免疫チェックポイント分子TIM-3に対する新規がん免疫治療用抗体(BP1210)の非臨床試験データをSITC 2021で発表します

2021/11/12  ブライトパス・バイオ 株式会社 


2021 年 11 月 12 日
ブ ラ イ ト パ ス・ バ イ オ 株 式 会 社

免疫チェックポイント分子 TIM-3 に対する新規がん免疫治療用抗体(BP1210)
の非臨床試験データを SITC 2021 で発表します

当社が研究開発を進めている抗 TIM-3 抗体 BP1210 について、米国癌免疫療法学会(SITC, Society for Immunotherapy of Cancer)年次会議において発表します。

米国癌免疫療法学会の開始時間(日本時間 11 月 12 日(金)午後 9 時)に合わせて、発表資料当社ホームページ掲載します。

主な公表内容は次のとおりです。

・ 二重特異性抗体技術を駆使し、免疫チェックポイント分子 TIM-3 を抑制する当社独自のバイパラトピック抗体 BP1210 を創製しました。

・ BP1210 は TIM-3 とリガンドの結合を網羅的に阻害し、これまでの抗体では得られなかった高い有効性を発揮します。

・ BP1210 は抗腫瘍免疫で中心的な役割を果たす T 細胞の疲弊を抑え、抗腫瘍免疫活性を亢進します。

・ 従来の TIM-3 抗体に勝る BP1210 の非臨床データから、新しいがんの治療スキームの可能性が広がりました。

免疫チェックポイント分子である TIM-3 は T 細胞を抑制して抗腫瘍免疫活性を低下させます。TIM-3 には TIM-3 の抗腫瘍免疫抑制機能を発動させる生体内分子が複数存在します(ホスファチジルセリン、CEACAM1、ガレクチン 9、HMGB1 など)。そのため、従来の TIM-3 抗体では TIM-3 の機能を完全に阻害することは困難でした。当社は、二重特異性抗体技術を駆使して、TIM-3 とリガンドの結合を強力に阻害する新規の抗 TIM-3 バイパラトピック抗体(BP1210)を開発しました。

BP1210 はがん治療を前提にしたヒト型抗体です。抗体分子と抗原の結合が二価であることを利用して、BP1210 は TIM-3 の 2 か所のエピトープに結合(バイパラトピック結合)し TIM-3 の分子表面を被覆します。さらに、BP1210 抗体が 1 分子の TIM-3 に二価で結合することで、強い結合能と特異性を達成しています。これらの特性により、BP1210 は TIM-3 の多様なリガンド結合を網羅的にかつ強力に阻害することが可能で、従来の TIM-3 抗体では得られなかった高い抗腫瘍免疫活性化能を発揮します。

本発表では、BP1210 の分子構造、抗体特性、TIM-3 の阻害様式、および抗腫瘍免疫亢進能を示しました。これらが、既存の TIM-3 抗体では達成し得ない、高い臨床効果に結び付くことが期待されます。

当社は、本結果を受けて BP1210 のポテンシャルの高さを評価し、臨床開発を前提とした抗 TIM-3 抗体医薬の創製を進める予定です。

なお、本件による当期業績への影響はありません。

以上

【発表演題】

Novel biparatopic TIM-3 antibody effectively blocks multiple inherent ligands and activates anti-tumor immunity.(発表番号:235) TIM-3 の複数のリガンドの結合を阻害し抗腫瘍免疫を高める新規抗 TIM-3 バイパラトピック抗体 発表時間:日本時間 11 月 12 日(金)午後 9 時~11 月 13 日(土)午前 10 時 (米国東部標準時間 11 月 12 日(金)午前 7 時~午後 8 時)

【問い合わせ先】 ブライトパス・バイオ株式会社 管理部 E-mail: irpr@brightpathbio.com https://www.brightpathbio.com

関連業界