IBM-NRF調査:AIが買い物の前段階で消費者の意思決定に影響を与える中、ブランドと小売業者は新たな現実への対応を迫られている

2026/05/25  日本アイ・ビー・エム 株式会社 




日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、本日、IBM Institute for Business Value(IBV)が実施した最新の調査である2026年消費者調査「エージェント型コマースを自らの競争力に」の日本版を公開しました。


生成AIは、「購入」ボタンをクリックする前の購買体験の初期段階を大きく変えつつあります。高度にパーソナライズされた提案やインスピレーションの提示を通じて、消費者への影響は店舗を訪れる前やアプリを開く前から始まっています。こうした変化は、ブランドや小売業者が競争する領域そのものを新たな次元へと押し広げています。


IBM(NYSE: IBM)Institute for Business Value(IBV)が、全米小売業協会(NRF)と共同で実施した新たなグローバル調査によると、調査対象となった消費者の約4分の3(世界72%、日本87%)は引き続き実店舗で買い物をしている一方で、約半数(世界45%、日本22%)が買い物に関連する様々な行動でAIの支援を活用していることが明らかになりました。消費者は今も商品を見て触れる体験を求めていますが、近年の消費者は、あらかじめ何を、なぜ買うのかを意識したうえで買い物に臨む傾向が強くなっています。実際、約4割(世界41%、日本21%)がAIを使って商品を調べ、3割強(世界33%、日本16%)がレビューを確認し、約3割(世界31%、日本10%)がお得な情報を探しています。


全米小売業協会(NRF)でAIおよびテクノロジー・ポリシーを担当するシニア・ディレクターのキャロライン・レパート(Caroline Reppert)氏 は、次のように述べています。「AIは、消費者の買い物の仕方そのものを変え、購買体験全体のあらゆる側面に影響を及ぼしています。こうしたテクノロジーが、消費者の商品発見や比較、選択を主導する中で、この変化を理解し、適切に対応できる小売業者こそが、信頼や関連性を高め、さらには長期的な顧客ロイヤルティーを獲得する上で優位に立つでしょう」

ブラウジングからAIが関与する購買判断へ ― 消費者の意思決定の変化
消費者が商品を探し、比較し、判断する初期段階にまでAIの影響が広がる中で、主要なブランドや小売業者には、消費者とどのように、どこで関わるべきかを改めて見直すことが求められています。


ALDO GroupのCIOであるマチュー・ウール(Matthieu Houle)氏は、次のように述べています。「AIによって買い物は、単なる『ネット検索』から信頼できる『対話体験』へと大きく進化しています。消費者にとって、AI アシスタントは今や手放せない存在です。あたかも人のように振る舞い、好みを理解し、中立的で最適な助言を提供してくれます。その結果、購入前の確認方法や意思決定の在り方を大きく変えています」


調査対象の消費者の3分の1以上(世界35%、日本40%)が、引き続き待ち時間のない魅力的な店舗を求めている一方で、AIを活用したソリューションも同様に重要視されています。実際、回答者の3人に1人が、コマースと他のサービスを統合したスーパー・アプリを求めており、約3割がAIパーソナル・ショッパー(世界30%、日本16%)やオンデマンドの自律配送機能(世界30%、日本24%)とつながるスマート・ホームを望んでいます。さらに、約3割(世界29%、日本21%)がソーシャル・プラットフォーム上で手間なく商品を購入できる体験を求めています。


消費者は、AIを活用したショッピング・アシスタントによる購買判断の支援に、徐々に慣れつつあります。しかし、こうした期待の高まりは、多くの小売企業の運営モデルが対応できるスピードを上回っており、「顧客の最終的な選択を導き、裏付けるためのデータは、十分に整備されているのか?」という問いを投げかけています。


Louis Vuitton Moet Hennessy社 (LVMH)のインサイト(AIおよびオムニチャネル)担当責任者であるスタニスラス・ヴィニヨン(Stanislas Vignon)氏は、次のように述べています。「AIは魔法の杖ではなく、適切なデータがなければ機能しません。さらに、ソリューションをテストしなければ、それが本当に機能するのか、どこに価値をもたらすのかを知ることはできません」

AI主導型の消費者に先んじるために、ブランドと小売業者が取るべきアプローチ
AIが消費者の意思決定のあり方を変えつつある中、ブランドや小売業者には、変化を見据え、顧客の状況に応じた体験を意図的に設計していく必要があります。特に、注目すべきポイントは以下のとおりです。
- 将来の意思決定の瞬間を起点に、購買体験を再構築する:消費者がAIを活用して情報収集や比較、価値判断を行う場面を特定し、それらの接点を購買へとシームレスにつながるようにする
- 購買体験の初期段階における不確実性を低減するために、エージェントを活用する:ディール探索やレビューの解釈、パーソナル・ショッピング支援を、単なるサポート負荷の軽減にとどまらず、消費者の意思決定を後押しする場面に適切に配置する
- データ整備とテストを不可欠な前提条件として位置づける:調査対象となった経営層の過半数(54%)が、チャネルやシステム全体にわたる継続的な課題を挙げる中、製品情報とポリシーの一貫性を確保し、エンドツーエンドで検証することが不可欠であると回答している
- ブランドの独自性をさらに強化する:創造性とブランド本来の表現を維持しながら、AIを活用して関連性を高め、顧客体験における摩擦を軽減する
- AI人材の育成と戦略的なパートナーシップへの投資を強化する:経営層の過半数(51%)がAIの専門知識不足を挙げており、AIを責任ある形で効果的に拡大するためには、社内能力の強化と戦略的パートナー連携が不可欠であることを示している

AIは、あらゆる業界において、意思決定の場所やタイミング、方法といったあり方そのものを再構築しています。小売業界では、AIの影響を受けた消費者行動を理解できるかどうかが、意思決定を主導するブランドと、単に需要に応えるだけのブランドとを分ける重要な差別化要因となります。


本レポートの全文は以下よりご覧いただけます:
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/agentic-commerce


調査方法
AIを活用したショッピングおよびエージェント型コマースに向けて、消費者と企業のリーダーがどのような準備を進めているのかを検証するため、IBM Institute for Business Valueは2025年第3四半期に、消費者と業界の経営層を対象とした2つのグローバル調査を実施した。消費者調査には、23カ国から18,000人を超える回答者が参加し、多様な購買行動を代表するデータが含まれる。また、経営層調査では、小売、消費財、Eコマース分野の200人のシニア・リーダーからインサイトを収集した。回答者は、エンゲージメントのスタイル、価格感度、AIに関する知識によって分類された。記述的分析によって主要なパターンを特定するとともに、優先事項の比較や、信頼を重視したエンゲージメント戦略を評価するため、検証済みの統計手法が適用された。


IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value (IBV)は、IBM のソート・リーダーシップ・シンクタンクとして、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、世界の調査とパフォーマンス・データ、業界の専門家や学者の専門知識に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。
詳しくは、以下をご覧ください。
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja



当報道資料は、2026年1月7日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文はこちらをご参照ください。


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