藤井聡太三冠、初の準決勝進出! 9月25日(土)二回戦第四局 開催結果

2021/09/26  公益社団法人 日本将棋連盟 

藤井聡太三冠が千田翔太七段を113手で破り、 準決勝に初進出した。次戦は、準決勝第二局で、永瀬拓矢王座と対局予定。


【実施概要】
タ イ ト ル: 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 二回戦第四局
日 程: 2021年9月25日(土)
場 所: ABEMAスタジオ シャトーアメーバ(住所:東京都渋谷区神宮前2丁目8-2 )

【JTプロ公式戦結果】 二回戦第四局
対  局: 藤井 聡太 三冠(先手)対 千田 翔太 七段(後手)
結  果: 113手にて藤井三冠の勝ち

【JTプロ公式戦 今日のハイライト】
■藤井三冠準決勝へ ベスト4に四強そろい踏み

振り駒は歩が4枚で藤井三冠の先手と決まる。相掛かりから角交換になり、結局は角換わり腰掛け銀の定跡形に合流する珍しい序盤に。先手は封じ手で▲8八玉と入場し、45手目▲4五桂から開戦。先手の攻め、後手の受けという展開に。先手は攻め駒が少ない中、細かく手をつなげて後手玉を寄せ切った。藤井三冠は、準決勝進出を決めた。

【対局前の両者のコメント】
藤井聡太三冠「『JTプロ公式戦』は3回目の出場になりますから、過去3局の経験を生かしていければと思います。千田七段はコンピュータを使った研究で有名ですが、定跡からはずれた局面や力戦になったときにも対応されている印象があります。今回こども大会が中止になったのは残念ですが、将棋ファンの皆様に面白い将棋をお見せできるよう頑張りたいと思います。」
千田翔太七段「羽生九段との一回戦は激しい展開の将棋でしたが、流れに乗れて勝つことができました。この勢いを生かしたいです。藤井三冠とは何局か戦っていますが、もう1年以上も前になります。お互い少しずつ変わっていると思いますので、過去のことは過去のこととして、新たに対局に向かうつもりです。」

【勝利棋士 藤井三冠のコメント】
21手目▲5六銀では▲6六歩と突いて、▲6七銀から雁木模様で指すのも有力です。封じ手後の△5四銀に▲4五桂を決行しました。攻めの方針です。56手目△2六歩は好手で、▲同飛は△5九角でリスクがあります。71手目▲4七桂はタイミングが難しかったですが、方針はわかりやすくなりました。本譜は▲3五桂が残る形になってペースになったと思います。最後は91手目▲7五桂を発見できて行けそうだという手応えを感じました。準決勝は地元の名古屋での対局ですので、熱戦になるように頑張りたいと思います。

■講評
相掛かりかと思いきや角換わり腰掛け銀になる珍しい序盤でした。45手目▲4五桂に△2二銀と引いて、後手は最強の受けの姿勢です。先手は持ち駒が少ないので、攻めがつながるかどうかという戦いになりました。75手目▲2一歩成に対し、千田七段は局後「△1三香と逃げる手だったか」との感想がありましたが、先手からすると1一の香を取れたのが見た目以上に大きかったのかもしれません。藤井三冠の71手目▲4七桂や91手目▲7五桂といった桂打ちが好手でした。また細かいところですが、99手目▲2四金から金銀を入れ替えておいたのも効いているんです。「玉は包むように寄せよ」という格言通りの攻めが決まり、先手が攻め切りました。
大変勉強になりました(笑)。 村山慈明七段談

【現地観戦申し込み締め切り日について】
「JTプロ公式戦」の準決勝以降の現地観戦の締め切り日は以下の通り。
【大阪大会】9月29日(水)【東海大会】10月20日(水)【東京大会】11月4日(木)※事前申込抽選制となります。詳しくは大会ホームページをご覧ください。
https://www.jti.co.jp/culture/shogi/professional/schedule/2021/index.html

JTプロ公式戦(二回戦第四局)結果
【投了図】 藤井聡太三冠(先手)対 千田翔太七段(後手) 投了図は▲5三成銀 まで ※全は成銀のこと

【棋 譜】 藤井聡太三冠(先手)対 千田翔太七段(後手)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △5二玉  ▲4六歩 △9四歩 ▲4七銀 △7四歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲7七角 △3三角 ▲6八銀 △4二銀 ▲5六銀 △7七角成 ▲同 銀 △3三銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲3六歩 △6四歩 ▲4八金 △6二金 ▲3七桂 △7三桂 ▲6六歩 △8一飛 ▲2九飛 △6三銀 ▲6九玉 △4二玉 ▲6八玉 △5二玉 ▲7九玉 △4二玉 ▲8八玉 △5四銀 ▲4五桂 △2二銀 ▲3五歩 △同 歩 ▲2四歩 △4四歩 ▲7五歩 △同 歩 ▲2三歩成 △同 銀 ▲7四歩 △2六歩 ▲7三歩成 △同 金 ▲6二角 △6三金 ▲5三桂成 △同 金 ▲7三歩 △7六歩 ▲6八銀 △7七歩成 ▲同 銀 △7一歩 ▲2二歩 △3三桂 ▲4七桂 △5二玉 ▲5三角成 △同 玉 ▲2一歩成 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩 ▲同 金 △2七歩成  ▲1一と △2六角 ▲5八金 △2八歩 ▲3九飛 △7五桂 ▲5五香 △8七桂成 ▲同 玉 △4三金 ▲7五桂 △3四銀 ▲5四香 △同 金 ▲6三銀 △3八と ▲7九飛 △3六角 ▲2四金 △2三金 ▲3四金 △同 金 ▲5五銀 △4三玉 ▲5四銀引成 △3二玉 ▲1三金 △7四香 ▲4三銀 △4一玉 ▲7二歩成 △同 歩 ▲5三成銀 まで113手で先手の勝ち

<資料提供> 将棋日本シリーズ総合事務局
■香川県から県産品の贈呈
本日の対局が行われる予定であった香川県から対局棋士・出演棋士の皆様に、今年で19回目の開催となる「かがわ県産品コンクール」で知事賞(最優秀賞)を受賞した県産品が贈呈されました。藤井三冠には武営さん・香川漆器・オリーブホワイトチョコ塩サブレサンドの三品が、千田七段には、武営さん・くろまめまめ・香川漆器の三品が贈呈されました。

          対局棋士・出演棋士を代表して目録を受け取る勝利棋士の藤井三冠
本日勝利し、記者会見に臨んだ藤井三冠は、次戦、準決勝第二局について聞かれ、「名古屋での大会が予定されていますので、楽しみにしています。」と語りました。記者会見の最後に、かがわ県産品贈呈の目録を受け取った藤井三冠は、「香川と言えばうどんのイメージ。今回それ以外にもいろいろなものがあることを知りました。」と話していました。

贈呈された「かがわ県産品」

【かがわ県産品コンクール】 「うどん県。それだけじゃない香川県」の「それだけじゃない」魅力あふれる県産品の開発を促進するとともに、香川県を代表する県産品の掘り起こしを行い、県内外への販路拡大を支援しています。

お問合せ 「将棋日本シリーズ」総合事務局 TEL/03-5166-0290 E-mail/info@jt-shogi.jp
〒104-6038東京都中央区晴海1-8-10晴海トリトンスクエアX棟(株)I&S BBDO内※「棋士の写真」や「各種調査データ」の提供等もいたします。

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