造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)を予定効能・効果とする選択的ROCK2阻害剤「ME3208」の国内製造販売承認申請に関するお知らせ [Meiji Seika ファルマ株式会社]

2023/06/27  明治ホールディングス 株式会社 

2023 年 6 月 27 日

造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(慢性 GVHD)を予定効能・効果とする
選択的 ROCK2 阻害剤「ME3208」の国内製造販売承認申請に関するお知らせ


Meiji Seika ファルマ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林大吉郎)は、本日、選択的 ROCK2(Rho-associated coiled-coil containing protein kinase 2)阻害剤「ME3208」(開発コード、一般名:ベルモスジルメシル酸塩)について、「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を予定効能・効果とする製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。なお、同剤は 5 月 23 日付で、厚生労働省より「造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病」の予定効能・効果で希少疾病用医薬品の指定を受けています。

このたびの製造販売承認申請は、日本において慢性 GVHD 患者を対象に実施した臨床第Ⅲ相試験jRCT2011210041の成績に基づいて行われました。同臨床第Ⅲ相試験は、ME3208の有効性の確認および安全性の評価を目的として、12 歳以上の日本人慢性 GVHD 患者を対象に単一群・非盲検・非対照試験で実施されました。その結果、同剤は最良全奏効率(best overall response rate; best ORR)[完全奏効(complete response; CR)または部分奏効(partial response; PR)を示した被験者の割合]を基準とする主要評価項目を達成しました。試験成績の詳細については、今後学会等で公表する予定です。

慢性 GVHD は、白血病を含む血液がんの治療として行われる造血幹細胞移植後に発症する合併症であり、治療選択肢が限られる疾患です。ME3208 は、免疫細胞の分化と組織の線維化に関与するリン酸化酵素である ROCK2 を選択的に阻害する世界初かつ唯一の薬剤であり、免疫調整作用と抗線維化作用を発揮し、慢性 GVHD に奏効することが期待されます。米国 FDAは、同剤を画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)および優先審査品目(プライオリティー・レビュー)に指定しています。米国では 2021年 8 月より慢性 GVHD 治療薬「Rezurock®」として販売されており、2023 年 3 月にはカナダおよび英国(Great Britain)においても発売されました。

日本およびアジア 12 カ国においては、Meiji Seika ファルマがサノフィ傘下の Kadmon Corporation, LLC(本社:米国ニューヨーク市)と共に出資するロメック・ファーマ合同会社が、同剤を独占的に開発および販売する権利を保有しています。韓国では 2023 年 3 月に製造販売承認申請を行っています。

Meiji Seika ファルマは、ME3208 の開発を通じ血液内科領域におけるアンメットメディカルニーズの充足に取り組みます。

以上

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