非フッ素系分散剤の実用化を加速 規制対象のフッ素系界面活性剤を用いることなくPTFE 粒子の高濃度水分散体を実現

2024/01/24  積水化成品工業 株式会社 

2024年1月24日

積水化成品工業株式会社(本社:大阪市北区西天満2-4-4 社長:柏原正人)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子の高濃度水分散体が作成可能な非フッ素系分散剤の実用化を加速します。

非フッ素系分散剤の実用化を加速
規制対象のフッ素系界面活性剤を用いることなくPTFE 粒子の高濃度水分散体を実現


1.経緯

PFAS は有機フッ素化合物の総称で、耐薬品性・撥水剤・撥油性などの特性を有し、半導体や EV など多様な分野に幅広い用途で使われてきましたが、健康リスクなどが指摘される一部の化合物は、EUや日本などで製造・使用が禁止となっています。さらに、環境残留期間が長いことへの懸念などから、欧州を中心に規制対象が広がる動きもあり、その代替素材の開発が注視されています。

PFAS は、その用途の1つとして、PTFE 粒子を液体中に均一に分散させる添加剤として活用されていますが、積水化成品では非フッ素系分散剤の早期実用化に注力しています。2021年に東北大学材料科学高等研究所 藪教授の研究成果であるムール貝の接着現象を応用した非フッ素系分散剤を技術導入し、実用化に向けた研究開発を進めてきましたが、この度、非フッ素系分散剤の構造を制御することにより課題であった分散性能を向上させ、既存のフッ素系分散剤と同性能の 50wt% 固形分濃度で PTFE が水分散できる技術を確立しました。

2.特長

● PTFE粒子など低表面自由エネルギーのフィラーを、高濃度で水分散することが可能です。
● 水に可溶なため簡素な工程で水分散体を作製できます。
● 少量の汎用界面活性剤を併用することで、添加量を削減することが可能です。

3.今後の展開

非フッ素系分散剤の市場展開を進めるとともに、PFAS規制に関わる他の素材についても代替となる製品開発を行っていくことで「環境リーディングカンパニー」として環境保全に貢献していきます。

本開発品は 2024年1月31日 ~ 2月2日に東京ビックサイトにて開催される「nanotech 2024 第 23 回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」にてご紹介する予定です。

ニュースリリース「フッ素系樹脂粒子を水に分散できる 非フッ素系分散剤のサンプル提供開始」
URL : https://www.sekisuikasei.com/jp/a.php?id=357

以 上

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