DMPK特許、日本で成立のお知らせ

2024/09/17  株式会社 モダリス 

2024 年 9 月 17 日

株式会社 モダリス

DMPK特許、日本で成立のお知らせ

当社が開発し、出願した特許出願「DMPK遺伝子を標的とした筋ジストロフィーの治療方法」が日本で特許査定。

当社独自の CRISPR-GNDM®によるエピゲノム編集技術を用いた筋硬直性ジストロフィーに対する遺伝子治療薬、MDL-202 に関する特許

当社の MDL-202 に関する特許出願(特願 2022-518586)が、日本特許庁から査定の通知を受けましたのでお知らせします。

筋硬直性ジストロフィー(DM1)は成人で最も頻度の高い(日本における発症頻度は 10 万人に5 人程度)筋ジストロフィー症で、筋硬直および筋萎縮を特徴とする疾患です。

その発症メカニズムは、DMPK 遺伝子の 3’側?翻訳領域にある CTG 繰り返し配列(リピート)の異常伸長が原因で、その転写産物である mRNA が、リピート領域にスプライシングに関与する MBNL1 などのタンパクをトラップすることにより、筋?細胞において正常なスプライシングを阻害することによるとされています。

当社はこれに対して、DMPK 遺伝子を CTG リピートごとサイレンシングする CRISPR-GNDM®分子を筋特異的なプロモーター制御下で駆動する分子を設計し、これを AAV に搭載したものを MDL-202 として開発しております。DM1 に対しては、アンチセンスオリゴ(ASO)など他のモダリティによる開発も進んでいますが、DMPKをサイレンシングできる有効濃度まで、臓器に対する選択性のない ASO を投与することは困難であると考えられます。対して、MDL-202 は、筋?に選択的な AAV とプロモーターの採用により、筋?選択的に分子を導入し、DMPK 遺伝子を効率良く抑制することが可能になると考えられます。

本特許発明においては、DMPK 遺伝子に対して高度に最適化されたガイド RNA を含むGNDM 分子の構成を主張しており、これが特許として認められた背景にはその新規性と進歩性 が あ っ た と 考 え て お り ま す 。 当 特 許 は 既 に 中 国 で 登 録 と な っ て お り ま す が(CN 202080032034.2)、当社にとって重要な市場である日本でこの特許が認められたことで、MDL-202 の発売後にバイオシミラー医薬品との競争から当社の事業を守る強固な知的財産権を確立することができました。また日本に続いて他の主要国でも特許成立が今後期待されます。

エピゲノム編集:DNA やヒストンのメチル化などを制御することにより、遺伝子配列はそのままの状態で、遺伝子のオン・オフを転写レベルで制御すること。

以上

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