~日本のガス灯発祥の地「横浜」で、日本初の取組を実施~
横浜市(市長:山中 竹春)と東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)は、このたび、クリーンガス証書制度に基づき、「東京ガス横浜テクノステーション メタネーション実証設備」(以下「メタネーション実証設備」)で製造したe-methane(以下「e-メタン」)を対象に発行されたクリーンガス証書の環境価値の移転に合意し、山下公園通りに設置されているガス灯に活用します。
2024年4月から運用開始された本制度において、e-メタン由来のクリーンガス証書の環境価値移転を行うのは日本初となります。
1 背景
横浜市と東京ガスは、メタネーション実証試験に向けた連携協定を締結*1し、2023年7月から三菱重工グループと共同で横浜市資源循環局鶴見工場の排ガスから分離・回収したCO2をメタネーション実証設備に輸送し、再生可能エネルギー由来のグリーン水素と合わせてe-メタンを製造する原料として活用する実証*2を進めています。
今回、メタネーション実証設備で製造されるe-メタンについて、2024年4月に運用開始されたクリーンガス証書制度に基づく認証を受け、クリーンガス証書を取得しました。本制度は都市ガスのカーボンニュートラル化の手法のひとつとして公的制度への反映を目指しています。
2024年10月31日の”ガスの記念日”から一定期間、取得したクリーンガス証書の環境価値を山下公園通りのガス灯に活用することで、ガス灯で使用する燃料をクリーンガス化*3します。
本取組は、横浜市と東京ガスの連携協定に基づくe-メタン製造実証の地産地消の取組を、更に深化させ、e-メタンの広範な活用のきっかけとするものです。
なお、2024年8月から、横浜市下水道河川局北部下水道センターの再生水と消化ガスを、水素とe-メタン製造用の原料として活用する実証*4を開始しており、今後、これらを原料にしたe-メタンやバイオガスとの混合ガスについても、クリーンガス相当量としての認証を受け、活用することを予定しています。
2 クリーンガス証書の概要
3 環境価値の移転先概要
4 クリーンガス証書制度
燃焼しても大気中のCO2が増えないとみなせる価値(環境価値)を持つe-メタンやバイオガスを対象に、クリーンガスとしての証書を発行する制度です。クリーンガス証書評価委員会が、製造設備の認定と、認定された設備により製造されたクリーンガス相当量の認証を行い、証書発行事業者が「クリーンガス証書」を発行することで、e-メタンやバイオガスの環境価値をエネルギー価値から分離し、移転可能となります。
【メタネーション実証におけるクリーンガス証書制度の活用概要】
【ガスの記念日について】
1872年(明治5年)10月31日、日本で初めてのガス灯が横浜で灯り、都市ガス事業が始まりま
し た。そのため、わが国の都市ガス事業の始まった日として、10月31日は「ガスの記念日」
と定められています。
*1:「横浜市と東京ガスがメタネーションの実証試験に向けた連携協定を締結」(2021年1月18日 記者発表)
(
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/green/2021/0118methanation.html)
*2:「ごみ焼却工場の排ガスからの CO2回収とメタネーションへの利用実証の開始」(2023年7月28日 記者発表)
(
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/green/2023/20230728press.html)
*3:クリーンガス証書制度における「クリーンガス」としてみなすことを指す
*4:「下水道資源を活用した水素及びe-メタンの製造実証を開始」(2024年8月29日 記者発表)
(
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/gesui/2024/0829gesuie-methane.html)
*5:クリーンガス証書評価委員会にてクリーンガス相当量の認証審議中