2024/11/12

AMR対策の新たな治療選択肢、国内初のアビバクタム配合抗生物質「ザビセフタ(R)配合点滴静注用」本日発売~近年臨床上で問題となる薬剤耐性を示すグラム陰性菌感染症に対応~

ファイザー 株式会社 

AMR対策の新たな治療選択肢、国内初のアビバクタム配合抗生物質
「ザビセフタ(R)配合点滴静注用」本日発売
~近年臨床上で問題となる薬剤耐性を示すグラム陰性菌感染症に対応~

報道関係各位

2024年11月12日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ザビセフタ(R)配合点滴静注用(一般名:注射用アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物。以下、本剤)」を発売しました。


ザビセフタ(R)配合点滴静注用 製剤写真

近年世界的に抗菌薬に対する耐性菌が増加しており、本邦でも基質拡張型ベータラクタマーゼ(ESBL)産生菌やカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)などのグラム陰性菌の耐性出現が報告されています1。これらの細菌ではβ-ラクタマーゼを介することが耐性化の原因のひとつとされており2、薬剤耐性を示すグラム陰性菌による感染症に対する新たな治療選択肢が求められていました。

本剤は、セフェム系抗菌薬であるセフタジジム水和物に新有効成分のβ-ラクタマーゼ阻害薬アビバクタムナトリウムを配合した抗生物質製剤で、アビバクタムナトリウムがβ-ラクタム系抗菌薬の耐性機序に関わるβ-ラクタマーゼのうち、AmblerクラスA、クラスCおよび一部のクラスDのセリン-β-ラクタマーゼを阻害することで、セフタジジム水和物がβ-ラクタマーゼ産生菌に対しても抗菌作用を発揮します。本剤は、薬剤耐性菌を含む原因菌による複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎、ならびにこれらの感染症に関連する菌血症に対する治療薬として90以上の国または地域で承認されており、β-ラクタマーゼ産生菌の増加が近年臨床上で問題となっている本邦においても薬剤耐性(AMR)対策の新たな治療選択肢となることが期待されます。

ファイザー株式会社 取締役 執行役員 チーフ・オペレーティング・オフィサー兼インターナルメディスン/病院/抗ウイルス医薬品部門長代行の五十嵐啓朗は次のように述べています。
「AMR対策の新たな治療選択肢としてザビセフタを発売できたことを嬉しく思います。新有効成分のアビバクタムと、開発されて40年以上が経過しているセフタジジムが配合されたユニークな製剤であり、海外でも広く臨床で使用されているザビセフタを日本でもお届けし、日本のAMR対策に貢献していけるよう、関連学会等と連携し、本剤の適正使用情報の提供を進めてまいります」

<参考情報>
国内第3相試験について
本試験は、入院が必要な成人の複雑性腹腔内感染症患者を対象に、本剤2.5 g(アビバクタムとして0.5 g/セフタジジムとして2.0 g)とメトロニダゾール注射液0.5 gを静脈内投与により併用した際の有効性および安全性を評価する多施設共同、非盲検、単群試験です。

薬剤耐性(AMR)について
薬剤耐性とは、感染症の原因となる病原体に対し治療薬が効かないもしくは効きにくくなることで、AMRはantimicrobial resistanceの略語です。

ザビセフタ(R)配合点滴静注用について
本剤は、複雑性腹腔内感染症患者を対象とした国内第3相試験と、2016年にファイザーが米国およびカナダ以外の国・地域における開発・商業化の権利を得る前に実施された国際共同治験の結果等に基づき、本年6月24日に国内における製造販売承認を取得しています。

製品概要

販売名

ザビセフタ(R)配合点滴静注用

一般名

注射用アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌
〈適応症〉
敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍

効能又は効果に関連する注意

〈効能共通〉
本剤の使用に際しては、β-ラクタマーゼの関与が考えられ、本剤に感性の原因菌による感染症である場合に投与すること。
〈肺炎〉
臨床試験の対象が院内肺炎(人工呼吸器関連肺炎を含む)患者であったことを踏まえ、適切な患者に投与すること。

用法及び用量

通常、成人には1回2.5g(アビバクタムとして0.5g/セフタジジムとして2g)を1日3回2時間かけて点滴静注する。なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。

用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉
腎機能障害のある患者(CLcrが50mL/min以下)に対しては下表を参考に本剤の用量を調節すること。

a)Cockcroft-Gault式により算出
b)いずれの用量も2時間かけて投与する。
c)本剤は血液透析により除去されるため、血液透析日は透析後に投与すること。
d)臨床試験において、CLcrが6mL/min未満で血液透析をしていない患者における臨床推奨用量の根拠となるデータは得られていない。

〈腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍〉
本剤単独投与時の有効性及び安全性の検討を目的とした臨床試験は実施していない。併用するメトロニダゾール注射液の用法及び用量、使用上の注意等は、メトロニダゾール注射液の電子添文に従うこと。

製造販売承認取得日

2024年6月24日

薬価収載日

2024年8月15日

薬価

16,111円 (2.5g 1瓶)

発売年月日

2024年11月12日

製造販売元

ファイザー株式会社

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(米ファイザー本社)www.pfizer.com

(日本法人)www.pfizer.co.jpInstagram

<出典>

1. 竹末芳生:日本外科感染症学会雑誌. 16(2): 80, 2019
2. 社内資料:ザビセフタ開発の科学的背景(承認時評価資料)

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