などの記録が過去分のデータをグラフでひと目で確認できるほか、有料版限定の「歩数ウィークリーミッション」や「健康クイズミッション」などを配信し、日々の健康管理をより楽しくサポートしています。



<有料版アプリの特徴>
・ｄポイントが必ずあたる。
・専門家へのチャット相談が24時間、いつでも、何回でもできる。
・ヘルスチェックAI機能が利用できる。
・コースの設定ができる。
・ふりかえりレポートが配信される。
・常設バナー広告は非表示
など。

サービス詳細はこちら：https://health.docomo.ne.jp/
dヘルスケア　からだデータ白書2025：https://health.docomo.ne.jp/lp/whitepaper2025

※1 「dヘルスケア」アプリは、ドコモ回線の契約有無にかかわらずご利用いただけます。 ご利用には別途パケット通信料が発生します。
※2 オンライン健康相談サービスは、有料版をご契約の方のみご利用いただけます。サービスの詳細は公式サイト（https://www.firstcall.md/）をご確認ください。
※3 オンライン診療の詳細は公式サイト(https://e-clinic.minacolor.com/)をご確認ください。
※4 処方箋ネット受付の詳細は公式サイト(https://myshohosen.minacolor.com/) をご確認ください。
※5「dヘルスケア」有料版は、月額利用料：440円（税込）、App Storeでのご購入・Google Playでのご購入　月額料金：480円（税込）でのご提供です。